ISSUE 食と農

2 months ago - 2016.07.19

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廃棄されてしまう野菜をみんなで楽しく・美味しく食べよう。 大晦日に渋谷で開催されたイベント「Re-think Food Project」に行ってきました!

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PHOTO by NAOTO DATE

こちらの記事は、greenz peopleのみなさんからいただいた寄付を原資に作成しました。

冷蔵庫に保管しておいたけど、つい忘れてしまったり。
あるいは、大きさや形の物流規格からはずれてしまったり。
さまざまな形で野菜が廃棄されていることを、みなさんはご存知でしょうか?

実際に日本では平成24年時点で年間約500〜800万トン(内訳:家庭系廃棄物が1,072万トン、事業系廃棄物が641万トン)の食料を廃棄しています。そして、FAO(国際連合食糧農業機関)によると、世界では年間約13億トンの食料が捨てられており、その数は毎年人が食べるために生産された食料のうち、約3分の1を占めるのだとか!

そんな「廃棄されてしまう食料をなんとか有効活用したい!」という思いのもと、世界各地でさまざまな活動が展開されています。

最近では、世界初の期限切れ食材や規格外野菜を割安で販売する、デンマークのスーパー「WeFood」が話題になりましたし、greenz.jpでも、廃棄された食料でつくった料理を提供するレストランや、あまった食材の廃棄を防ぐためのアプリを紹介してきました。

そんななか、日本でも廃棄されてしまう食べ物がいっぱいあるという事実を受けて、食料のムダの少ない社会をつくろうという活動が立ち上がりました。それが今回ご紹介する、「Re-think Food Project」です。
 
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「Re-think Food Project」が12月31日に渋谷・神宮通公園で開催したのは、「Forget the Year Party」。こんなにも溢れんばかりの食べものがある傍ら、世界の裏側では飢餓が起こり、日本の中でも子どもの貧困が起こっている。

この食料分配のアンバランスについてみんなで一緒に考えようというテーマのもと、渋谷区神宮前二丁目商店会と青山ファーマーズマーケットの協同で開催されたのが、今回のイベントです。

会場では、マーケットで余った野菜やパンに加え、農家さんから集められた規格外で出荷できない不揃いの野菜や、加工の工程で出てしまった野菜を使った料理が振る舞われました。

大晦日に行われたイベントの様子をレポート!

今回のイベントの入場料は300円。その入場料さえ払えば、一通りの料理が食べられるシステム。会場には、およそ300人の来場者で、会場となった公園はいっぱいに! そしてイベントには、料理人や農家さん、パン屋さんなど入れて、総勢40〜50人のスタッフが集結しました。

ここからは、実際の当日の様子をレポートしていきましょう。

パン屋から提供されたのは、すでに焼き上げたけれど売れ残ってしまったパンたち。それらのパンを未森窯製作所から運んだ石釜でリベイクしていただきました。
 
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リベイクに使った石窯 PHOTO by NAOTO DATE

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PHOTO by NAOTO DATE

これは廃棄食材をつかって、シェフたちがカレーライスをつくっている様子。売れ残ってしまった食材とはいえ、その素材の味は確か。会場に遊びに来た人々は、美味しそうにほうばっていました。

その他にも、キッチンカーでスープを提供してくれた「WISH FRESH SALAD」や、旅をしながらコーヒーを販売する「旅商人拓」の抹茶ラテとホットコーヒーで温まりました。
 
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PHOTO by NAOTO DATE

イベントに出店したのは、こういったキッチンカーだけではありません。当日は、スタッフによる古着販売や、今回のフードロスをファッションで発信しようと製作された「FOOD TO THE PEOPLE」というコピーが印象的なオリジナルTシャツも販売されました。
 
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PHOTO by NAOTO DATE

そして、こちらではアーティストによるライブペインティングも。会場では、DJブースが設置されて、夜には音楽ライブも開催。最後まで、大賑わいでした。
 
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渋谷にいるホームレスの人たちへの”フェス”

MotionGalleryでのクラウドファンディングで集められた金額を用いて開催された、このパーティー。実は、廃棄野菜をどうにかしたいということだけでなく、渋谷にいるホームレスの人たちの役に立ちたいという思いも込められていました。

今回のイベントの経緯について、青山ファーマーズマーケットの運営チームスタッフである竹田潤平さんはこう話します。
 
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MEDIA SURF COMMUNICATIONS INC.の皆さん。PHOTO by NAOTO DATE

青山ファーマーズマーケットをやっていて、農家さんの廃棄野菜をどうにかしたいという思いがずっとありました。そこでこの場所に集う人々に向けて、フードロスを無くすことを考えるイベントを思いついたんです。誰でも気軽に参加できるかたちが良いなと思い、フェス形式で開催しました。また、渋谷にいるホームレスの人たちの何か役に立てたらという思いもありました。

”炊き出し”ではなく、”フェス”というかたちにすること。それは、そこに集う人々の垣根をなくし、地域のみんなで楽しく食べられる空間のデザインとも言えます。

僕らが行ったのは、音楽とアートと食事、空間のプロデュース。今後は活動している渋谷、表参道、原宿を拠点にしながら、廃棄野菜をうまく活用していく機会を増やしていきたい。来場者数1,000人の規模を目指していきたいですね。また、この活動から自分たちでやる人が出てきてくれたらうれしいですね。

私たち日本人が、高度経済成長によって豊かさを手に入れた反面、大量生産・大量消費型のライフスタイルは、自国に住むホームレスや貧困状態の人々、そして発展途上国の人々との食料分配のアンバランスを生み出しているだけでなく、それらに依存した暮らしにより地球への環境負荷も増してしまっています。

私たちの消費の仕方、そして食のライフスタイルをきちんと考えなおすことが、発展途上国の発展や貧困状態の人々の生活支援への最初の一歩です。まだ食べられる食材を”炊き出し”でなく、そこに集う人々の垣根をなくした”フェス”として開催する「Re-think Food Project」の活動に、今後も期待していきたいですね。

ぜひ、みなさんもフードロスについて、人々を巻き込みながら楽しく考える機会をつくりだしてみませんか?

世界中の食糧廃棄物を有効に活用し、エネルギーの地産地消につなげたい!
アメリカ・ワシントン州で、実際に稼働中のバイオガス発電機「the HORSE」

writer ライターリスト

Saori Matsuo

Saori Matsuo

greenz.jp ジュニアライター green drinks Harajuku オーガナイザー R水素ネットワークプロボノ 東京生まれ、神奈川県横浜市育ち。アパレル会社でファッション販売やWeb制作を担当。大震災を機にgreenzライター編集学校へ通い、ライターの道に転身。過去には、NPO団体の広報誌やイベントレポート、食のブランドリニューアルのライティングなどに関わる。主な記事のテーマは、自然に沿った衣食住、まちづくり。 facebook:https://www.facebook.com/saorimatsuosaori

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