ISSUE ものづくり

3 years ago - 2013.04.05

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太陽からエネルギーをもらう「いきてるみたいな」デジタルカメラ、「SUN&CLOUD」の魅力に迫る!

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トイカメラメーカーの「パワーショベル」が3月12日、世界初の自給自足系デジタルカメラを発売しました。カメラの名前は「SUN&CLOUD」、つまり太陽と雲。ソーラーパネルを搭載し、名前が表すように太陽の光で充電できるデジタルカメラです。

さらにパネルで充電する「太陽の恵み方式」に加えて、ハンドルをまわして手動充電する「自分でがんばる方式」、USBで充電する「今じゃ当たり前方式」でも充電をすることができます。なんともユニークなSUN&CLOUD。このカメラがいったいどんなコンセプトでつくられたのか、なんだか気になってきませんか?

手元に置いておきたくなるプロダクト

コンセプトが気になるところですが、ちょっぴり脇へ置いておいて、まずはフォルムを見てください。

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真上にはソーラーパネル、側面には手まわし式のハンドルがついています

カメラだと言われるとそういうものかと思えてきますが、よくよく見るとやっぱり不思議。四角くて、つるっとして、まるでお豆腐のような形です。そもそもデザインとして、いままでなかったような新鮮な雰囲気。掌には微妙に収まりきらない歯がゆい大きさなのですが、見た目がとってもかわいくって、ついつい手元に置いておきたくなるようなプロダクトです。

SUN&CLOUDは、いったいどんなコンセプトを持ったデジタルカメラなのでしょう。パワーショベル代表の大森秀樹さんと宣伝担当の中村土光さんに話を聞いてみました!

左がパワーショベル代表の大森さん、右が中村さん

左がパワーショベル代表の大森さん、右が中村さん

日常がかけがえのないものだと気づいたから

「自給自足のカメラ」というアイデアが生まれたのは、いまから4年以上前のことでした。しかし、なかなかプロジェクトとしては動きださない中、2011年3月11日、東日本大震災を経験することになりました。当時のことを、大森さんはこう振り返ります。

大震災があったその後、たくさんの人が、自分のやっていることを振り返ったと思うんです。「自分はこんなことをやっていていいのだろうか?」と。私もトイカメラのメーカーをやっている人間として考えてしまいましたよね。いま、トイカメラを作っている場合なんだろうか?って

●DSC_0832

毎日を、もっと深く噛みしめながら生きたほうがいいのではないだろうか。大森さんはそんな想いに捕らわれたのだそうです。たとえば、ここ何年かの間に生まれたばかりの小説を読むよりも、古典をじっくりと読み込むような人生のほうがいいことなのではないだろうか…。だとすれば、トイカメラのようなカジュアルなものを手掛ける意味はあるのだろうか…?

でも、考えたあげく、一周まわって、こういうものこそ、つくるべきだと思うようになりました。遊び感覚で日常が切り取れるトイカメラ。平和な日常がいつ失われてしまうかわからないことに気づいたからこそ、3.11以前にもまして、なにげない日常が尊いものになったように思うんですよね

手間がかかるからこそ愛着は生まれてくる

震災を経て、いろんなことを考える時間を経て、SUN&CLOUDがついに具体的なプロジェクトとして動きはじめます。そして生まれたキャッチフレーズが“太陽からエネルギーをもらう「いきてるみたいな」カメラ”でした。

このカメラは、一度USBで満タンになるまで充電すれば、日中、陽のあたる場所に置いておくだけで、ずっと使い続けることができます。PR担当の中村さんは、そんなSUN&CLOUDの愛きょうについて教えてくれました。

SUN&CLOUDはちょっと世話のやけるカメラです。毎日会社についたら、日当たりのいいところに置いてあげようって感じにお世話がしたくなります。人はそのちょっとした手間に愛着を覚えるんですよね。ソーラー充電でランプが光っているところをみると、今この子は太陽からエネルギーをもらっているぞ。なんて思ってうれしくなります

ちょっと手間がかかる、というのはSUN&CLOUDの魅力を理解する上で重要なキーワード。ソーラーパネルがついているので、わざわざ日光に当てなくてはならないし、いまは携帯電話にカメラがついている時代なのに、わざわざトイカメラを持ち歩かなければならないわけなのですから。大森さんは、そんなひと手間かかるSUN&CLOUDについてこう語ります。

●DSC_0810

いまやカメラの世界はハイエンドなプロ用と携帯についているカメラに二極化されました。でも、そのヒエラルキーの外側にあるものがなくてはおもしろくない。そう思っているからこそSUN&CLOUDをつくったのです。

SUN&CLOUDはメッセージがあるデジタルカメラなんです。環境に大きく貢献はしないかもしれないけど、ソーラーパネルを搭載してみた、とか、あえて遊びの要素を前面に押し出したプロダクトとしてリリースしてみた、とか。どうしてこんなカメラを作ったんだろうっていう、そこのところを楽しんでもらえるとうれしいですね

気になるカメラ。ほっとけないカメラ。そんな雰囲気満点の世界初の自家発電式のエコなカメラSUN&CLOUD。街中で見かけたら、ぜひ手に取って、かわいがってみてください!

SPEC
・有効画素数:300万画素
・撮影素子:CMOSセンサー
・静止画記録画素数:2048 × 1536
・動画記録画素数:640 × 480
・ISO感度:ISO100, ISO800
・露出:オート
・ノーマル:約150cm〜∞
・ポートレイト:約60〜150cm
・マクロ:約25~35cm
・静止画ファイル形式:JPG
・動画ファイル形式:AVI(音声付き)
・LEDライト搭載(単独で使用可能)

Frame rate(video)
・30FPS(通常モード)
・8FPS
・1FPS

SIZE
高さ:80mm
幅 :60mm
厚さ:60mm
重量:190g

現在、SUN&CLOUDの発売を記念して、全国の書店にて本とカメラが一緒になったコーナーを展開中。カメラの枠を超えたSUN&CLOUDからイメージされる、森、旅、エコなどのキーワードを元にした様々なジャンル(雑誌、写真集、エッセー、図鑑など)の本とカメラのフェア、題して「SUN&CLOUD and BOOKS」。

今後もSUN&CLOUDの新しい企画が進行していきます。植物がゆっくり成長していくように関連した企画も必見です。

SUN&CLOUDをオフィシャルサイトでチェック!
SUN&CLOUD いきてるみたいなデジタルカメラ

writer ライターリスト

井上 晶夫

greenz ライター フリーランスのエディター&ライター。編集プロダクションや出版社を経てフリーランスとして活動開始。企業コンテンツや雑誌、ウェブの記事などを手がける。今、テーマとしているのは“対話”。

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