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コワーキングスペースが図書館をオープン!? 本の先にいる”人”をリアルにつなげる「co-ba library」の資金調達がスタート! [CAMPFIRE]

設計:中村真広氏、山道拓人氏、西村萌氏

設計:中村真広氏、山道拓人氏、西村萌氏

誰かの家を訪ねて、ふと目に入る本棚。並べられた本を見て、その人の意外な趣味を見つけたりしてちょっと面白くなったりしたこと、ありませんか?

または、本屋でもいいかもしれません。本屋に行ったら、平積みされた本に目が止まってふと足を止めてみたり。はたまた電車の中でたまたま前に座った綺麗なおねえさんの読んでいる本のタイトルが、これまた魅惑的で読んでみたくなったり……。

電子書籍もいいけど、カタチを持つアナログな本だからこその出合いってありませんか?

わくわくを生み出す渋谷のコワーキングスペース・co-baが、今度はわくわくする図書館を作るとのことで、リアルな本のわくわくについていっしょに考えてみました!

co-baを運営する中村真広さん(左)、村上浩輝さん(右)

co-baを運営する中村真広さん(左)、村上浩輝さん(右)

いろんな価値観の人が刺激し合える空間にするために

伊藤 そもそも、どうして図書館をつくることになったんですか?

中村さん(以下、敬称略) 僕らが広げたいのは「与えられたくらし」から「自分ごとのくらし」へ変えて行きませんか? というメッセージです。まずは、「働く」ということに対して「コワーキングスペース」というのがしっくりきたので、co-ba を作りました。

co-baを始めて3カ月がたち、今はコワーキングスペースの価値観に共感する方々と、多様性あるコミュニティを共につくっている最中です。その中で次は、彼らの多様性でもっと場所を彩りたいと思うようになりました。また、co-baは会員制の空間で、ふらっと立ち寄る……というのにはちょっと敷居が高い部分があり、それはどうにかしたいと思っていました。

村上さん(以下、敬称略) 例えば、地域の人ももっと気軽に来られる場所にしていきたいな、と。僕は会社員時代、品川で働いていましたが、会社があるから行くというだけで、それ以上の気持ちは、品川という街に対して持っていませんでした。品川でお祭りなどの行事があっても、参加することはまずありませんでした。

だけどその地域にも、おじいさん、おばあさん、いろんな仕事をしている人、子どもたち、いろんな方がいます。ある地域に、ある施設が「現実に」存在する意味というのは、そういう地域のいろんな人たちと触れ合うチャンスがあることじゃないかと思うんですよ。地域の中で、いろんな価値観の人が刺激し合える空間にしていきたいと思ったとき、地域に根づいた良質な空間である「図書館」を自分たちの手でつくろうと思いました。

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伊藤 そのために、どんな仕掛けを考えていますか?

村上 まず、co-baとは違って、予約無しで誰でも利用することができます。また、壁の大部分が本棚になっているのですが、さらにそれが小口に仕切られていて、co-ba利用者の人たち一人ひとりに提供されます。

そのスペースに、自分の本棚として本を置いておくことができます。そして、本屋さんの棚に刺さっている作家の名前が書かれたプレートのように、提供者名と連絡先(例えばツイッターアカウント)を書いておけるようにします。その棚を見た人が、そこにある本を借りたいと思ったときは、直接ツイッターなどで所有者に話しかけて借りてもらい、本をきっかけに交流する機会を生みたいと思っています。ヴィレッジヴァンガードのように、感想やオススメコメントのPOPなんかを書いてもらうのも良いですね。

中村 本棚は、自分の趣味や興味・関心をよく表している空間だと思うんですよ。ウェブデザイナーなら、技術書を並べておけば、得意なジャンルをアピールできるかもしれない。仕事に関係なくても、サッカーの本を置いていたら、それを見た別の人は「この人はサッカーが好きなんだな」と、共通の趣味が見つかるかもしれない。本棚に並べた本が、自分の趣味・趣向を代わりに誰かに伝えてくれる、プレゼンテーションツールになるんですよ。

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本が「ノイズ」を巻き起こす

伊藤  ツイッターなどのネットツールでそういうことが簡単にできる時代になりました。それを今、あえて現実空間でやる意義とは何でしょう?

中村 最大の理由は、ネット上だと「ノイズ」が生まれにくいと思ったことです。「ノイズ」という雑音。現実空間では、人の話し声やふと目に入る広告や本などの「雑音」が溢れています。それらを自分で排除することができません。しかし、ウェブサービスならば、自分が興味ある情報だけを選択でき、排除することも自由です。

でも一見不必要なノイズが、思わぬ出会いをもたらしてくれることがあります。例えば、僕は空間や建築といったものが得意分野ですが、co-baにいると、かたや誰かがIT分野のことを議論していたりします。僕にとって、それは一見あまり必要でないように思える知識、つまり「雑音」かもしれません。でもなんとはなしに聞いていると、新しいウェブサービスを知ることができたりして、自分の知識の幅を広げられます。

村上 僕は、小・中学校のクラスは社会の縮図だと思っていて、なかなか学校に来ないヤンキーもいれば、帰国子女で英語のテストがいつも100点の女の子とかもいましたし、オタクな人もいれば、音楽やスポーツに特別長ける人もいました。一つの部屋の中でいろんな雑音が巻き起こっているからいろんなものに出合えて、それが面白かったんです。

ウェブサービス、本ならamazonがありますが、amazonには全てのデータが揃っているので、ちょっとクリックすれば自分が求めてるものに出合えます。でも、その求めているもの以外のものに触れたとき、自分の興味や関心が広がる可能性があると思うんです。僕は、マイノリティのない世界「だけ」に落ち着くことは少しもったいない気がします。

伊藤  本が「ノイズ」を巻き起こすのですね。

中村 津田大介さんが著書「情報の呼吸法」で書かれていたのは、ツイッターはノイズがあるから面白い、ということ。ツイッターでは、だいたいみんな自分の好みに合う人をフォローしますが、その人が必ずしも有用な情報だけをつぶやくわけではない。突然、アイドルの話を始めたりするかもしれません。それがツイッター上の「ノイズ」。でも、オンラインでもオフラインでも、良いノイズかどうかっていうのも大切だと思うんですよ。

co-ba libraryで本棚を眺めているとき、興味のない人にとって、そこにある本はただのノイズでしかないかもしれません。でもある日、必要になるときがくるかもしれません。そのときにはきっと良質なノイズになると思うんですよ。本気でそれを勉強してる人の本だから。そうした良質なノイズを生み出すのが僕らの仕事だと思います。

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実はこの「co-ba library」、本日よりクラウドファンディグ型のプラットフォームCAMPFIREでも資金集めを開始します!

4月1日からはオフィシャルサイトにて、内装施工の様子を24時間Ust配信するとのこと。渋谷に良質なノイズをもっと! という方、ぜひご声援を……!

「co-ba library」のパトロンになろう!