映画「ハリー・ポッター」シリーズでもおなじみの英女優エマ・ワトソン（Emma Watson）は、フェアトレードブランド「ピープル・ツリー（People Tree）」とコラボし、若者向けのコレクション「People Tree, Love from Emma」を2010年春にリリース。フェアトレードという社会貢献のカタチを同世代に発信しています。一方、日本でのフェアトレードの認知度は、まだけして高いとはいえない状況…。そこで、エマと同世代の日本の若者たちが、「日本にもフェアトレードを広めよう」と活発に動き出しています。

「School of Fair Trade （SoFT）」は、フェアトレードを広める活動を展開する学生プロジェクト。ピープル・ツリーのユース・コレクションと連動し、8人の実行委員を中心に総勢80名以上のメンバーたちが、フェアトレードに関するイベントを企画・運営しています。希望や理想にあふれ、感性が研ぎ澄まされている10代～20代の若者同士だからこそ、フェアトレードの考え方や意義・仕組みをより広く共有し合うことが、国際貢献への関心や、持続可能な消費スタイルづくりなどのきっかけになると考えているそうです。

若者は、とかく「オシャレなもの」、「カッコイイもの」に関心が高いもの。そこで、「SoFT」では、フェアトレードファッションのファッション性をアピールすることにも取り組んでいます。たとえば、2010年5月、ピープル・ツリーとグローバル・ヴィレッジが開催した「世界フェアトレード・デー2010」のイベントでのファッションショーにあわせ、シンポジウムのパネリストとして活動を発表したり、2010年10月には「The Uniform Project」の創始者Sheena Matheikenさんのトークイベントを運営。各大学での学園祭などでもフェアトレードにまつわるイベントを展開しています。

また、「みんなのVoice」として、フェアトレードに対する若者たちからの“生の声”を集める活動も実施。互いの思いを「葉」に飾り合いながら、フェアトレードの普及につなげようとしています。

フェアトレードという選択肢をより多くの人々に知ってもらうことが大事だと思っています

SoFTの実行委員長である大西菜月さんは、SoFTの活動の意義についてこう語ってくれました。フェアトレードは、衣類や小物・食品など身近なモノを買うことで、誰でも気軽に参加できる国際貢献。公正な対価をベースに、世界にまだ多く存在する社会的・経済的に立場の弱い人々に、より多くの雇用や収益をもたらし、彼らの経済的自立を促すことができるのはもちろんのこと、消費者にとっても、フェアトレードを日常の購買スタイルに取り入れることによって、これまでのモノの買い方やマインドを見直すきっかけにもなります。だからこそ、より多くの人々に「フェアトレード」という購買スタイルの存在を伝えることが、世の中をよりよいカタチに変える第一歩になるというわけですね。

SoFTでは、2010年11月23日に、東京・代官山で、エコ・ファッションやエシカル・ファッションをテーマとするイベント「Be Fair Fashion」を開催する予定だとか。「フェアトレード」をキーワードに、彼女たちのポジティブな思いと柔軟な発想力・積極的な行動力が、これからどんな活動へと広がっていくのでしょう？「SoFT」の今後の展開は、ぜひぜひ要チェックです！