屋外広告の部門「アウトドア・ライオン」では
シリーズの広告がいくつか受賞していました。
いずれもブロンズです。
NATIONAL GEOGRAPHICの「TUNAMI」は、
インドネシアの津波の被害者と
思しき人の目の部分がくり抜かれて
青い目になっています。
また、「SOLDIER」は、
イラク米軍の兵隊と思しき人の目が
くりぬかれて黒い目になっています。
コピーは「YOU THERE.」。
人種や国を超えて、現地で起きていることを
自分のことのように見て、考えよう、
というようなメッセージでしょうか。
目というのは顔の中でも強い意味を持つので、
その部分を加工したことでビジュアル的に
インパクトのある広告になっていますね。
マクドナルドのリサイクルについての広告は
ユーモアがあります。
年間6200トンもの紙をリサイクルしている、
ということを表現するために、
広告の表現自体も古いものを
再利用しているんですね。
リサイクルのことを伝える広告は
これまでにもたくさんありましが、
こういう切り口はなかったですね。
グリーンピースの「Reincarnation」も
チャーミングです。
紙、金属、プラスチック、それぞれを使って
キリスト教の宗教画のように仕上げて
「私たちは復活を信じています」
というメッセージを伝えています。
細部の作り込みがすばらしいので、
じっと見てるとゴミも貴重な資源として
神々しく見えてきますね。
「Flooded Home」も強烈な広告です。
ビジネス街のど真ん中にある池に
半分沈んだ建物を建てて、
多くのビジネスマンに気候変動による
洪水の被害についてリアルに伝え、
寄付を募るという作戦です。
驚きやユーモアは、
広告に対して多くの人が抱きがちな
警戒心を下げる効果があるんですね。
環境などの社会的なテーマは
「耳の痛い話」なので、
なおさら伝え方に工夫する必要が
あるのかも知れません