一国の大統領にメールを出したことはあるだろうか?
個人的にどこかの国の大統領にメールで伝えたい事なんて、なかなか無いだろう。でも、そんな一人一人の小さな声を集めて、大統領に物申そうというキャンペーンがある。
2008年12月31日までに、ナイジェリアでは有毒ガスを排出するガスフレアリングを停止すると約束していた。しかし、期限を過ぎてもナイジェリア最大の石油会社Shellは、ガスフレアリングを続けている。
フレンズ・オブ・ジ・アース・インターナショナル(以下FoE)は、石油会社がきちんと停止期限を守るようにと、ナイジェリア政府に水面下でプッシュしていたのだが、結局守られなかった。そこで、ナイジェリア政府を動かすために、世界中の人の声を集めようと、大統領に直接メールで訴えるキャンペーンを開始したのだ。
石油とガスは混在した状態で発掘されることが多いので、使用する時にはそれらを分離しなければならない。一番コストが掛からない手っ取り早い分離方法が、環境にダメージの大きいガスを燃焼するという方法なのである。
ナイジェリアはガスフレアリングが違法だと認識していながら、ニジェール川流域の石油資源の豊富なデルタ地帯でガスフレアリングをやっている。巨大な石油会社Shellが先頭に立って、10年間以上ガスを燃やし続けている。政府は、今すぐこの破壊的な行為を、確実に石油会社に止めさせなければならない
と、FoEの議長であり、ナイジェリアFoEのエグゼクティブディレクターでもある、Nnimmo Basseyは言っている。
ナイジェリアは、世界屈指のガスフレアリング大国のひとつで、ガスフレアリングで自動車1800万台分に相当する温室効果ガスを排出している。そして、人口が密集している地域に有毒物質を放出し、ニジェール川流域(デルタ)の人々と環境にダメージを与えている。それが湖や川を酸性化させ、酸性雨の原因にもなっている。
驚くべきは、この違法な環境破壊行為を続ける石油会社Shellが、ICUN(国際自然保護連合)のパートナーだということ。IUCNのほとんどのメンバーが反対していたにも関わらず、このパートナーシップは成立した。FoEは、Shellと同じリストに名を連ねるのが耐えられず、IUCNとのパートナーシップを解消した。
違法行為も、売名行為も、石油マネーで何とかなるなんておかしくない!? 大統領さん、空はナイジェリアだけのものではありません。空というのは世界中でつながっているんですよ!
これは一言メールするしかなさそうだ。
振り返ってみれば、日本の中でも、「これっておかしくない?」と思わずにはいられないことは、ゴロゴロと転がっているのではないだろうか。
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