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品質保証期間10年! 消費することの意味を問う、ファッションブランド「Hand-Me-Down」

greenz/グリーンズHandMeDown
courier-2-olive (Hand-Me-Downホームページより抜粋)

ファッションの流行トレンドは変化が激しい。この傾向は”大量生産・大量消費”という従来の事業モデルから生まれものといわれる。この流れに一石を投じる新ブランドが英国で登場した。

それが、英国ファッションメーカー「Howie」が立ち上げた、「製品への品質保証期間を購入後10年間」とするファッションブランド「Hand-Me-Down」だ。
ものづくりの根本を問おうとする彼らの活動や世界のファッションの動向についてみてみよう。

私たちは、限りある資源のもとで、果てしなく消費を求める時代を生きてきた。このジレンマを解消する手段は実はシンプルなのかもしれない。消費者の消費を減らすためにメーカーがすべきことは、よりよい製品を作ることと「Hand-Me-Down」は考えた。

「Howie」の創業者の一人・David Hieattは言う。

私たちは、お客様がご購入後10年間、「Hand-Me-Down」製品の品質を保証しています。もちろんこれよりも長い期間、十分お使いいただけます。

中長期的な視野でみると、長く使える製品を製造することにより消費する原材料を減らすことができる。しかし、そのためには、高い品質とデザインが重要。「Hand-Me-Down」の製品は、ステッチ、チャックなど、細部にわたって、丁寧にデザイン・製造されている。

たとえば、オリジナルジャケット「Classic cut organic ventile jacket」は流行に左右されないデザインで次世代まで使い続けられる商品。1着400ポンド(約27,000円)と若干高めではあるが、品質・デザインは抜群。使えば使うほどなじみ、味が出てくる。また、「Heavy canvas bag」は、シンプルなデザインで丈夫なつくり。有名デザイナー・Chad Yonkmanの協力を得て、機能性・デザイン性の双方の観点から、長く使えるバッグに仕立てた。

既存のファッションブランドでも、変化の兆しがみられる。2008年11月、米国・環境保護NPO「アース・プレッジ(Earth Pledge)」は、老舗セレクトショップ「バーニーズニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」のニューヨーク本店で、最新のサステナブルファッションショー「フューチャーファッションショー(FutureFashion show)」を開催。カルバン・クライン(Calvin Klein)、マルニ(Marni)、ダナ・キャラン(Donna Karan)、ラルフ・ローレン(Ralph Lauren) など世界のトップデザイナーがオーガニックコットンやリサイクル素材を使って手がけた最新ファッションを紹介した。

「アース・プレッジ(Earth Pledge)」のエグゼクティブディレクター・Leslie Hoffman氏は、こう語る。

ファッション業界は、消費者に大きな影響を持っています。ファッションは、環境を破壊することなく、より発展し、活気あるものにしていくべきです。ファッションショーやイベントを通じて、私たちはこれからもこの大切さを訴えていきます。

「フューチャーファッションショー(FutureFashion show)」の華やかな様子は以下の動画でどうぞ。

日本でも、既存のファッションの価値を脱するようなブランドが次々と生まれている。帆布を使ったかばんで知られる京都の「一澤帆布」、音楽プロデューサー・小林武史氏が主宰するNPO「ap bank」から生まれたブランド「シトア クルック(sitoa kurkku)」、シートベルト廃材を活用した湘南生まれのバッグブランド「イノベコ」(innoveco)や、北海道発のオーガニックコットンブランド「ユーヨー(YUUYOO)」など、枚挙に暇がない。どのブランドも、長く使えることを意識したオーソドックスで丈夫な製品をつくり続けている。

「ものを大切に使う」ことは、かつて日本の美徳だったといわれる。「Hand-Me-Down」の取り組みは、「消費のその先を想像すること」の大切さを気づかせてくれる。

PSFK

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