漫画に映画と、長らく続いている「平成の妖怪ブーム」とでも言うべき、妖怪人気。さまざまな作品が人気を集めるなか、かわらずその中心的存在となっているのはというと、やっぱり鬼太郎。2010年3月からは、『ゲゲゲの鬼太郎』の生みの親、水木しげる氏の妻・武良布枝さんの自伝を原案とした連続テレビ小説『ゲゲゲの女房』も始まり、「妖怪の聖地」と呼ばれ年間150万人が訪れるという水木氏の出身地である鳥取県境港市もさらに盛り上がる予感。鬼太郎は、ますます地域活性化に功労だ。
そんな鬼太郎が、今度は“だるま”になって、新丸ビルやミッドタウンなどを中心として展開するセレクトショップ(イデアインターナショナル)を中心に並ぶのをご存知だろうか?
おしゃれショップに妖怪……。なんだか想像しがたいけれど、実はこの「妖怪だるま」、Newsweek誌にも「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)として選ばれたnendoの佐藤オオキ氏がデザインを担当。そして、明治から続く岐阜県多治見市の産地メーカーが、日本のものづくりを応援するNPO法人メイド・イン・ジャパン・プロジェクトの アドバイスのもと制作にあたるのだとか。「妖怪だるま」第一弾は、鬼太郎をはじめとする『ゲゲゲの鬼太郎』のキャラを中心に12種類。今後は、売上げや「妖怪ふぁんど」(運営:ミュージックセキュリティーズ)を通じた出資金に応じて日本全国の妖怪も仲間入りさせ、種類を増やしていくとのこと。つまり、商品を購入したり、ファンドに参加したりすることで、新しい妖怪に出会えるというわけ。さらに、妖怪たちを通じて日本の産地メーカーを応援することもできるのだ。
妖怪といえば、気持ち悪くて怖いなんて思われがち。しかし、その起源は自然をうやまう気持ちや天災や怪奇現象などを怖れる心、そして「あらゆるものに魂が宿る」という考え方から生まれたキャラクターだとも言われている。そのため、それぞれの妖怪には出身地があり、誕生の背景には、その土地ごとの風土などに由来するストーリーがあり、突き詰めていくうちに、日本各地の歴史や文化、信仰、風俗、慣習などを知ることができる。そう、妖怪は、日本の民俗の世界へと私たちを案内してくれる貴重なキャラクターなのだ。
日本の伝統工芸と日本のトップデザイナー、そして日本の文化を伝えるキャラクターが一体となり日本のアイデンティティがぎっしのこの「妖怪だるま」は5〜6月に販売開始予定。日本文化と国内外の人々の興味を繋ぐ存在になるのか!? 要注目だ。
「お金と妖怪のいい関係」も開催!