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いいとこどりではない、「ほんもの体験」。国が取り組む食育『教育ファーム』とは?

Creative Commons. Some Rights Reserved. Photo by Sighthound

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「食育」の大切さに関心が高まる中、国が主導となり全国規模の本格的な取り組みが始まった。「教育フ ァーム」というこの教育プログラムは、食べ物を作り、獲るところから食べるところまで一連の流れとし て体験するもの。今年から、農林水産省の事業の一環として、子供に限らず、親子、大学、企業も参加する実証が始まっている。

この「教育ファーム推進事業」を推進する社団法人農山漁村文化協会は、公募により全国139のモデル実 証地区の協力団体・協力者を選定、彼らが取り組む243の実証事例を通して、教育ファームの有効性の効果測定、普及・啓発に取り組んでいくという。

「教育ファーム」のホームページ「教育ファームネット」では、教育ファームの現場で役立つ子供向けの ワークシートや資料を自由にダウンロードできる。引率者(教師・コーディネーター)や受け 入れ先(農林漁業者)向けの教材も公開し、各自で簡単に導入できる仕組みを作り上げていく。サイトでは、 今後、全国各地の先進的でユニークな取り組み事例も紹介していくという。

世界の食糧問題が顕在化する中、日本では食料を大量廃棄処分しているという現状は見逃せない事実。食を大切にする心がなくなってしまったのは、食べ物の「入口」と「出口」が見えなくなったことが原因かもしれない。教育ファームは、収穫のみ、といったいいとこどりの体験だけではなく、農林漁業者とふれあいながら、作物の生産プロセスの体験をできるだけたくさんしようという取り組み。命の尊さや食べものの大切さに気づかせる、まさに「ほんもの体験」といえるだろう。

大人も体験できるこのプログラム、私たちにとっても食を見直すいいチャンスになるかもしれない。有機野菜の宅配もいいけど、一度「ほんものの体験」をしてみませんか?