2つの意味でスペシャルな切手が、6月末に発行される。
All Rights Reserved, 日本郵政グループ
切手に描かれているのは、ホッキョクグマ、ホッキョクギツネ、ウェッデルアザラシ、そしてアデリーペンギン。
その切手は、日本初のホログラム入り特殊切手。それはそれでスペシャルなことだけど、この切手の背景にある国際的な取組みは、さらにスペシャルだ。
切手が記念しているのは、第4回目を迎えたInternational Polar Year (国際極年) 。第一回目は100年以上も前の1881年までさかのぼってしまう、長い歴史を持つ国際的な取組みだ。
多国間で協力して南極・北極の科学的観測をしよう!と発足した国際極年は、時を経て、地球温暖化の悪影響を受けている極地の環境を保護しよう!という取り組みに進化した。
第4回国際極年がスタートしたのは、2007年。その年に、フィンランドとチリの大統領が、参加国による記念切手の共同発行を提唱した。その呼びかけに、42の国と地域が賛同し、第4回国際極年の最終年である今年、「Preserve the Polar Regions and Glaciers(極地と氷河を保護しよう!)」という共同メッセージ入りの切手発行が実現した。
フィンランド郵政局がHP上で紹介している各国の切手のデザインはさまざま。
日本のように、北極や南極の景色や動物たちを描いた切手を発行する国もあれば、ギリシャやフェロー諸島のように、地球温暖化にフォーカスを当てた国もある。はたや、アルゼンチンやオーランド諸島のように、地球温暖化を緩和する再生可能エネルギーをデザインに盛り込む国もある。切手のデザインから、各国の地球温暖化や極地の環境に対する見方が見えてくるようで、面白い。
ギリシャの切手デザイン by Finland Post
フェロー諸島の切手デザイン by Finland Post
アルゼンチンの切手デザイン by Finland Post
オーランド諸島の切手デザイン by Finland Post
ちょっと残念なのは、この切手発行の目的が人々の意識づけのみであること。
日本郵便に問い合わせたところ、少なくとも日本では、切手販売による収入を環境保護活動に寄付するなどの寄付活動は含まれていないそうだ。
日本郵便のHPによると、この切手は、
地球温暖化問題への関心を高める狙いで、過去に例のない大規模な共同発行となる。
とのこと。
せっかくのスペシャルな取り組みなのだから、ぜひ、今後の極地保護活動を支援する寄付活動もしてほしいところ。
日本郵便も今では、ステークホルダーを意識する株式会社。日本郵政グループ行動憲章には、
3.共生の尊重
・環境に配慮し、企業活動を通じて積極的に社会に貢献します。
・多様なステークホルダーとの対話を重視し、持続的な共生を目指します。
という内容が含まれている。
それから、郵便事業株式会社環境方針には、
5.わたしたちは、地域とともにある企業の一員として、地域社会における環境保護への取組に積極的に参加・支援していきます。
とある。
ステークホルダーの一人として、この極地保護切手による収入の一部を極地保護活動に寄付するよう、日本郵便に呼びかけてみよう。
< 参考情報>
日本郵便 お客様サービス相談センター
フリーコール:0120-2328-86
携帯電話からの有料コール 0570-046-666
フィンランド郵政局のHPで、各国の切手デザインをチェックする
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