3.11以降、節電を心がけるようになった人は増えたと思いますが、節水も大切です。例えばシャワーを1分だけ流しっぱなしにすると、およそ10リットルもの水が無駄になっているそうです。
そこで誕生したのが「STOP THE WATER WHILE USING ME!」というオーガニックコスメブランド。「髪や体を洗うときはシャワーの水を止めよう!」というメッセージをこめて、2010年にドイツで誕生しました。水を守ることを明確に謳ったコスメブランドは世界初なのだそう!
手がけたのはKOREFEというドイツのデザインスタジオ。パッケージだけでなく商品のコンセプトも考案し、ボトルの後ろにはこんな文字が。中身にも徹底的にこだわっているのが伝わりますね。
WE:私たちの約束
STOP USING ARTIFICIAL INGREDIENTS AND COLOURS.
(人工添加物や着色料は使用しません。)STOP PRESERVATIVES.
(合成保存料は使用しません。)STOP NON-BIODEGRADABLE ELEMENTS.
(非生分解性のものは使用しません。)STOP TESTING OUR PRODUCTS ON ANIMALS.
(動物実験はしません。)STOP UNNECESSARY PLASTIC WASTE BY USING REFILLABLE BOTTLES.
(詰め替え用ボトルを使い、余計なプラスチックを使用しません。)YOU:あなたの約束
STOP THE WATER WHILE USING THIS SHAMPOO.
( このシャンプーを使っている間、水を流しっぱなしにしません。)
代表のStefan Kolle(ステファン・コール氏)は、「シンプルなデザインにすることで、より強くメッセージを伝えることができます。水を無駄使いしないことは、このデザインと同じくらいシンプルで簡単です」と述べています。
このパッケージとコンセプトは話題を呼び、カンヌ国際クリエイティブ祭などで受賞したほど!
いよいよ日本にも上陸!
そんな話題の「STOP THE WATER WHILE USING ME!」は、すでにフランスやイギリスをはじめとする13カ国で販売されています。そしていよいよ今年3月から日本でも発売されました!日本でこのブランドを扱うのは株式会社BIOTOPE。代表の中森友喜さんにお話を伺いました。
日本発のナチュラルコスメを作りたいと思い、その参考に海外のブランドを見ていたときにこの商品を知りました。
「モノに語らせる」というデザインが斬新で、これは面白い!と思ったので、オーナーの方と日本で一緒にやりましょうという話をしました。
公務員だった経歴も持つ中森さん。オーガニックとの出会いは何だったのでしょうか。
会社を運営したいと考えていたので、大学卒業後はその知識を学ぶために国税庁へ入り、その後「東京ガールズコレクション」を企画しているベンチャー企業へ転職しました。小さな会社がどうやってあんなに大きなイベントをできるのか、そのヒントを知りたかったからです。
オーガニックとの出会いは、その会社でオーガニックコスメの事業に携わったことです。当時はまだ「オーガニック」という言葉も今ほど広まっていませんでしたが、担当者に魅力を熱く語られ、今後はファッションだけでなくより生活に密着したものの必要性を感じました。
PRを担当しているFUKIさんも「デザインが生活の中に入ると、気持ちが上がるし、普段の暮らしが豊かになります」とデザインの大切さを語っていました。
そこでファッション感覚で楽しんでもらいたいという思いからオンラインストアのほか、アパレルショップを中心に販売しています。オーガニックコスメ=高いというイメージがありますが、手の届きやすい価格を目指し、200mlサイズで2,000円前後とお手頃。
「日常の中で気づきを与えられたら」と中森さん。ドイツでは、水を使わない間に蛇口を止めることは子どもの頃からしつけられているそうです。日本でも同じですね。使っていないときはトイレの電気を消したり、テレビを消したり、冷蔵庫を閉めたり。ちょっとした節電・節水を当たり前のようにできる習慣はこれからも大切にしていきたいものです。
(Text:木村絵里)
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