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105人の未来を変えるパワー!25のマイプロジェクトのアイデアが生まれた「AQUA SOCIAL FES!! Student Camp」レポート

greenz/グリーンズ AQUA SOCIAL FES!! STUDENT CAMP トップ

TOYOTAのコンパクトハイブリッドカーAQUAが本気で取り組む全国参加型の新しいキャンペーン「AQUA SOCIAL FES!!」、各地で活動が始まっていますが、greenzでは、そのスピンアウト企画とも言うべき「Student Camp」の企画運営を行いました。全国からこれからの社会を良くしようと本気で思っている105人の学生が集まり、25の「マイプロジェクト」を3月2日(金)〜3月3日(土)の1泊2日で本当に作ってしまったキャンプ、その熱気をレポートで皆さんにもお届けします!

未来をつくれる人を育てたい

事前記事でもお伝えしましたが、まずはこのStudent Campとはいったい何なのかを説明しておきましょう。そもそも「AQUA SOCIAL FES!!」はトヨタの新型車AQUAのキャンペーンです。燃費がよく環境に良いハイブリッドカーAQUAにちなんで、クルマに乗らない人でも参加できる、未来をよりよいものにするための参加型プロジェクトで、具体的には、地元のNPOや新聞社と協力して、全国50ヵ所で「水」にまつわる環境を良くする活動を展開していくという前例のないマーケティング(プロモーション)活動です。

Student Campは、その一環として行われたもので、各都道府県から学生を東京に招待、自分のやりたいこと=「マイプロジェクト」とし、その企画方法や実践方法についてを学びました。「これのどこがAQUAと関係あるんだ?」とお思いの方も多いと思いますが、挨拶に立ったトヨタマーケティングジャパンの折戸弘一さんは「AQUAは、よりよい未来を目指して開発されました。そのキャンペーンであるAQUA SOCIAL FES!!は、みなさんと一緒になって日本全国それぞれの地域をよりよい方向に地道に変えていく施策です。そして、このStudent Campはもっと先を見据えて、これからのよりよい未来を作っていく若い人たちを育てるのが目的です。今日集まっていただいた皆さんは今後、社会を作っていくリーダーになってくださる方だと思っています。全国47都道府県の参加者の皆さんで、ぜひ積極的に交流して、今後に向けた学びやつながりを持って帰ってください!」と話しました。

折戸弘一さん

折戸弘一さん


マイプロジェクトを作るためのヒントがもりだくさんのスクール

Student Campの冒頭、2時間にわたって行われたスクールの講師は、AQUA SOCIAL FES!!のクリエイティブディレクターである電通の岸勇希さん、アドバイザーであるThink The Earthの上田壮一さん、そしてgreenz.jpの鈴木菜央です。

まず壇上に上がったのは岸さん。岸さんは質疑応答の時間さえ話したいということで、熱気たっぷりに、すごいスピードで1時間話し切りました。

岸勇希さん

岸勇希さん

営利活動の延長上に社会貢献を

僕のマイプロジェクト、それは「営利活動の延長で社会や地域に貢献できる仕組みを作る」ということ。それを実現したのがこのAQUA SOCIAL FES!!です。あくまでAQUAのプロモーション活動、でも結果的に未来をよくしていく活動になっています。

ここで重要になるのが「フローからストックへ」という考え方でした。どうせ広告宣伝費を使うなら、ただCMなどの広告を流していく(フロー)というだけではなく、実際に形になる成果を積み重ねていく(ストック)ために使ったらどうだろうと提案をしました。「このクルマは未来をつくるクルマです!」と広告する以上に、「川がきれいになった」という何よりも強い事実を積み重ねることのほうが、AQUAの理念や、トヨタの想いが伝わると考えたわけです。ちなみに今だから話せることですが、プレゼンでは「最悪、AQUAが売れなくても、一本の川がキレイになるならそれでいいじゃないか。」なんて話までしていました(笑)。さらに言うと、AQUAの成功事例が見本になって、他の企業の広告費の使い方も変わっていって、世の中がもっとよくなればいいなぁ、そんなことが僕のマイプロジェクトなんです。

マイプロジェクトをやろうという人に一番大切なこと、それは「実行すること」。実行してはじめて、「それいいね!オレもやってみたい!」と思う人が増えて広まっていくのです。裏を返せば、実行できないものをどれだけ論じても、人は興味を持ってくれないし、協力もしてくらないと思います。だからこそ、実現するための強いアイデアが必要になります。「AQUA SOCIAL FES!!」が実現したのは、それが、確実に事実を積み重ねていくという本質的で強いアイデアだったからだと思っています。そして意外にもアイデアというのは、センスや勘だけでなく、努力や訓練で生み出せるものなのです。今回のStudent Campはまさにそれを実行する場なのです。

左)上田壮一さん、右)鈴木菜央

左)上田壮一さん、右)鈴木菜央

上田壮一さんはご自身の活動について「活動の根底にあるのは人々の無関心が問題なんじゃないかということ、それをクリエイティブやコミュニケーションの力で何とかしたい」と話し、「今回の出会いこそがみんなの未来を変えると思っている」とメッセージを送りました。

鈴木菜央からは「じぶんごとで社会を変えよう」ということで、まず社会を変える力のあるマイプロジェクトの事例を紹介、そしてそれらに共通するのは「根底に愛があり、そしてシンプルであり、『楽しい』がガソリンになっていること」と話し、「楽しい」こそが原点とメッセージを送りました。


アイデアを形にするその楽しさを学んだワークショップ

続くワークショップでは105人の参加者が20人ずつ5つのグループに別れ、それぞれにマイプロジェクトをすでに実際に立ち上げている先輩がファシリテーターとして進行を務めました。ファシリテーターは、「東京キャンプ」の岩崎雅美さん、「アートマンズ」の菅原和利さん、「ハイタッチ隊」の池田美砂子さん、「まちづクリエイティブ」の殿塚建吾さん、そしてgreenz.jp編集長の兼松佳宏と、どの方もgreenz.jpで取り上げさせていただいた方ばかり。

各グループでは、事前に宿題として課されたワークシートをもとに、自分の興味関心について小さなグループで対話をします。これを2セッション。その後、興味関心によってグループを4、5人ずつ5つの班に分けます。これが翌日発表するマイプロジェクトを企画するチームです。各チームは3時間をかけ、お互いの理解に始まり、プロジェクトの企画、そして最後にグループ内でプレゼンの練習を行いました。

短い時間で企画をまとめ、2分間というプレゼンにまで持っていくという作業はかなり大変で、なかには意見が対立して言い合いになるようなチームも。ワークショップの最後ステップであるグループ内のプレゼンでも、ほぼ出来上がっているチームもあればまだほとんど白紙というチームもありました。

ワークショップが終わるといよいよ夕食もかねたgreen drinksで交流して、あとはグッスリ就寝、となるところですが…プレゼン資料の最終提出期限は翌朝ということで、ほとんどのグループが夜を徹してアイデアをブラッシュアップ。ファシリテーターも夜中に電話で起こされたりしながら、スタッフ総出で全力サポートしました。

greenz/グリーンズ AQUA SOCIAL FES!! STUDENT CAMP ワークショップ1
greenz/グリーンズ AQUA SOCIAL FES!! STUDENT CAMP ワークショップ2
ワークショップの様子
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greendrinks Student Campでは、ソフトドリンクで交流を深めました。


いよいよ最終プレゼン!

明けて3日(土)の9時からは、いよいよ最終プレゼンです。各チーム2分の発表時間で、夜通し準備したスライドがスクリーンに映し出されるなか、どのようプロジェクトでどんな課題を解決するのかをプレゼンします。スライドが間に合わずにA3の紙を手に持ってプレゼンするチームあり、大切なアイデアが書かれた紙をなくしてしまい真っ白な状態からプレゼンするチームあり、派手なパフォーマンスを見せるチームありと本当にそれぞれに個性が出た発表となりました。

審査員は前日に講師として登場した、折戸さん、岸さん、上田さん、そして鈴木。さらに、参加した学生も、自分が気に入ったプロジェクトに投票して学生賞を決めるということもあって、(眠い目をこすりながら)他のグループのプレゼンにも真剣に見入っていました。各チームのプレゼンにはそれぞれ審査員から丁寧なフィードバックコメントをいただき、それが何よりも勉強にそして励みになったのではないでしょうか。

すべてのプロジェクトを紹介したいところですが、膨大な長さになってしまうので、4つの審査員賞と学生賞を獲得したアイデアだけを紹介します。(ここで発表された全マイプロジェクトは後日公開予定です!)

greenz賞:わたしが生産者です?「田んボール」

最初はgreenz賞!受賞したのは「ビール」チーム、田んぼでサッカーをして農家も学生もハッピーになるという「田んボール」です。greenz/グリーンズ AQUA SCIAL FES!! STUDENT CAMP 田んボール
このアイデアはスーパーで見かける「わたしが生産者です」という、スーパーなどで見かけるPOPを発想の出発点としました。正直、それを見ても「え?だれ?」という唐突がありますよね?その生産者をより身近な存在にしてしまおうというアイデアです。そうすれば、生産者が知り合いになる上に楽しく農業を身近に感じられるだけでなく、スパイクで土を掘り起こすことで重機の使用削減になるかもしれないというアイデアでした。

これを選んだ鈴木菜央は「ネーミングだけでわかるし、課題設定もしっかりしていて、しかもシンプル。想像しただけで楽しそうだし、本当に複数の課題を解決してくれるんじゃないかという可能性を感じる」とコメント。受賞チームからは「午前3時頃、迷宮に迷い込みましたが、みんなで楽しんでできたことでいただけた賞だと思います」との感想が。

上田賞:元気です、の伝え方。「Thanks Parents Day」

続いて上田賞!受賞したのは「土」チーム、気恥ずかしい両親への感謝をさり気なく伝える「Thanks Parents Day」です。
greenz/グリーンズ AQUA SCIAL FES!! STUDENT CAMP THANK PARENTS DAY
これは「親への感謝を伝えるのは照れるし、形式的な形でしか伝えられなくて難しい」という課題設定をスタートとし、自分の誕生日を「Thanks Parents Day」とするというものです。具体的には1年間、日常の嬉しかったことや撮った写真を、Twitterでハッシュタグをつけてつぶやくとそれが貯まっていき、誕生日にアルバムとなって両親に届くというもの。幸せな子どもの姿こそが、親への一番のプレゼントというわけです。

上田さんは「みんなから愛のある言葉を聞けたが、これが一番愛を感じるアイデアでした。センスが凄くいいし、企画の実現度も高い。Twitterという学生らしい発想も盛り込まれているし広がっていく可能性を感じた」とコメント。受賞チームからは「僕たちもラビリンスに迷い込んでいたのが、2時頃自分ごとに戻っていったその瞬間がすごく楽しかったです」とのコメントが。

岸賞:人見知りって武器になる?「人見知りでも大Job」

次は岸賞!受賞したのは「パスタ」チーム、人見知りというマイナスをプラスに変える「人見知りでも大Job」です。
greenz/グリーンズ AQUA SCIAL FES!! STUDENT CAMP 人見知り
これは「人見知りはもったいない」、「人の魅力を社会に放ちたい」という課題からスタートしたアイデア。ならば「同じ立場に立つ者同士であれば安心できるのでは?」というところに目をつけ、人見知りでも輝ける職場を紹介した「人見知り専用の求人広告」をつくろうというものでした。

岸さんは「人見知り=ポジティブとかネガティブとか決め付けるんじゃなくて、その価値観自体に疑問を投げかけるというのはパラダイムシフトは素晴らしい。こういう発想は、社会を変える可能性があるし、ソーシャルデザインという意味では一番優れたアイデアだったと思う」とのコメント。受賞チームからは「4人の個性が強くてどうなるかと思ったが、賞がもらえてこの4人でよかったなと本当に思います」との感想が。

折戸賞:のぞこうぜ!「シャッタークエスト」

続いて折戸賞!受賞したのは「かまくら」チーム、ついつい覗いてしまう人の性を「楽しい!」に変える「シャッタークエスト」です。greenz/グリーンズ AQUA SCIAL FES!! STUDENT CAMP シャッター
このアイデアは「シャッター商店街を何とかしたい」という課題に対して、シャッターを活かして人を呼べないかと考えたもの。
「ところでみなさん、覗くのって好きですか?」と問いかけから始まり、シャッターの穴覗きを提案しました。シャッターの郵便受けを「覗き穴」として捉え直し、そこから中を見ることで、別のスポットに誘導されていくという「シャッタークエスト」、さらにはシャッターを覗かないと観られない投稿型の「short shutter movie」などを提案しました。

折戸さんは「穴が開いていると覗きたくなるという人の性(さが)に着目して、そこに仕掛けを持ってきたのが面白かった。すごく想像力を掻き立てられるアイデア」とコメント。受賞チームからは「チーム内でぶつかるなかで、アイデアってほんとうに面白いと実感できました。この面白さを地元にも伝えていきたい」との感想が。

学生賞:のぞこうぜ!「シャッタークエスト」

最後は学生賞!受賞したのはまたしても「かまくら」チーム!
選んだ学生の一人は「何より覗くという行為がたまらなかった」とコメント。本当に秀逸なアイデアで審査員も参加者も絶賛という結果になりました。


Student Campのこれから

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1泊2日のキャンプはこれにて終わりましたが、閉会後も多くの学生が会場に残り写真を撮ったり、連絡先を交換したりして交流を深めていました。参加者の発表したマイプロジェクトのアイデアの中にも「全国でStudent Campを開きたい!」というものがありましたが、Student Campはこれで終わりではありません!

このキャンプでマイプロジェクトを体験した学生たちは、人生の先輩たちのマイプロジェクトである「AQUA SOCIAL FES!! 」に学生レポーターとして参加します。みなさんも、ぜひご自身の地元で行われるフェスに参加して、未来について少し考えてみてください!どこでどのような活動が行われるかはAQUA SOCIAL FES!!オフィシャルページで確認することができます。

学生によるレポートは4月公開予定の「AQUA SOCIAL FES!! x greenz.jpのスペシャルページ」に公開予定、皆さんが参加したプログラムをどう学生がレポートするのかぜひ注目してみてください。そして、Facebookなどで参加者たちの交流は続いています。もしかしたらこのキャンプで構想されたマイプロジェクトが本当に実現するかもしれませんね。その時はもちろんgreenz.jpでも取り上げますので、期待してお待ちください!

何よりも参加者たちの笑顔と充実した表情が印象的な2日間でした。私も学生だったら参加したかったなぁ!

「AQUA SOCIAL FES!!」に参加しよう!

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