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“グリーン”から“ブルー”へ。次世代のサスティナブル思想とは

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Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by cuellar

“グリーン”から“ブルー”へ。
今、環境問題に対する新しい考え方が生まれ始めている。

“ブルーシンキング”を提唱したのは、イギリスのグローバルな広告会社Saatchi & Saatchi のワールドワイドクリエイティブディレクターBob Isherwoodである。彼は、“グリーン”の代わりに“ブルーイノベーション”という言葉を造った。2008年12月にマイアミで開催されたサスティナブルブランドの国際会議で、彼は企業の環境に対する説明責任を“ブルー・オーシャン・オポチュニティ(=機会の青い海)”と言い換え、サスティナビリティを作り出すことを“イリジスタブル(=抗いようのないもの)”と言った。

企業の成長や短期的な計画は限界を迎えたかのように、経済が破綻し産業が崩壊したこの時代、企業はいかにビジネスをグリーンにしていくか、いかにブランドをグリーンに見せていくか、という強迫観念に捕われているように思える。企業にとっては、“グリーン”や“サスティナビリティ”は一つのプロジェクトで、必要に応じてオン/オフできるスイッチのようなものだと考えられており、こういうご時世では“サスティナビリティ”は後回しにされるのではないかと、不安になってくる。

“グリーン”ではなく“ブルー”の、サスティナビリティの新しい波は、企業にとって新しい戦略であり、それを推進するチャンスである。それは、今までの刹那的な豊かさや、莫大な費用を要する社会的コストから、長期的な視野の経済への変化である。また、経済の成長に欠かせない地球資源の枯渇や、様々な商品の価格高騰などの世界情勢に対する、企業の答えであるIsherwood氏の言葉を借りれば、“感情に火を点ける”ような、イノベーションを推進する考え方である。

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Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by cuellar

新しい考え方を表す、新しい言葉だけに、何のこっちゃ!?感は否めない。
今までの“グリーン”な考え方とは、地球や環境が危機的状況にあることが分かり、それに対処し救済するための具体的な行動であった。それに対して“ブルー”な考え方は、地球や環境に対して感謝の気持ちがあれば、自ずとイリジスタブルに(=抗いようもなく)沸き上がってくる感情のようなものである。

“グリーン”が、何かが足りないから、何かが多すぎるからという、事象や結果に対する“リアクション”だとしたら、“ブルー”は、常に何をしたいか、何が相手のためになるのかを考えた、自発的な“アクション”であり、もっと根本的な思想である。

“グリーン”とか“ブルー”とか言っているけれど、要するにこれは「愛」なのだ。
地球や環境に対して、本当に愛情と感謝と思いやりを持って、企業がビジネスを展開すると、どういう姿勢や行動が表れるかということである。“グリーン”にしても、“ブルー”にしても、単に、考え方を分かりやすくし、普及させるために置き換えられている、アイコン的な言葉である。

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Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Thomas Hawk

大切なのは何色かではなく、本当に私たちが自分の頭で考えること、真剣に考えること、それを行動に移すこと。そういう、個人や草の根運動的な組織にしかなかった考え方を、大企業やメジャーブランドがビジネス戦略の根本に据え、実行するのがブルーシンキングである。

この考え方は、Wal-MartMarks&SpencerIBMなどグローバル企業では、すでに戦略に組み込まれ始めている。“ブルー”のビッグウェーブはいずれ日本にも訪れて、今度は“グリーン”な企業が少しずつ“ブルー”に変わっていくのかもしれない。