飲んだり洗濯したりの普段使いだけでなく、牛の飼育や飼料をつくることにも、大量に水が使われてます。考えてみれば当たり前なのだけど、都市の生活では実感がない分、見過ごしがちな事実。その間接的に消費している見えない水は、「バーチャル・ウォーター」と呼ばれていますが、そのデータをビジュアライズしたポスターが販売されてます。
デザインはドイツ人デザイナー、ティム・ケケリッツ。片面には国々の消費量が、もう片面には食材を生産する上での消費量がシルエットとタイポグラフィでわかりやすく整理されてます。よく言われる話だけど、一人前(100g)の牛肉を生産するのに、1600リットル!!(お風呂8杯分)の水が必要だとか。お米1kgだって、3400リットル使う。
また国別にみると、アメリカは圧倒的なスケールなこともわかるし、食料自給率40%を切るという日本のアンバランスさも異様に際立ちますね。こうしてみると、水を通じて世界とつながってることがわかります。※研究について詳しくはこちらから
現代の生活がどれだけ地球に負荷を与えているかの指標「エコロジカルフットプリント」や、今日食べたものがどこからきたかを知ろうという「フードマイレージ」など、現状をまず理解するためのさまざまな指標が出てますが、研究成果を翻訳して、意外な目に見えないことを可視化して伝えることは、グラフィックを得意とするデザイナーが参加しやすいソーシャルクリエイティブのあり方ですね。