冬真っ盛り。暖房が手放せなくなってきた。とはいえこのご時世、お財布も温暖化も気になって仕方がないという人も多いのではないだろうか。
そんな人にお勧めなのが、天然素材の使い捨てないエコ暖房グッズとしてひそかな注目を集めている「麦カイロ」だ。『週刊ダイヤモンド』のオンライン版で昨年の冬に紹介された記事によれば、
無農薬の小麦を電子レンジであたためて、あまった布(袋)の中に入れるだけで、長時間長持ちのしっとりカイロに大変身する
ということだ。
(小麦を電子レンジであたためる?)
どうにもピンとこないという人のために、ものは試しと「麦カイロ」を実際に購入して使ってみました。
購入したのは太陽製粉株式会社の「麦のカイロ たいよう君」。M(230mm×150mm、0.6Kg)とL(230mm×230mm、1.0Kg)の二つのサイズが提供されている。当時(2009年12月初旬)Mサイズが完売していたため、今回はLサイズを購入した。
待つこと数日、「たいよう君」が我が家へ届いた。レトロな雰囲気たっぷりのパッケージが何だか愛らしい。中に入っているのは、巾着袋、そば殻の枕のような手触りの本体、簡単な説明書の三点のみ。説明書を読むと、使用法はいたってシンプルで、本体を電子レンジで温めて袋に入れる。それだけだ。
温める時間はちょっと注意が必要だ。説明書に、
温める時間の目安は(電子レンジの機種にもよりますが)初めに2~3分間で熱さを確かめて、その上で加熱時間を調節して下さい。5分以上の加熱はしないで下さい。それ以上の加熱をするとやけどをする恐れがあります。
とあるように、温めすぎに注意しながら自分好みの熱さを探り当ててほしい。ちなみに、熱めが好きな我が家では、出力1000ワットの電子レンジで3分弱温めて使用している。
電子レンジの扉を開けると、しっとりとしたほのかな湯気とともに、麦の薫りがレンジの庫内から広がってくる。
「麦カイロ」が温まるのは、食べ物を温めるときの原理と同様、電子レンジの電磁波が麦の実の中にある水分を振動させ、熱を発生させていることによる。食べ物を温めたときに温かい湯気と食べ物の香りが広がるように、「麦カイロ」からも湯気と麦の薫りが広がるというわけだ。
こうして十分に温まった「麦カイロ」は、温熱が体を温めてくれるのはもちろんだが、しっとりとした潤いと優しい麦の薫りで心も安らいでくる。「このしっとりした感じが気持ちいい」と家族もお気に入りだ。
温もりが持続するのは常温で数十分、布団の中に入れれば2~3時間といったところ。大きさや重さからも携帯には不向きだが、家の中で「湯たんぽ」や「行火(あんか)」の代わりとして使うには最適だ。暖房を点ける(強める)ほどではないけれども手足がちょっと冷える、首や肩が疲れて凝っている。そんなときには重宝すること間違いない。
ところでこの「麦カイロ」、冷蔵庫で冷やせば涼をとるグッズとしても使用可能だ。夏と冬を快適に過ごす自然派グッズとしてお手元にお一つ備えておいてはいかが?