衆議院議員をめざしている人が、本当のところどう思っているのかきいてみたい。こんな要望に応えてくれるのが、Google Japan 「未来を選ぼう 2009 」チームによる「未来のためのQ&A」。国に暮らす人と衆院選に立候補を予定している人との間で、もっと開かれた対話ができるようにと作られた仕組みだ。
アメリカでは大統領選挙などで活用されているGooglモデレーター(TM)を使いユーザーからの質問を受けつけ、同時に投票をもとに 5 つの質問を決定する。その5つの質問に対するビデオでの回答を、衆議院選挙立候補予定者や政党、政治団体に呼びかけるというものだ。
その5つの質問の受付は今年7月13日〜28日に行われ、16日間で4,724 件の質問と266,416 票の投票があった。
須藤元気氏や糸井重里氏など、著名人も多数参加している。
そのなかから選ばれた質問がこちら。
1.これから生まれる子どもが、「日本に生まれて良かった」と思うために、また、安心して子供を産み育てることができる社会を実現するためにどんな施策を実行しますか?
年金、福祉
2.誰もが、安心、納得できる年金制度をどのような形で構築していきますか。また、生活保護の問題点(不正受給、年金受給額とのねじれ等)も合わせて考えを聞かせてください。
外交、経済、景気、雇用、その他
3.日本で暮らす外国人の方が増えています。外国人の雇用、外国人の参政権、移民政策について考えをきかせてください。
農業、林業、漁業
4.後継者不足なのに、新規参入に対する壁がものすごく厚いこれらの分野(農業、林業、漁業)に、どのような政策を持っていますか?
政治、政治家
5.インターネットを活用した選挙活動の実施に関する賛否とその理由をお聞かせください。
この質問への回答を、衆議院議員をめざす人に動画で寄せてほしいと呼びかけた。回答動画はエントリーのあったものから、順次 YouTube の日本の政党チャンネルで紹介され、また選挙情報サイト 「未来を選ぼう 衆院選 2009」からも見ることができる。
例えば、埼玉11区の小泉龍司氏は1の質問に対し、「少子化の原因は子育ての経済的負担、育児休暇の不十分さが大きいことにある。少子化が経済成長のあしかせとなっている。フランスの例を見習い、大学までの学費を無料にする、育児休暇制度を充実させる」と述べている。
自分の選挙区から立候補している人がどうしていくのか、ダイレクトな意見を知ることができる。この取り組みは、衆議院議員をめざす人と国民とをつなぐ架け橋を担ってくれるものとも言える。国民一人ひとりが何を考え、どんな問題意識を持っているのか。私たちと政治との新しい関係が生まれるよいきっかけになりそうだ。