今や私たちの生活に、ワイヤレス/コードレスなデバイスは欠かせないものとなりました。ですが、欠かせなくなればなるほど常に携帯して使用することになり、外出先でバッテリーが切れてしまうような緊急事態も少なくありません。そんなバッテリーのピンチを救ってくれるのが「Cyclus」です。
この電球のような形の「Cyclus」は、ポータブル・スプリング・ジェネレータです。日本語で言うと、携帯型バネ式発電機。日本語にするとどんな物か大体想像がつきますね。
「Cyclus」をグルグルと手で回すと内部のバネが巻かれ、その回転エネルギーで約30分間発電することができます。「Cyclus」の上部にはDCモータがあり、それを動かして約6.6V 3Wのエネルギーを供給します。これなら環境負荷を掛けずに、いつでもどこでも発電できます。自分のためだけでなく、誰か困った人やコミュニティのためにも気軽に使えそうです。
「Cyclus」のデザイナーは、イギリス在住の日本人、柳澤郷司さん。柳澤さんは、「Cyclus」がエネルギー問題だけでなく、次世代の共生やサステナビリティについても何か考えるきっかけとなれば、という想いがを込めているそうです。プロダクトの意匠や機能だけでなく、そこに込められた意図も含めてすばらしいデザインですね。
※デザイナーの柳澤さんより追加情報をいただきました。
「Cyclus」をグルグル回すと書きましたが、正しくは1~2回ほど捻るだけで十分な回転力が得られるようにデザインされているそうです。(スプリング式のキッチンタイマーなどを30分セットするのと同じ要領)一般的な手回し充電器のように延々とまわし続けなくても発電は(理論上では)可能ということです。また、出力電流はJIS規格電流です。
また、このデザインはイギリスの環境コミュニティ Forum for the Future 及びSustainable business consultancy Futerra等が協賛、主催するUK Design Challenge (旧称 Creative Innovation Award)で発表したもので、「サステナブルな社会を構築するには?」「発展途上国へもその理念を波及させるためにはどのようなデザインや手段があるのか?」というコンペのコンセプトを元に考案されています。日本でもエコ・プロダクツデザインコンペ2010での企業賞を受賞されたそうです!
(via Yanko Design)
自転車でも発電できるよ