先日もオープニングパーティが行われたばかりの最もホットなタイミングで、中川氏にインタビューを行いました。「Share0」での学び、「Lightningspot」への想い。そして、これからの時代の働き方について、ご紹介したいと思います。
まず、「Share0」という事業に取り組まれるまでの経緯を教えてください。
もともと僕は、金融系のコンサル会社で働いていました。その後30歳で独立して、大手出版社の通信販売事業立上げのプロジェクトに携わります。その当時、僕は自分のオフィスを持っていなかったですが、そのかわりに出版社のオフィスを一部間借りさせていただいて、そこで作業していました。つまり、企業側からタダで場所をお借りして、お仕事を一緒にしていたということです。
その後、IT企業の設立、失敗を経てスタートアップ企業を支援する会社に就職、インキュベーションオフィス事業を全国で展開しました。インキュベーションオフィスとは「レンタルオフィスに起業に必要なノウハウやサポートがついているレンタルオフィス」サービスです。事業は比較的順調に成長、拡大し全国で4拠点を構えるまでになりました。
しかしながら課題も抱えていました。それは利用してくださるスタートアップ企業も事業が厳しくなると、早々にレンタルオフィスを出ていってしまうということ。こればかりはビジネスの問題ですし、スタートアップゆえの難しさなので仕方ない部分もありまます。しかし優秀な起業家も企業から「間借り」のお誘いを受けて出て行くことも少なくありませんでした。
そのような光景を見ているうちにオフィスに対する在り方を考えるようになりました。「そもそも自分たちだけのオフィスっているのか」ということ。コストパフォーマンスもよくないし、外部との接触も少ない。そんなことを漠然と考えているうちに、自身の出版社での「間借り」の経験を思い出し、企業内の空きスペースをスタートアップやフリーランスが活用することを通じてオフィスコストを削減でき、企業とも繋がっていくことが新たな仕事やネットワークを産み出し、また企業にとってもスタートアップやフリーランスと繋がっていけば有益ではないかと思うようになりました。
また、単なる場所のマッチングだけではなくて、企業にとっても優秀な外部パートナーを見つける機会となります。場所を共有することで、お互いのコミュニケーションコストも抑えつつ交わることができます。そうして生まれたのが、「Share0」というマッチングサービスでした。
「Share0」での取り組みと、そこでの学びについて教えてください。
「Share0」は、企業のオフィススペースと人を繋げる、オンラインのマッチングプラットフォームです。企業は使われていないスペースを提供するかわりに、パートナーとの出会いや、リクルーティングの機会を得ることができます。人は、自らのスキルやネットワークを企業に提供するかわりに、無料でつかえる作業スペースを手に入れることができます。
これまでも「Share0」を通じて、およそ半年で100件ほどのマッチングが生まれ、優秀な人と企業をつなげることができました。
しかし一方で、企業内のスペースをシェアするというのは、まだまだハードルの高い取り組みというのも実感しています。企業内にスペースはあっても、セキュリティの問題などがあるため、“企業内のオフィスシェア”はかなり大変です。また折角シェアしてもらうことが決定しても立地とかおしゃれじゃないと誰も使わないということや、上手くコミニュケーションがうまれないという問題もある。その点は実際に「Share0」に取り組んで気づいた学びですね。まだまだ改善の余地があります。
今後は企業内コワーキングを導入し、色々と試しながら3年後にグローバルで本当に使えるプラットフォームとなることを見据えて前進できればと思ってます。
「Lightningspot」は、どのようなきっかけで生まれましたか?
きっかけは、僕自身がオフィスシェアを推進している中で、企業の中でオフィスシェアを実施するのが難しいなら、外部につくればどうかな?と考えました。そこで(株)アクロネットの石田社長にご提案し一緒にやらせていただくことになりました。アクロネット社はIT企業の経営・営業支援されている会社で、「Lightningspot」を通じて、利用者と新たな出会いを創造し、彼らの支援したいとおっしゃっていただきました。
実際に社長の石田さんは週に2−3回はこちらで仕事されており、起業家やクリエイターとコミュニケーションをとったり、企業を紹介されたり、積極的に交わっていただいてます。そう遠くないうちにアクロネット社と起業家やフリーランスの人たちが一緒に仕事していくイメージが僕には想像できます。
「Lightningspot」というスペースで、これからどんなものが生まれてきますか?
実は、「Lightningspot」はコワーキングゾーンというのは設けてるのですが、形態としては一般的なコワーキングスペースとは違います。今は、僕が会員同士を繋いだり紹介したりしてますが、それも緩やかな感じでやってるレベルです。これからは自然と利用者間でコミニュケーションが発生する仕組みはないかと考えてます。
また、ブロガー(メディア)の方に本施設スポンサー提供をしており、ブロガーと起業家が出会い、ブロガーが起業家の事業を記事にして紹介したり、起業家がブロガーに意見を求めたり、そんな交流やパートナーシップも発生すればと考えています。これは勿論ブロガーに限ったことでなく、、ですが。
「Lightningspot」の由来ってなんですか?
「Lightningspotには3つの意味が込められています。
1.気軽(light)に立寄り仕事ができる
2.充電(lightning)できる ※非会員でも充電器設置、無料充電提供予定
3.電撃的(lightning)な出会いがある
最近はクールな名前のスペースが多いので、あえてゴリゴリのアメリカンっぽさを出しました(笑)名前決めの際に参考にしたのは、サンフランシスコのコワーキングスペースですね。まあ、行ったことないですけど(笑)
「Lightningspotには3つの意味が込められています。
1.気軽(light)に立寄り仕事ができる
2.充電(lightning)できる ※非会員でも充電器設置、無料充電提供予定
3.電撃的(lightning)な出会いがある
最近はクールな名前のスペースが多いので、あえてゴリゴリのアメリカンっぽさを出しました(笑)名前決めの際に参考にしたのは、サンフランシスコのコワーキングスペースですね。まあ、行ったことないですけど(笑)
中川さんが考える「これからの働き方」とは、どんなものですか?
“Office is dead, but space is alive.” これは、僕の最近MYブームな格言です。
一般的には「オフィス」という言葉を聞くだけで、ネガティブなイメージを思い浮かべがちです。上司に怒られる、残業、事務処理、予算、固定コストになる・・どうしてもそんなキーワードが出てきやすい。もちろん、オフィスを全面的に否定するつもりは全くないですが、この数十年のうちに、どんどんネガティブなイメージに変化してしまったという感じを個人的には持っています。
しかし、「●●スペース」という言葉を聞くと、なんだかポジティブでクリエイティブなイメージとなりませんか?コワーキングスペース、シェアスペースなど、いま面白い人や情報が集まっているのは「スペース」な気がします。
そのような流れの中で、5,10年後にはオフィスの形態も全く変わっていると思います。最近では、徐々にフリーアドレス(社員が個々の机を持たず、自由に席について仕事をする)のオフィスが増えていますが、企業間でおこなう取り組みも出てくると思います。パートナー企業同士でスペースをシェアして、それぞれの社員同士が利用するような感じです。
そのような仕組みがあると、企業間・社員同士のコミュニケーションを活性化することもできますし、在宅作業やノマドワークとはまた違った刺激が生まれるはずです。新鮮なスペースで作業することで、仕事の能率もあがるかもしれません。また、その空間にフリーランスとして活躍する優秀な人間も入ってくれば、さらに面白いことが生まれるはずです。「オフィス」という言葉がなくなりスペースという言葉になってるかもしれません。
オフィス・シェアリングやコワーキングスペースには、さまざまな可能性があります。そして、それは「これからの働き方」の可能性広げていくことでもあるのです。(インタビュー終)
フリーランスと企業のパートナーシップは「スペース」から生まれていくということを予感させる「Share0」と「Lightningspot」。まだ走り始めたばかりですが、その先に「これからの働き方」が見えてきます。次々と生まれるコラボレーションに、目が離せなくなりそうですね!
「Share0」について調べてみよう。
インターネットビジネスに関わる、支える、興味ある人達のちょっとした仕事場と出会いを提供するワーキングスペース
東京都渋谷区渋谷3-27-15坂上ビル7F
【渋谷駅(新南口)】徒歩30秒
会員:月額3,780円
非会員:ドロップイン:2時間で500円/1日1,000円(水曜日のみ)