ニューヨークの建築家スコット・スペクト(Scott Specht)氏により、完全自給自足の家「zeroHouse」がデザインされた。近未来的なこの外観、いったいどんな仕組みになっているのだろう。
zeroHouse
家の機能を分解した図がこちら。ホームページに紹介されているこの家のポイントは以下の4つだ。
zeroHouse generates its own electrical power.
(電力を自給できる。)
屋根に設置されているのは、発電効率のよい大きなソーラーパネル。家中の消費電力がカバーできるのはもちろん、バッテリーに蓄えることができるので、曇りや雨の日が1週間続いても平気だ。
zeroHouse cllects its own water.
(水を集める。)
屋根には容量2700ガロン(=約10,220リットル)の大きな水槽タンクがあり、集めた雨水の水圧で勝手にパイプに水が流れる仕組みになっている。雨水の完全再利用で水の心配もナシ。
zeroHouse processes its own waste products.
(排泄物を処理する。)
トイレの水を流すと地下にあるコンポスト槽に貯まって、そこで排泄物などの有機物を分解してくれる仕組み。乾燥させたコンポストがたまったら、肥料にして野菜や穀物を育てよう。
これら3つの仕組みにより、電気、上水、下水道という生活になくてはならないシステムを完全にカバー。どんな山の中や砂漠の真ん中でも、これさえあれば生活できてしまうというわけだ。
そして最後のポイント。
zeroHouse is completely automatic.
(全て自動化されている。)
なんといってもこれがうれしい。家はセンサーで感知、コンピューターによりコントロールされているので、全て自動的に機能し続ける。気候条件によりエアコンやヒーターが自動作動するだけでなく、窓やドアを巧みに利用した断熱機能も備え、温度や湿度を自動調節してくれる。
ほかにも、壁や床には塗り替え不要の耐久性のある加工を施し、美しさと清潔さを維持する仕組みを備えたり、消費電力の少ないLED照明により100,000時間取替え不要にするなど、メンテナンスの煩わしさを徹底的に排除してくれているのもうれしい限り。
技術的にこれが実現可能かどうかは定かではないが、ここまでやってくれれば、夢の完全自給自足生活も現実味を帯びてくると思いませんか?週末はzeroHouseでエコ生活、なんて日が本当にやって来るかも。第一号完成の実現に期待!