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子育て中のお母さんでも世界一周?! 海の上の保育園がまもなく開園!

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(c) Stacey Hughes, Peaceboat

自ら出会い、体験することこそ「一番の学び」であり、それが相互理解と平和につながるという思いから、1983年より船旅を続けている国際交流NGO、ピースボート。そのピースボートが、4月8日出港予定の第66回クルーズより、(たぶん)世界初! 海の上の保育園、名づけて「ピースボート子どもの家」をはじめるというので、久我山子どもの家で話を聞いてきた。

前回の記事では、「平和は子どもからはじまる」と考えるモンテッソーリ教育について紹介した。2回目となる今回は、実際に第66回クルーズに乗船するスタッフの声から、モンテッソーリと「ピースボート子どもの家」の関係について紹介しよう。

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(c) 久我山子どもの家

カラフルなおもちゃと子どもサイズの家具が並ぶ久我山子どもの家に集まったのは、お子さん連れのお母さん数十人。目をキラキラさせながら夢中で遊ぶ子どもたちを優しく見つめながら、スピーカーの深津高子さんは、ゆっくりと話し始めた。

子どもの「育ち」の秘密って、チューリップの球根みたいなんですよ。球根の中に、黄色いチューリップが隠れているのか、それとも赤いのが隠れているのか、それは誰にもわからない。花を咲かせるずっと前から、球根には「育ち」のプログラムがインプットされているのだから、いくら「ピンク色の花が咲きますように」 と願ってピンク色の水をかけたって、ピンク色の花を咲かせることはできない。私たちにできるのは、球根の「育ち」の秘密を知り、それを邪魔しないことだけ。球根を植える時期だとか、地面からどのくらいの深さに埋めたらいいかとか、どちらを上に向けて、どのくらい水やりをするのがいいのかとか、そういうことを勉強しておくことは、できるでしょう?」

人の子どもも同じです。親は「子どもを育てている」と思っているけれど、実は「子どもの育ちを助けている」だけ。子どもの「育ち」を邪魔しないためには、子どもがもって生まれてくる「育ち」のプログラムを親が知っておくことが、すごく大切です。

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ピースボートの小野寺愛さん(左)、国際モンテッソーリ協会元理事の深津高子さん(右)

そういった後で、高子さんが見せてくれた一枚の絵。

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上のほうの、まさに球根のようなかたちをしているのが、医学博士として子どもの「育ち」を観察しつづけたマリア・モンテッソーリの考える発達の4段階。一方、下にある、右肩あがりの三角形を並べているのが、従来型の教育のありかたを示す4段階。いまから100年も前に、マリア・モンテッソーリはこのグラフを書いたっていうから驚きだ。

上のグラフは、球根の大きさからもわかるように、科学的・生物学的に考えると、人の「吸収する精神」がいちばん活発でもっとも生命エネルギーに満ち溢れているのが0歳から6歳。お母さんのお腹のなかから出てきて、純粋無垢な状態で五感をフルにつかって必死になんでも吸収しようとする。大人にすべて依存するのではなく、できる限り自分の手やカラダを使っていろいろなことをやってみたいという探求心と好奇心にあふれている。その原体験の積み重ねによって、芽生える感情や社会とのかかわり。幼児期にどんな環境で、どんな大人に出会い、どのように生きたかはその後の人格形成に大きな影響をあたえる。

しかし、いま、世界中にある教育システムのほとんどが、子どもの自然な「育ち」と逆のベクトルで力を入れている。それを表すのが、下の右肩上がりのグラフ。スポンジのように何でもぐんぐん吸収する敏感期の0~6歳を軽視したまま、吸収力がすっかり落ち着いてしまう大学時代に向けて、量をどんどん詰め込むだけのカリキュラムになっている。

なぜピースボートとモンテッソーリ?

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ピースボートでは、「命」をなによりも大切だと考えている。戦争や貧困がなく、世界中の人々が安心して明日を楽しみにできる社会をつくるために、これまで26年間、3万人以上の人たちを乗せて250以上の港を訪れる「国際交流の船旅」を続けてきた。一方、100年前に「平和は子どもからはじまる」と言ったマリア・モンテッソーリ。戦争を逃れるようにして国を転々としながらも、生涯を子どもの教育にささげた彼女は、教師が一方的に「授業」「指導」「しつけ」するのが一般的だった時代に、「子どもが中心」の教育を続けてきた。子どもに自由に学ぶことができる環境を用意することが、いちばんの平和づくりであると確信して。

ピースボートとモンテッソーリに共通していることは、「一人ひとりの学びと体験が平和な社会を創る」という考え方だ。この企画を発案したピースボートの小野寺愛さんは、

ピースボートは、みずから出会い、体験することこそが「一番の学び」であり、そして人と人が直接つながることがお互いへの理解と平和につながるんだという思いを持って、船旅を続けています。体験こそが一番の学びであり、平和づくりへの道だと考えるのはモンテッソーリ教育も同じだと思うんです。

と語ってくれた。また、この企画の背景には、小野寺さん個人のこんなアツイ想いもある。

私は1児の母です。子育てをするようになって、地球環境の行く先や世界中の子どもが置かれた状況がより一層気になるようになり、ハッとしました。「きっと子育て中のお母さんほど、子どもの未来について真剣に考えている人種はいないんじゃないか」と気づいたんです。そんなお母さんたちにこそ(お父さんも!)地球一周の船旅に参加して、世界中で見聞を広めてほしいのに、子どもがいたら友達と小旅行するのさえ一苦労なのが現実です。でもそれなら、子どもにとっても最高に豊かな学びがある環境を船の上に作ればいい、そう思ってはじめたのが今回のプログラムです。原体験をかさねることがなにより大切な0歳から6歳の時期に、親子でパレスチナ難民キャンプを訪ねる。親子でアイスランドの大自然に触れる。親子で満天の星空を見上げる。そんな壮大な地球一周の体験を、ほかの親子とも共有する・・・。きっと、それは親子にとって一生の思い出になるだけでなく、とても面白い社会変革にもなるんじゃないかと思っています。

気になる「ピースボート子どもの家」の内容は?

さあ。これでモンテッソーリ教育への理解と関心はある程度深まったことだろう。でも実際気になるのが、3ヶ月の間、海の上でどんなことをするのか、具体的なプログラム内容ではないだろうか。もちろん長旅だから不安もつきもの。しかし、心配することなかれ!モンテッソーリ国際免許をもつベテラン保育士さんが2名(3か月乗船)、国際モンテッソーリ協会元理事の深津高子さん(2ヶ月乗船)が乗船する。一日の流れとしては、2歳~6歳の少人数・年齢縦割りクラスで、毎日「陸の上の保育園」と同じようにさまざまなアクティビティーがある。でも、ここでの主役は子どもたち!保育士は子どもたちを観察し、それぞれの興味にあった活動を紹介して、「自由な環境」を用意する。また、地球一周の船旅ならではの英語の歌遊びやワークショップ、コペンハーゲン(デンマーク)では現地のモンテッソーリ園を訪問するなど、親子で楽しめる世界各地の子どもたちとの交流プログラムも満載だ。

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で、気になるのがお値段・・・。

今回は、「ピースボート子どもの家」第1期生ということで、スペシャルプライス!通常、お二人参加だと300万円するところ、大人188万円+お子さん30万円で地球一周できる!もちろん、お子さん連れの方には窓つきのお部屋!それでも高いなあ・・・という方のために、さらにスペシャル企画!!今回に限り、半周または北欧区間のみの参加も受け付けているそうだ。

ちょっと高く感じるかもしれないが、親子で世界一周できるまたとない機会!かわいい孫にはあまいおじいちゃん、おばあちゃんを誘って一緒に、なんてこともありでは!? LOHASキッズの表紙を飾ったあのお母さんと赤ちゃんも乗船を決めたそう!

大人のペースに子どもを突き合わせるのではなく、子どもの自発性を重んじ、子どものゆったりとした時間に寄り添ってみると、これまでの毎日とはちがった思いや考え方を見つられるかもしれない。そしてその気づきから、環境や平和、世界の子どもの問題を身近に感じることができるはずだ。親子で出会う「ホンモノの世界」に思い切って出かけてみませんか?

詳しくはお問い合わせを!

問合せ先:ピースボート事務局(担当:小野寺)
〒169-0075 東京都新宿区高田馬場3-13-1-B1
Tel:03-3363-7561/Fax:03-3363-7562/ウェブサイトからのお問い合せはこちら

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