簡易包装への移行が進む中、梱包材が製品になってお目見えである。
このびっくり梱包材、もとい電気スタンドが発表された会場は、ロンドンで開催された若手デザイナーの作品展示会『New Designers』。『Packaging Lamp』という名でこの作品を発表したDavid Gardenerは、イギリス発のデザイン・ウェブマガジン『Dezeen』に対して、こう語っている。
『Packaging Lamp』は、新しい製品を購入するたびに廃棄される包装材料の量について考えていたときに思いついた。製品に包装材料を含めることで、廃棄物をなくしてしまおうと考えたんだ。
パルプ製の『Packaging Lamp』は、2つの顔をもつ。まず、出荷時から開封時までは、電球型蛍光灯、電球ソケット、そして電気プラグを衝撃から守る梱包材としての役割を果たす。そして、開封されて電球などの位置が置き換えられると、たちまち電気スタンドに姿を変える。梱包材から電気スタンドへの華麗な変身を遂げる際のゴミ発生率は、見事にゼロ・パーセントである。
通常の梱包材とは異なり、機械を使わずに手作業で成型加工されるため、フォルムは美しい。特に柄の部分の形状は、木製の柄を思わせるが、それはよく見ると、出荷時に梱包される電球やソケットなどの形そのものだ。
軽量だから運送エネルギーの削減にもなるし、引っ越し時にも便利だ。もともとは梱包材だから、緩衝性に優れているはずで、何かと電気スタンドを倒してしまう人には、電気スタンドや電球を買い変える頻度が減る、という特典も考えられる。
仕組みを理解してしまうと、小学生の夏休みの自由課題に応用できてしまいそうなシンプルさだが、実用性も兼ねていそうだ。
この発想、他のものにも応用できるだろうか。思わず部屋の中を見回してしまう。
::TreeHugger(翻訳:greenz)