シンプルな双六から、山あり谷ありの人生を疑似体験できてしまう「人生ゲーム」まで、子供の頃、ボードゲームを囲み、家族や友人とルーレットを回して遊んだ記憶はないだろうか?最近は、テレビゲームのみならず、PSPやニンテンドーDSといった携帯ゲーム機が普及する一方で、ボードゲームの影がちょっと薄くなっているような……。そこで、こちらでは、子供はもちろん大人も、みんな一緒に楽しみながら環境について学ぶことができるボードゲームをいくつかご紹介しよう。
英ロンドン発のボードゲーム「Play Rethink」は、”環境に優しいデザインをクリエイティブに考えてみよう“というコンセプトのもとに製作された。ルールはカンタン。以下の動画で説明されているとおり、ルーレットを回し、出た色のシートを1枚引く。全98枚の各シートには、ハンガーや棚・ケトルといった日用雑貨から自動車・フェンス・道路標識など、いずれも身近なモノが「お題」として描かれており、各プレイヤーは、この「お題」に対して、より環境に優しく持続可能なデザインを考え、それを絵や図などで描き表すことになっている。
たとえば、以下の絵の「お題」はフェンス。一般的には金属などでできているものが多いが、こちらの作品では、フェンスの材料として竹を活用するというアイデアが表現されている。このように、「Play Rethink」は、実際に描いてみることで、ぼんやりと「こんなのあったらいいな」と感じているものを可視化し他の人々とも共有できるのが、魅力のひとつといえるだろう。ユーザが投稿したこのほかの作品は、こちらの公式ウェブサイトでも公開されている。ぜひ一度チェックしてみてほしい。
一方、「Earthopoly」は、気候変動防止や自然保護など環境に関するアクションを子供でも楽しみながら学べる、エコ版「モノポリー(Monolopy)」。さいころの目に従ってボードを周回しながら、大気をクリーンにしたり、資源の再生・再利用を行ったり、カーボンオフセットを購入したりと、環境に優しいアクションを実行していく仕立てだ。同様のボードゲームとしては、プレイヤーが協力し、ボード上の庭に花を咲かせるという「Yoga Garden Game」というのもある。
日本でも、環境教育用のゲームが開発されている。たとえば、NPO早稲田環境教育推進機構の「エコライフゲーム」は、お金とエコポイントを獲得しながら、環境に配慮したアクションを学んでいくボードゲームだ。コマを進めるにつれ、子供から中高生、社会人へと一連のライフステージを経る仕組みになっており、「地球環境を守るため、それぞれの立場で具体的にどのようなアクションをしていけばいいのか?」を知ることができる。
環境に優しい生活、持続可能なライフスタイル、地球温暖化防止へのアクション……。いずれも多くの人々が「必要だ」と感じている一方で、「具体的に何をすればいいのかわからない」という戸惑いや「なんとなく難しそう」といった先入観ゆえ、なかなか実際のアクションに踏み出せないという現状もあるだろう。これらのボードゲームは、楽しみながら環境に関する知識や情報を自然と習得できるのみならず、仲間同士が同じ場で同じ時間を共有し、「私たちの地球を守るために、いま何をすべきなのか?」を一緒に考えるきっかけを与えてくれる。
今度のウチ呑みやホームパーティは、ちょっと趣向を変えて、「環境について学ぶボードゲーム大会」を開催してみてはいかが?
環境に優しいブロック玩具について調べてみよう。