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使わなくなったパソコンを届け、途上国の子どもたちに新たな世界を見せる!フィリピンと日本をつなぐ「Class for Everyone」

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日本では学校、会社、自宅など生活を営む上でパソコンに触れる機会は年々増加し、今では生活の一部となりつつあります。そうした中、みなさんは買い換えなどで使わなくなったパソコンをどのようにしているでしょうか?

今回は、国内で増えつつある使用済みパソコンを途上国へ届け、新しい「まなびの場」作り出すことで、「途上国に平等な機会を創出する」をミッションに掲げた「NPO法人Class for Everyone」の活動を紹介します。

代表である高濱宏至さんに活動にまつわるエピソードを伺いました。

きっかけは、大学生時代に訪れたフィリピンでの体験

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大学1年生の頃の高濱さん

2012年2月にNPO法人として設立された同団体は、フィリピンを中心に、これまで世界9ヶ国22地域へのパソコン寄贈を行っています。その活動を始めたきっかけは2005年にまで遡ります。当時、大学1年生だった高濱さんは環境問題に関心があったことから、植林活動をフィリピンで行うサークルに所属。そこで、自身初となる海外経験をすることになりました。

フィリピンに到着すると眼前に広がっていたのは太陽の熱さと青々とした緑色の木々。そして右も左もわからない高濱さんを迎えてくれたのは、現地の方々の無償の愛と屈託のない笑顔だったと言います。この時の経験が原体験となり、日本に帰国後も「いつか恩返しをしたい」とフィリピンへの想いを募らせ続けました。

そして、社会人2年目終了を機に退職し、再びフィリピンへ渡ったのです。

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パソコンが使えるか否かで変わる子どもたちの未来

高濱さんが再びフィリピンに訪れた時に知ったことは、「パソコン」が子どもたちの未来を作る上で欠かせないキーワードになっているということでした。

主要都市を除くと未だインターネット環境は不安定である一方で、インターネットが届かなくとも行える文章作成や表計算などを社会人業務として使用する機会が増え、そうしたスキルの有無が職業選択の自由と深く結びついていたのです。

こうした背景から学校の先生をはじめとする教育現場では「子どもたちにパソコンの扱い方を教えたい」と声が挙がる一方で、途上国においてパソコンは簡単に手に入るものではありません。

高濱さんは、この問題に対して挑むことを決意しました。

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使わなくなったパソコンを通して”つながる”

高濱さんの取った手法はシンプルでした。

先進諸国では技術革新によって新しいパソコンが次々と生まれている反面、買い換えによって使わなくなったパソコンはお金をかけ環境を壊しながら廃棄されます。

この「使わなくなったパソコン」を途上国に届けることで、子どもたちに教育の機会を与えることができ、同時にエコにもつながるのではないかと考えました。

そして何よりも、愛着のあるパソコンを通じて、高濱さん自身がフィリピンに初めて訪れたときに見た、満面の笑みを浮かべる子どもたちとつながることで、支援を「する」「される」の関係を越え、より温かな関係性を築いてほしいと言います。

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団体のFacebookページでも、日本と現地がつながってほしいとの思いから、届けられたパソコンがどのように使われているか、どんな子どもたちが使っているかなどを積極的に発信しています。

2013年7月、新たなる挑戦へ

今年7月、同団体は新しい試みをスタートしました。内容は日本の使わなくなったパソコンを集め、フィリピンの鉱山地帯にパソコン教室を作るというもの。

フィリピン・ルソン鉱山地帯には14の小学校・高校があります。これらの教育機関から子どもたちのためのパソコン教室を開きたいので手伝って貰えないかという依頼を受けたとのこと。そこで、鉱山地帯という非常に閉鎖的な場所に住んでいる子どもたちに、今まで知らなかった世界があることを伝えたいという想いからスタートした取り組みです。

特に男性は鉱山で働くのが当たり前という地域で、そこで働く以外に自分がなれる姿を想像できないこともあります。そのため、知らない世界を知るきっかけを、パソコンを使って教えていきたいと考えているそうです。

そして、教室で使うパソコンを愛情が詰まった「使わなくなったパソコン」にすることで、日本に住む人々とフィリピンという国の距離を少しでも近づけたいという強い意図があります。

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この取り組みでは、7月いっぱいまで、ルソン鉱山地帯に設立予定の教室へパソコンを寄贈することができます。(※第2弾を10月に予定しているため、7月を過ぎてしまっても受け付けているそうです。)

すでに使っていたパソコンを再利用ということで個人情報などを懸念される方もいらっしゃるかと思います。もちろん同団体では、寄贈の前にパソコンのデータを消去した上で、必ずランダム文字列によるデータ上書き処理を3回行うなど安全面には細心の注意を払っています。

この機会に、ご自宅などに眠っているパソコンを途上国の子どもたちへプレゼントしてみませんか?

(Text:大森厚志)