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離ればなれになった難民たちの再会を支援するソーシャルネットワークサービス「Refugees United」

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by Tracy Hunter

Creative Commons: Some Rights Reserved. Photo by Tracy Hunter

戦争・紛争・天災・貧困・飢餓などが原因で、住み慣れた場所から退去せざるをえなくなった「難民」は、世界で約4,330万人(2009年12月末時点・UNHCR調べ)。その多くは、家族や親戚、恋人、仲間たちと何年も連絡すら取れなくなったまま、離ればなれに暮らしています。そこで、難民たちの“再会”をサポートしようと、画期的なソーシャルネットワークサービス「Refugees United」が開設されました。

「Refugees United」は、いわば難民のための「Facebook」。誰でも無料でプロフィールを登録したり、登録されているデータの中から自分の「尋ね人」を検索することができ、ウェブサイト上で、メッセージをやり取りすることができます。もちろん、実名を公表することに抵抗がある人はニックネームでの登録もOK。出生地や育った場所、家族構成・カラダの特徴など、家族や親しい人しか知りえない情報を一緒に登録しておけば、これらを手がかりに、家族や友人に自分を見つけてもらいやすくなります。また、このソーシャルネットワークサービスは19言語に対応。より多くの難民たちが、言語の障壁なく、スムーズにコミュニケーションできるようになっています。

Refugees United – Finding Family from Refugees United on Vimeo.

難民の中には、政治や宗教上の理由から、生活を追われた人も少なくありません。ゆえに、彼らに「Refugees United」を安心して利用してもらうには、プライバシーとセキュリティへの対策が不可欠。その点、「Refugees United」では、安全なサーバーでアプリケーションを運用し、データベースは最大レベルのセキュリティで保護。また、アクセス場所の追跡などを防止するため、すべてのトラフィック履歴は削除される仕組みになっています。

greenz/グリーンズrefugees_united

また、「Refugees United」の利用における課題として、インターネット接続やパソコンを要するという点が指摘されていました。そこで、「Refugees United」は、このほど、通信機器メーカーEricsson(エリクソン)や現地の携帯会社MTNなどと提携し、ウガンダで「Refugees United」のモバイル版を試用テスト。今後は、ウェブサイトだけでなく携帯デバイスからも「Refugees United」が利用できるよう、さらに対象エリアを拡大していく方針だそうです。

インターネットは、海も国境もスルリと超えられる「魔法」の通信ツール。「Refugees United」は、インターネットの特性を難民支援にうまく活用した、これまでありそうでなかった画期的な事例といえるでしょう。たとえば、携帯電話をクラウド化する「Movirtu」のようなサービスと組み合わせると、さらに多くの難民たちがこのソーシャルネットワークサービスを便利に利用できるかも。より多くの難民たちの“再会”を実現させてほしいですね!