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コレクティブハウスって何?「ゆるやかだから続く。ゆるやかだから壊れない。」その暮らしを覗いてきました!CHC全国大会(1) [イベントレポート]

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コレクティブハウジングという言葉を聞いたことがありますか。コレクティブハウジングとは、共用のダイニングルームなどを通じて、多世代の人が関わり合って住まう暮らし方のことです。

2011年10月、3日間に渡って、東京でコレクティブハウスの企画・運営を手がけてきたコレクティブハウジング社(以降「CHC」)主催で、「コレクティブハウジング全国大会」が開催されました。


1日目は都内4箇所のコレクティブハウスを巡るバスツアー。2日目と3日目はカンファレンス形式で講演、座談会、ワークショップなどが行われました。今の社会に求められる「開かれたコミュニティ」とはどのようなものか、参加者自身が、登壇者やまわりの人との関わり合いを通じて考えていきました。

レポート第一弾では全国大会の前半(1日目バスツアー〜2日目カンファレンス一部)の様子をお届けします。


「コレクティブハウジング」とは

コレクティブハウジングとは「既成の家族概念、福祉概念、住宅概念にとらわれず、人と人との新しいかかわり方をつくりながら、より自由に、楽しく、安心安全に住み続ける暮らし方」のことです。元々1930年代の終わりに北欧で始まった共同生活のスタイルが、時代の社会的背景に合わせて形を変え、現在のコレクティブハウジングの姿となりました。

コレクティブハウスには、個々の独立した住戸(浴室やキッチン付き)に加え、居住者全員で使うコモンスペース(キッチンやダイニングルーム)があります。それぞれのプライバシーを守りながらも、共同で使うスペースを持つことで、ゆるやかなネットワークを築いています。この繋がりが、現代社会の生き方の難しさを解消していく仕組みになっているのだといいます。

コレクティブハウスの特徴は、あらゆる世代の居住者が共に暮らしている点です。また、ハウスの管理・運営が居住者によって行われているという点も大きな特徴のひとつです。


コレクティブハウスの様子

現在コレクティブハウスは都内に4箇所(日暮里、聖蹟桜ヶ丘、巣鴨、大泉学園)つくられており、それぞれ15〜40名ほどの居住者が暮らしています。

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コレクティブハウス聖蹟はかつての賃貸アパートをリノベーションしてできたハウスです。木材を多く使ったモダンなデザインの部屋に日の光がよく差し込む、気持ちよい空間の多い建物でした。

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バスツアーの見学会では居住者の方々がハウスを案内してくださいました。子どもたちがハウスの大人たちを実の親のように慕っている様子が印象的でした。家族世帯が孤立することなく、多くの大人と共に子育てをしている姿は、一昔多くみられた大家族世帯を思わせるものがあり、魅力的でした。

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コレクティブハウス大泉学園は取り壊される予定だった建物をリフォームしてつくられました。暮らしの中でも様々なものを再利用しているとのこと。驚くことに、ほぼ全ての家具とキッチン用品がリサイクルされたものなのだそう。屋上を使ってイベントを開催するなど、地域に開かれた場づくりも始められています。見学会の後には、居住者とツアー参加者とでディスカッションが繰り広げられました。

日暮里にあるコレクティブハウスかんかん森は高齢者向け住宅・介護施設のある12階建てビルの2〜3回にあります。一番最初につくられた最も大きなハウスで、今年で8周年を迎えました。

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コレクティブハウスには、当番制で料理をし、居住者が集まって食事をするコモンミールという機会があります。ツアーの最後には、このコモンミールを再現した懇親会が開かれました。

これらのハウスに加え、今回取材できなかったコレクティブハウス巣鴨(スガモフラット)でも見学会を開催しているとのことです。詳しくはCHC社のWebページをご参照ください

多世代が共に暮らすということ

コレクティブハウスには、あらゆる世代の居住者が、それぞれにニーズを持って入居してきています。若者から良い刺激を受けたいという高齢者、子どもを多くの大人がいる環境で育てたいという家族世帯、暮らしの場での人との関係性を求める単身者。それぞれの思いが互いを繋ぎ、その関係性が暮らしを豊かにするだけでなく、いざという時のセーフティネットになっているといいます。

自分たちでつくりあげる「住まい方」

居住者は「居住者組合」を作り、暮らしの様々なことを相談しながらハウスの自主管理・運営をしています。月に1回開かれる定例会では暮らしのルール作りや日常生活でおこった問題について話し合われます。当番制で料理や掃除、庭のお手入れをしたり、イベントを開催したりします。こうした話し合いは、ハウスがつくられる段階から行われます。ハウス内での地域通貨の活用など、興味深い工夫が多くみられました。そこに住む人々自身が暮らしを作り上げているからこその安定感や繋がりの強さを感じました。

コレクティブハウスとは施設でなく、暮らしそのものなんです」と、かんかん森(日暮里)の木村さん。「住まいの決まり事や役割分担は、全て居住者たちで決めています。ここでの暮らしは全て、自分たちで話し合ってつくりあげていきます。どんなに全体の意見がまとまらないときも、粘り強く話し合うんです。」


居住者のみなさまにお話を聞きました!

ツアー内、カンファレンスの座談会などで、実際にコレクティブハウスに住むみなさまの声を聞きました。その一部をご紹介します。

コレクティブハウスに住むことを決めた理由を教えてください。

ひとり暮らしで、殆ど誰とも話さずに一日を終えてしまう味気ない生活を変えたいと思いました。

子どもにとっていい環境に暮らしたいという気持ちが強くありました。コレクティブハウスにあるいろいろな人とのコミュニケーション機会を子ども達に持ってほしいと思ったんです。

子どもがいないコミュニティは、せこい大人の集団になってしまいます(笑)。人が誰かの為に何かしようと思えている状態は、とても健全だと思うんです。

「コレクティブハウスに住んで良かった」と思ったエピソードを教えてください。

震災で仕事先から帰宅出来ずにいる時、ハウスの居住者たちに子どもを守ってもらえたときはとても助かりました。

ひとり暮らしなのですが、仕事を終えて疲れて帰った時に「おかえり」を言ってくれる人がいるのは有り難いです。夕食をスーパーのお総菜などで済ませてしまうことも多かったのですが、コモンミールの日は、誰かの手作りの食事をとっておいてもらえます。嬉しいですね。

自分の住戸での暮らし以外に役割を引き受けなければならないというのは、面倒くさくありませんか。

正直、面倒くさいです(笑)。でも、生活するって面倒くさいことだと思うんです。みなさんも、毎日掃除や洗濯をしますよね。それと同じ事だと思っています。むしろ、返ってくることの方が大きいかも知れません。コモンミールを例に挙げると、月に1度みんなのために準備をすれば、9回は誰かにつくってもらえる。自分が余裕のある時に誰かのために動いていると、自分が困ったときに、誰かが助けてくれる。そういう関係性を持てていることを考えると、そこまで苦に感じませんね。

コレクティブハウジングという暮らし方、みなさまはどのように感じましたでしょうか。レポート第二弾では、カンファレンスの様子をお伝えいたします!

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「コレクティブな」暮らしについてもっと知りたいという方は。