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エコとビジネスの新しい関係。株式会社レインボージャパン代表取締役ケビン・マヤソン氏

エコロギフト

エコロギフト

日本ユネスコ協会連盟の白神山系〜岩木山への植樹証明書をギフトとして贈ることができるエコロギフト。昨年までに1610本の植樹を行い、現在も次々に新しい商品を生み出している。このサービスを始めたのが、Web制作、デジタルメディア会社のレインボージャパンである。メディア企業がなぜ、このようなサービスを始めたのか。そして、そこにはどんな想いが込められているのか。株式会社レインボージャパン代表取締役 ケビン・マヤソン氏に話を伺った。

「もともとレインボージャパンは、今までの紙媒体から、Webメディア、デジタルメディアへ移ることによって貴重な自然資源が節約できるのではないかという思いからスタートしました。それから、ISO14001を取得したことで、環境問題への意識を強く持つようになりました。エコロギフトは、ある日、CNNの番組で木が二酸化炭素を吸収して地球温暖化の防止に役立つというのを見たことがきっかけですね。それを見ながらなんとなく思い出したのが、僕が子どものころに祖母からもらった植樹証明書です。その思い出がせっかくデジタルメディアの企業をしているのに、環境のためにどうすればいいのかわからず、情けないと思っていた僕に植樹証明書をギフトにするというアイディアをもたらしてくれたのです」

greenz/グリーンズ エコロギフト
植樹される白神山系〜岩木山

偶然にも、同じビルに所属していた日本ユネスコ協会連盟のスタッフとケビン氏が休憩室で出会ったのがきっかけで、レインボー・ジャパンとユネスコの提携が決まり、エコロギフトが誕生するのだが、そこにはさまざまな苦労があったという。

「今までデジタルメディア企業としてやってきたわけですから、この新しいサービスのためにマーケティングや商品開発などいろんな角度から勉強をし直すことが必要でした。一般の消費者にエコロギフトの主旨を伝えるためには、信頼を得ることは必須条件。証明書を渡して終わりにする訳にはいきません。僕らが現地に行き、植林する作業を確認することはもちろん、植林後のメンテナンスでは杭を打ったり、苗木が雑草に負けてしまわないよう下草刈りの作業を毎年2回、プロの人にお願いしてやっていただいています」

この徹底した管理と責任で展開しているエコロギフトの植樹一本の金額は10,500円(税込)からあり、オプションをつけることもできる。今後は、さらに価格や商品のバラエティを増やし、さまざまな人が気軽に購入できるシステムを展開するつもりだという。

greenz/グリーンズ エコロギフト
第一回の植樹で現地のスタッフとともに

これらエコロギフトを運営するレインボージャパンの活動は、一見するとCSRや企業イメージのためではないかという疑いが出てくるかもしれない。しかし、ケビン氏は決してボランティアの意識で行っているわけではない。ひとつのビジネスとしてエコロギフトを展開しているのだ。

「これから企業と環境の関係は、CSRということではなく環境に優しいビジネスによって利益を生むことが必要なのです。僕らは、エコプレナーシップを応援しています。エコプレナーシップというのは、「エコ」と「アントレプレナー(起業家)」を掛け合わせた造語です。エコプレナーは、環境に優しいこと、サスティナブルな活動をしている起業家のこと、エコプレナーシップは、そういった活動をしている人たちや企業を応援するものを指します。例えば、ソーラーパネルもそうですし、トヨタのプリウスなどもそこに入りますね。これからの時代には、エコプレナーシップはますます重要になってくると思います。企業はエコ=CSR、ボランティアではなくマストとしてやっていかなければいけないのです。エコのビジネスを立ち上げ、そこで十分に利益が出ることをやらなければならない。さらに、そういった企業を社会がもっと応援しなければなりません。そういう一つの循環が生まれれば、消費者のニーズも出てくるし、どんどん社会がいい方向にいき、気がつけばエコをやっているというように、人間の生活の中にエコというものが自然に寄り添う形になっていくでしょう。日本の社会の中でエコプレナーシップがさらに増えていくことを期待しています」

世界ではエコプレナーシップを基本概念としている企業も少なくはない。しかし、今までの日本では環境とビジネスは、同じ土壌にあるものではなく、切り離されたものとして考えらてきた。ケビン氏の言葉は、従来の日本企業の考え方に一石を投じるものだ。消費者の意識がエコへとシフトするのを待っている企業は、今後どんどん社会からおいてけぼりを食らうだろう。社会とは、本来循環するものであり、循環における社会の土壌はもう「消費」から「エコ・持続可能」というキーワードへシフトしているのだ。そのことにもっと企業は気づいていかなければならないし、気づいたのであればすぐに行動を取るべきである。今後の日本が世界の中でエコプレナーリーダーとして存在する日が来ることに期待したい。

プロフィール

greenz/グリーンズ エコロギフト


1963年米国デトロイト生まれ、1988年にアリゾナ州立大学卒業後日本に渡り、株式会社リクルート入社。マルチメディア・ビジネスを手がけるため株式会社リクルートを退社し、1991年に株式会社レインボー・ジャパンを設立する。「コンテンツ(C)」「デザイン(D)」「テクノロジー(T)」の3つの戦略キーワード—CDTをベースに事業展開する中、2007年7月からエコロギフトの発売を開始する。

4月11日より、プレミアムエコロギフトの販売開始!

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<植樹 3本 ¥31,500、植樹 4本 ¥42,000、植樹 5本 ¥52,500(全て税・送料込み)>
http://www.ecologift.jp/premium/index.html

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