シリコンバレーのスタートアップ企業が、革新的な空調デバイスを開発しました。ユーザーの行動から情報を収集して学習し、暖房と冷房のスケジュールを管理する「Nest Learning Thermostat」というデバイスです。
会社のファウンダーであるTony FadellとMatt Rogersは、iPodのデザイン・エンジニアリングにおいて陣頭指揮をとっていた人たち。二人は「アメリカ国内でのすべてのエネルギー消費のうち、10%に関係しているこのデバイスに、デザインとテクノロジーが活かされていなかったのは耐えられなかった」ため、このプロダクトを開発したとコメントしています。
アメリカのエネルギー省、ローレンスバークレー自然ラボによると、典型的な一家族が一年間に使用するエネルギーの金額は$2,200(日本円:¥169180)に相当するそうです。中でも暖房と冷房にかかる電気代はおおよそ50%を占めているそうです。
Nestはセンサーとアルゴリズム、クラウドコンピュータの技術などを用いて、人々の行動や嗜好を学習します。それに応じて温度を上下に調整し、あなたが自宅いるときには快適に感じる温度に保ち、外出している間はエネルギーを節約してくれます。それだけでなくNestは人々に節電のための情報やヒントをも提供してくれる働きも持っています。
Nestのユーザーインターフェイスは、一見iPodに似ているように見えます。外側のリングを左右両方に回すことができるようになっており、そのリングを回転させることで直感的に温度の調整ができるようになっています。Wi-Fiに接続することで、PCやスマートフォン、iPadのようなタブレットからも操作することが可能です。
greenz.jpで何回かデザイン×エネルギーというテーマで記事を紹介しています。今回のプロダクトがこれまでと違う点は、UIにこだわって開発されており、さらにそこにテクノロジーを加えられています。そして、このプロダクトを開発しているのはスタートアップ企業であるということ。
デザイン×エネルギーに、さらにテクノロジーと、スタートアップの勢いが加われば、エネルギー利用に関するイノベーションが加速していくかもしれません。
こうした企業の取り組みには注目していきたいですね!
(via core77)
デザイン×エネルギーの事例について調べてみよう。