この写真を見てどんな印象を持つだろうか?
これは「放置される人工林」の写真である。植林活動を進めたもののその後のケアが怠られ、木材供給能力や水源涵養機能が十分生かし切れていない人工林があるという。写真の印象そのままに、人間の思惑だけが先走り、自然と調和できていない現状が浮かび上がってくる。
この写真は、持続可能社会の実現をミッションとする環境企業であるアミタ株式会社が主催している、写真投稿キャンペーンの投稿例である。
アミタは、2009年10月1日から11月30日までの2ヶ月間、「Disconnected World ー関係性を失った世界」をテーマにFlickrで写真を募集している。
具体的な投稿テーマは以下の通り。
・「自然」と「人間」の関係性が失われていることを訴える写真
・「人間」と「人間」の関係性が失われていることを訴える写真
・「社会」と「人間」の関係性が失われていることを訴える写真
・上記のような関係性が修復・回復していることを表現する写真
今回、なぜこのようなテーマで写真を募集することになったかというと、アミタの社長である熊野氏の経験に基づいているそう。
熊野氏は若い頃に水俣病患者の子どもの写真を見て、それがきっかけで環境に対する意識に目覚め、アミタのような環境に関する会社を作ろうと決意したのだという。同じような経験を多くの人にも味わってもらい、改めて環境に関する意識を高めるきっかけとするべく、このようなテーマの写真投稿キャンペーンを開催しているのだ。
少し重めに思えるテーマだが、日常生活の中にも、自然の中に一歩足を踏み入れただけでも、悲しいかなすぐに見つかりそうな光景ではある。それをただ悲しい気持ちで眺めるだけではなく、改善するにはどうすればいいだろう?と自分に問いかけていけば、熊野氏のようにその後の行動が変わっていくのではないだろうか。
たとえ悲惨な現状を写したものでも、多くの人とシェアすることで、未来が変わるかもしれない!そんな気持ちで写真を撮って応募してみるのはどうだろう。投稿された写真の中から特に優れたものについては、2009年12月13日に開催される、社会起業家・市民ファンドおよび社会課題の解決に関心を持つ方々が集まるオンラインイベントで、スライドショーとして上映されるそうですよ。
写真投稿キャンペーン「Disconnected World ー関係性を失った世界」