「しゃべり場」「カタリバ」「ぺちゃくちゃないと」などのように、「喋る」「語る」「議論する」活動や番組はこれまでにもあった。
「しゃべり場」の正式名称は『真剣10代しゃべり場』で、10代の少年少女が集い、さまざまなテーマについて討論するNHKの番組だった。ちょっとした話題を呼んだので、ご存知の方も多いだろう。「カタリバ」は、以前こちらの記事でも紹介したように、高校生と大学生がナナメの関係で「語る場」で、NPO法人「カタリバ」が提供している。「ぺちゃくちゃないと」は、クリエイターが自分のアイディアをプレゼンテーションするイベントだ。
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そんな「お喋り」業界に、新手(荒手?)の方式が登場した。その名も「Critical Run」。名前が示すとおり、走りながら社会的なテーマについて議論する、というものだ。考え出したのは、Thierry Geoffroyというアーティストだ。このアーティストはコンセプチュアル・アートがお好きなようで、他にも日替わりで時事ネタをアーティストが批評する「Emergency Room」を開催したり、人間の問題意識を高めたりするような活動にも取り組んでいる。問題意識のことを「Awareness Muscle」と名付け、訓練次第で記憶力や筋力が向上するように、「Awareness Muscle」も鍛えられるはずだ、ということだ。何でも、「Critical Run」は「Awareness Muscle」を鍛えるのだそうな。
コンセプト、言葉遊びとしては面白いし、社会的なテーマについてオープンに語り合える場があるのは意義があるだと思うが、「何も走りながら議論しなくても…」「走るときは走ることに、語るときは語ることに専念した方がそれぞれ集中できて効果的では……」と思うのは筆者だけだろうか。
ひょっとすると、走りながら議論すると、脳の普段使わない部分が刺激されて、次々とよいアイディア浮かんできたりして……。
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