「2010 FIFAワールドカップ 南アフリカ大会」で世界中の注目を集めた南アフリカでは、何百年もの間、ビーズ工芸がさかんであることをご存知ですか?そんな南アフリカの伝統的なビーズ工芸技術と現代デザインが融合し、ヘビをモチーフとした独創的なプロダクトが誕生。こちらでは、この斬新なプロダクトとともに、伝統技術と現代デザインを見事にコラボさせた「影の立役者」をご紹介しましょう。
スウェーデン・ストックホルムを拠点に活動する「Editions in Craft」は、2008年、スウェーデン政府の未来文化財団(The Foundation for the Culture of the Future)のサポートを受けて設立されたプロジェクト。長年、脈々と受け継がれながら、経済的・社会的な背景によって衰退しつつある世界の伝統的な技術・知識を、現代デザインの知見やアイデアと融合させ、新しいプロダクトとして生まれ変わらせる活動を進めています。
そして、「Editions in Craft」の第一弾プロダクトが、南アフリカのクワズル・ナタール州(KwaZulu-Natal)の女性ビーズ職人グループ「Siyazama Project」とオランダのデザイナーチーム「BCXSY」によって製作された「Coiled」。彼女たちのビーズ工芸技術と現代のプロダクトデザインから、ビーズ素材を中心とする花瓶を生み出しました。ヘビが“とぐろ”を巻く姿をモチーフに、ビーズのロープをグルグルと巻き上げたもので、使用済のペットボトルにスポンとかぶせるだけで、ユニークな花瓶になるという仕組みです。
花瓶というと陶器やガラスでできたものが一般的ですが、ビーズの質感や風合いが意外と花にマッチ。ビーズ職人たちが考案した独特の柄やカラーも、花や木の美しさをひきたてています。もちろん、ひとつひとつ丁寧に手作りされた「オンリーワン」の逸品ですよ。
伝統と現代のよさをうまく掛け合わせ、新しいクリエイティブを生み出す取り組みは世界中で動き出していますが、「Editions in Craft」の活動もその有力なひとつといえそうですね。ちなみに、「Coiled」のコレクションは、モスクワ・オランダ・上海など、世界各地をめぐり、現在、日本にも上陸中。2010年10月30日(土)~11月7日(日)までの間、「CLASKA」(東京都目黒区)の「Gallery 2」で展示販売されています。ご関心のある方は、ぜひ一度、足を運んでみてはいかが?
11:00 ~ 19:00
場所: CLASKA(クラスカ)
東京都目黒区中央町1-3-18
入場料: 無料
詳細ウェブページ: http://www.claska.com/news/2010/10/editions_in_craft_1.html
「Editions in Craft」の第一弾プロダクト「Coiled」を見に行こう。