まずは、Bioneersのおさらいから。1990年に始まったこのイベント、昨年参加したgreenz編集長・鈴木菜央が解説してくれてます。
1990年に始まったこのイベント、名前の由来はエコなパイオニアたち(Bio+Pioneers)。そんな人々が3000人も集まるのだ。
Bioneersは、「エコなパイオニアたち」=科学者、アーティスト、庭師、経済学者、アクティビスト、地方自治体職員、建築家、経済学者、農家、ジャーナリスト、宗教者、教育関係者などを全世界から招聘し、さまざまなテーマでの講演、ワークショップ、討論会、映画上映会、パフォーマンスなどを行うイベントだ。その様子は全米17か所に衛星中継を行うほか、全米の公共放送でその様子が放送される。
実はgreenz.jpを運営する株式会社ビオピオの社名も、お察しの通りBio+Pio-neerから頂きました。では、「ビオな先駆者」ってどういうことだろう?オフィシャルサイトのミッションにはこう書かれています。
Bioneers promotes practical environmental solutions and innovative social strategies for restoring Earth’s imperiled ecosystems and healing our human communities.
Bioneersのミッションは、危機的な地球のエコシステムを元に戻し、人間のコミュニティを再生するような、実践的で環境に配慮した解決策、革新的で社会的な戦略を普及させることである。
ビオとはこの場合、人間も含めた自然の生態系をキチンと理解していること。だからこそ集まったバイオニア達はみな当たり前のように”エコ”であり、来たるべきサステナブルな社会を明確にイメージしながら画期的な発想で取り組む、本当にスゴい方々ばかりなのです。これは、思いっきり感化されること間違いなし!
というわけで、いよいよ1ヶ月後に迫った今年のBioneers カンファレンス。200人に迫るスピーカーの中から気になる人物や興味深いセッションをピックアップし、自分の勉強も兼ねてまとめてみきたいと思います。一回目は初日の基調講演の面々から。
■初日:基調講演
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ポール・スタメッツ(→プロフィール)
テーマ:土の下からの解決方法:キノコが世界を救う
PAUL STAMETS / Solutions from the Underground: Using Fungi to Help Save the World
一昨年初めてBioneersに参加したgreenz編集長の鈴木菜央が、帰ってくるなり「キノコはすごい!」と興奮気味に話していたのを思い出す。僕が本気でキノコに興味を持ち始めたのはゼロエミッションの提唱者グンター・パウリ氏の『アップサイジングの時代が来る—ゼロエミッションと雇用の創出』の中の「茶の革命」でしたね。生態系の循環の中で、ミミズ同様ほかの生き物とは違うベクトルで生きる存在が、世界をどう世界を救ってくれるのでしょうか。にしても「フンギ」って響きがカワイイ。
レイ・アンダーソン(→プロフィール)
テーマ:サステナビティを行動に移そう
RAY ANDERSON / Sustainability in Action
社会的企業の先駆けとして真っ先に名前が挙がる、カーペットとタイルメーカーのインターフェース社の創設者。そしてビオ+ビジネスをつなげる最も影響力のある先駆者!環境負荷を少なくする生産方法、自然から学ぶデザインプロセス=バイオミミクリまで、本当に聞いてみたい話ばかりです。初日のセッションにも登場、そちらのテーマは「Leveraging Business Innovations for Environmental Breakthroughs(ビジネスイノベーションによって環境対応のブレイクスルーをさくっと実現する)」。
アレクサンドラ・クストー(→プロフィール)
テーマ:水の惑星を守ろう
ALEXANDRA COUSTEAU / Saving Our Water Planet
「海の恋人」とも呼ばれた海洋学者ジャック=イヴ・クストーの孫にして、水の保全の分野で世界を引っ張るアクティビスト。2008年に立ち上げたBlue Legacyでは、雑誌とのタイアップや出版など、さまざまなメディアで水問題を啓発するキャンペーンを進めています。アドボカシー活動の最新事例を要チェック。
次回は、2日目と3日目の基調講演から、気になる面々をご紹介します。お楽しみに!