海岸線をドライブするならサザン、スキー場でシュプールを描くならユーミン…。
目に見える風景と耳から聞こえる音楽は、ヒトの意識で深くつながり、それぞれのパワーを強めあいますね。
さて、このほど、スマートフォン時代の到来とともに、風景と音楽の新しいコラボレーションのカタチが誕生。米ワシントンDC出身の兄弟デュオ「BlueBrain」が、位置情報をベースとした音楽アルバムを発表しました。
この音楽アルバムは、iPhoneのGPS機能を用いて、ユーザの現在地を追跡し、その場に応じた音楽を自動的に再生する仕組み。目の前の風景とイヤホンから流れる音楽が一体となって、その場にある雰囲気や文脈をリアルに体感することができます。2011年10月にiPhoneアプリとしてリリースされたBlueBrainの最新作「Listen to the Light」は、米ニューヨークのセントラルパークが舞台。セントラルパークに足を踏み入れたら、このアプリを起動して、自由気ままに歩いてみましょう。ドラムが鳴り、ストリングスが奏で、ピアノがポロンと響く ―。風景の移り変わりとともに、メロディやリズムがシンクロしていきます。
The Making of Listen to the Light by BLUEBRAIN from BLUEBRAIN on Vimeo.
このような位置情報をベースとするサウンドトラックは、音楽の聴き方だけでなく、作り方をも変えています。たとえば、従来の「Aメロ、Bメロ、サビ」といった標準的な作曲形式は必ずしも機能しません。どの範囲にどの音楽を再生させるか、細かくマッピングするという作業も、従来の作曲にはないプロセスです。BlueBrainの二人は、そのスポットやシチュエーションにマッチするメロディを作るために、セントラルパークに幾度となく足を運んだそうですよ。
「Listen to the Light」は、GPS機能を活用した、新しい体験型エンターテインメントともいえますね。ユーザが移動するごとに、景色だけでなく、その場に合った音楽で楽しませるというアプローチは、アミューズメントパークやイベント会場などでも、応用できそうです。
[via PSFK]
「Listen to the Light」をダウンロードしよう。