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アフリカ音楽のフェアトレードを目指す、ルワンダ発のレコードレーベル「Rafiki Records」

Rafiki Records

Apollinaire for Rafiki Records: Copyright(C)2010 Rafiki Records, All rights reserved.

1990年代、長期にわたる内戦や部族抗争による大量虐殺など、悲惨な出来事が続いていた中部アフリカのルワンダ。この暗黒の時代から10年以上が経過し、街には、ゴスペルやレゲエ・ヒップホップといった音楽が流れ、少しづつ活気が戻ってきた。また、この国では、音楽を持続可能なビジネスに発展させようと、独立レコードレーベル「Rafiki Records」が設立され、地元ミュージシャンの活動を積極的にサポートしはじめている。

ルワンダのミュージシャンのためのコミュニティをつくり、健全な音楽ビジネスを育てようというビジョンのもと、2009年5月、ルワンダ初のレコードレーベル「Rafiki Records」が設立された。「音楽ビジネスを持続可能なものとするためには、アーティストとレコードレーベルとのフェアな取引が不可欠」との信条を持ち、ミュージシャンを過剰な搾取から保護するのみならず、従来は売上の数%~10%といわれる原盤印税においてもミュージシャンとレコードレーベルは“イコールパートナー”。収益は互いに折半とし、ミュージシャンが売上の50%を得る仕組みになっている。以下の動画は、アフリカの民族楽器イナンガ(Inanga)の女性奏者ソフィー・ヌザイウェンガ(Sophie Nzayisenja)のパフォーマンス。琴に似た美しい音色で、日本人にもどこか懐かしい旋律を奏でている。

「Rafiki Records」の一連の取り組みに中心的にかかわったのは、英国のプロデューサーDicken Marshallだ。音楽の本場・英国で数々のプロジェクトやミュージカルに参画してきた彼は、ルワンダ音楽を世界に広めようと、「Rafiki Records」の設立と同時に、ルワンダのチャリティ団体「Solace Ministries」や英国からのボランティアたちの協力を得て、レコーディングスタジオ「Solace Recording Studio」を建設した。

Recording Studio:

Solace Recording Studio: Copyright(C)2010 Rafiki Records, All rights reserved.

現在、所属ミュージシャンは8組。ソフィーのように伝統的なアフリカ音楽を追求している者もいれば、レゲエやゴスペルなど、ジャンルは多彩だ。「Rafiki Records」の公式ウェブサイトで公開されている数々の楽曲は、欧米のメジャーな音楽と独特なアフリカン音楽が融合し、スっとココロの中に入ってくる素敵ものばかり。ご関心のある方はぜひ一度聴いてみてほしい。

Recording Studio2:

Solace Recording Studio2: Copyright(C)2010 Rafiki Records, All rights reserved.

フェアトレードといえば、コーヒーチョコレートが例に挙げられることが多いが、音楽といったクリエイティブな領域においても、供給者と購入者との公正な関係づくりは、持続可能な経済活動にとって必須だ。彼らの「音楽版フェアトレード」の取り組みは、デザインやアートといった他のクリエイティブ活動にも応用できうるパイオニア的事例といえよう。

「Rafiki Records」所属ミュージシャンのコラボレーションアルバムを聴いてみよう。