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子どもの視点で社会を見てみよう!子どもといっしょにどんな社会を作りたいかを考える「Child Future Session」

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特集「a Piece of Social Innovation」は、日本中の”ソーシャルイノベーションのカケラたち”をご紹介するNPO法人ミラツクとの共同企画です。

子どもと大人が一緒によりよい社会を語り合う、それが当たり前になったら素敵だと思いませんか? そんな未来を目指して「Child Future Session」は開かれました。

今回で3回目となるこのイベントは、子どもたちにとって本当にいい社会を考え、作っていくことを狙い、2月17日に品川のコクヨエコライブオフィスで行われました。主催は「asobi基地」の代表で、「オトナノセナカ」共同代表でもある保育士の小笠原舞さんをはじめとする「Child Future Center」の運営メンバーたち。

「子どもたちに多様性を育くむための大人の役割とは?」をテーマに、実際に子ども達の行動をじっくり見たり、子どもの世界を体験したりしながら、子どもに何ができるかを自分ごととして考えていきました。

子どもの成長には好奇心を満たしてあげることも必要

午前のプログラムの1つ目では、運営メンバーでもある児童精神科医の小澤いぶきさんによる、子どもと大人の違いについてのお話が行われました。

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小澤いぶきさん(左)と司会の中村さん(右)

大人は論理的に考えられる反面、発想が凝り固まりがち。子どものいいところは「こうあるべき」がない分自由な発想ができることです。遊びの中で平衡感覚や触覚などの固有覚が育ちます。

9歳頃までは生まれつきのものよりも環境が大きく影響するので、自信をつけさせてあげる経験をたっぷりさせてあげてください。素直に欲求を表現できる関係づくりをすることが子どもの安心につながります。と同時に、先回りして「やめなさい」と止めるのをなるべく抑え、好奇心を満たすことも健やかな成長に必要です。

専門家ならではの知見がちりばめられた語りには、つい陥りがちな押し付けるような子どもへの接し方から脱却するためのヒントをもらいました。

子どもたちの見ている世界

午前のプログラム2つ目では1〜5歳の子ども9人の遊びをじっくり見ます。

シャボン玉を見て、即座にとびつく子もいれば、ふーんと通り過ぎる子もいる。3歳を境に、友だちと鬼ごっこをしたり、お家の人・遊び場を作ってくれるスタッフの方々にすすんで話しかけたりと、人とのつながりに関心が向くようになる。子どもの年代による違いや個性による違いが頭での理解から実感へと変わっていくセッションでした。

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観察のシェアリングでは「子どもによって好きなものがこんなにもちがうものかと感じました」「子どもは皆、集中しつつ周りを見る柔軟性があることに気づきました」「親子の関わりを見て、どういうふうに親が子どものアクションをうけとめるかがいかに重要か痛感しました」などの気づきがあがりました。

今までのChild Future Sessionでは子どもを見るという取り組みはありませんでした。小笠原さんはこの活動を新たに取り入れた狙いについてこう語ります。

普通に生活している大人には、なかなか生の子どもをみるチャンスがありません。また保育士は当たり前ですが、一度に大勢の子どもの遊びを見ることもない。だからこそ、こういう場で子どもたちの見ている世界や遊びについて考え、今までとは違う世界の見え方に気づいてほしいと思います。

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子どもの「食」を体験しよう

お昼休みは、組んだチームごとにお弁当を食べます。ただし次のような特別ルールが!

・箸1本で食べる。
・食事中話してはいけない。
・グループで1人だけアイマスクをして食べる。その人だけは話をしていいし、箸も2本使っていい。

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箸1本では非常に食べにくいようで、参加者は食べ物に突き刺したり、割り箸を折って2本にしたりして食べていました。アイマスクをすることになった人たちは醤油やソースが自分ではさせません。同じグループの人たちに手助けしてもらって、なんとか食べることができていました。

また普通のコップ以外に、グループに一つずつ、とっても小さいコップを渡されるというイベントも。飲んでみた人は「残念な感じ」「物足りない…」とつぶやいていました。

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無口でいる分、身振り手振りで伝えるということを通し、言葉で伝えられないもどかしさを感じたようです。アイマスクをした人たちは「味だけだと何を食べているのか意外と分からない」「人が反応しないとだんだん無口になっていく」「まわりの協力あっての完食だった」「次は何だろう?と物を口に運ぶときにわくわくした」などの感想を述べていました。

うまく食事道具を使えない、伝えたくても伝えるすべが少ないなどからくる、子どものもどかしい気持ちを体験することができたひとときでした。

色とりどりの子どもの個性を活かし、巻き込むには

午後は対話のセッションです。最初のセッションでは「多様な子どもたちの視点を活かし、一緒につくれる社会とは」をテーマに話し合いを行いました。

失敗すると起きあがりにくい現状を、何回失敗してもOKな社会に変えていきたい、子どもは「好き」を感性で選ぶから、そこをもっと大切にしてあげられると…など、現在の問題点を指摘する意見が出ました。

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大人だけで決めるのではなく子どももいっしょに考える、地域の空き店舗などを使って子どもも大人も一緒に遊べる場があるといい、のように今を打開するための方策を考えるグループも。

現状を把握してこれからの課題を確認したところで、いよいよ自分ごととして子どもにできることを考えていきます。

子どもといっしょにどんな社会をつくりたい?

対話の後は、子どもといっしょにどんな社会を作りたいか、シンプルに大きく書いて仲間を探します。近い理想を持った人同士でグループになり、新聞を作るというのが最後のセッション。実現したらうれしいことを過去形で書く、自分がその活動に携わっていることを前提にして記事をつくるというのが約束です。

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「もちつもたれつの社会を実現したい」「キラキラ輝く大人ばかりの世界にしたい」「ありのままの思いを素直に表現していい社会にしたい」などのねがいが掲げられ、次々とグループができていきました。

決まったところから、話し合いと新聞作成です。

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新聞発表では様々な具体策があがりました。

・ダジャレなどの笑いでジュースが買える。もはやお金を使わない社会。
・学校のHPがフェイスブックに完全移行。保護者も子どももイベントに参加しやすくなった。
・家族コンパ開催!街を貸し切って行った。
・子どものいない家庭への子どもホームステイが実現。
・企業子ども相談役設置率100%達成。
・子ども大臣が設置され、子どもによる子どものための子どもの学校を建設。
・一年をかけて地球の裏側に行き(地面を掘って)、段ボールハウスを作る。子どもの遊びを大人がダイナミックにふくらませる社会。
・副業を解禁させ、教師の社会経験を必修にし、ドリーム特区を作るという政策が決定。
・誰もがいつからでも学べる社会になっている。(子どももおばあちゃんもおじいちゃんもいっしょにかけ算を学ぶなど)
・子どもがまちの様子を伝える中心的な存在になっている。
・子ども国会が作られ、一定の発言権をもっている。

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提案とともに、達成のために行うことも宣言しました。「トライ&エラーを流行語大賞にするようはたらきかけます」「クライアントの企業に子ども相談役設置や副業の解禁を呼びかけます」「教育行政とのつながりをつくっていきます」具体的で、自分の立場を生かした宣言が続々出てきました。

セッションの最後、小笠原さんはこう呼びかけました。

今日の気づきを今いる場に持ち帰り、ぜひ実現してください。

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文具やおもちゃの企画開発からIT会社のシステム開発・教育関係者・公務員・NPO職員と様々な人が「子ども」を軸に出会った一日。この出会いから輪がひろがってアクションが起こり、子どもとともによりよい未来を語り合える社会になっていけばそれほど素敵なことはありません。