香港に2008年にできた、コンセプト・ショップ「ECOLS(エコルス)」では、環境を意識した商品がならんでいる。ガムや飴の包み紙をリサイクルして作られたECOIST(エコイスト)のバック、缶ジュースのプルタップが連なって作られたバック、古本の紙でつくられた下院など、どの商品もリサイクルされたモノでありながら、デザイン性がきわだつ商品ばかり。エコルスでは、エコであるだけではなく、デザイン性に優れているかどうかも重視されている。
Singh IntrachootoのデザインしたElephantとBoar エコルスのサイトより。
エコルスのデザインプリンシパルである、Singh Intrachootoは、バンコクのKasesart大学でエコデザインを教える先生でもあり、エコデザイン製品を制作するOSISUの経営者でもある。
彼はバンコクマガジンのインタビューのなかで、
私の最も大きなチャレンジは、より広くエコデザインに知ってもらう教育活動です。だから、私は教えているのです。人前で話すのは得意ではないですが、なるべくイベントには出かけるようにしています。ほんとは、恥ずかしいのですが、私には必要なのです。もし、私が教育しようとしなかったり、自分が知っていることをシェアしようとしなかったら、エコでないことをする人たちを批判することはできませんから
と答えている。
この言葉の通り、エコルスの理念は「エコ意識に火をつける(Ignite your eco attitude)」。つまり、エコルス自体が、人々のエコ意識を高めるためのきっかけにしようとしている。例えばショップカードが、エコについて学べるブックマークになっていたりするのもその仕掛けのひとつだ。
Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Steve Webel
また、エコルスにはショールームとアートスペースも併設されている。照明器具のショールームには、LEDを使った照明器具がならんでいて(香港で初!)、アートスペースでは、現在「トラッシュフォーメーション(トラッシュ=ゴミとトランスフォーメーション=変化、をかけあわせた造語)」という企画展が行われている。エコプロダクツだけではなく、生活やアートからエコについて考えられるような仕掛けになっているというわけだ。
グローバル企業がひしめき、高層ビルがたちならぶ、世界の経済競争の縮図のようにみえる香港。エコルスは、香港社会のエコムーブメントを牽引していけるのだろうか?香港、いやアジアのエコムーブメントの今後の流れを占う、注目のエコセレクトショップ。旅行やビジネスで香港に立ち寄る方は、訪れてみてはいかが?
香港で行われる2010年のEco Expo Asiaについて学ぶ