What if church were a verb? What would it look like? (教会という”動詞”があるとしたら?それはどんな行為だろう?)
こんな問いからスタートした統一メソジスト教会のRethink Church(教会について考え直す)プロジェクトの公式HPは、ソーシャルメディアをフルに活用した参加型サイトだ。
この公式HPに付けられた名前は、10ThousandDoors(1万枚のドア)。人が教会の活動に参加する入り口も、教会が社会に参加する入り口も、あらゆるところに存在する。そんなメッセージが込められている。
10ThousandDoors のトップページを初めて見た人は、それが教会のサイトだとは、まず思わないだろう。黒をバックグラウンドにしたスタイリッシュなデザインで、どちらかというと、教会のイメージとはかけ離れて見える。コンテンツも、いわゆる宗教的な活動に関するものよりも、スポーツ、健康管理、ボランティア、コミュニティ活動など、毎日の生活に関する内容が目立つ。自分自身や社会について考えるきっかけがつまっているようだ。
10ThousandDoorsには、ふんだんにソーシャルメディアが活用されている。
そのマッシュアップ度は、すごい。 FacebookとTwitterはもちろんのこと、Google Friend Connect、Yahoo! Pipes、iLike(音楽推薦サービス )、RSSフィード、Google Earth、YouTubeなどなど、把握しきれないほど多くのアプリケーションが組み込まれている。そしてそれらが、きちんと整理されている。ユーザーフレンドリーかつ機能的なサイトだ。
では、10ThousandDoorsでどんなことができるのか。トップページに並ぶメニューは、以下のとおり。
・Watch
世界の出来事やメソジスト教会の活動に関するYouTube動画を観ることができる。
・Talk
Google Friend Connect 機能を使って、社会について、人々について、自分について、そして、お祈りについて、ユーザー間で情報や意見の交換ができる。
・Now
メソジスト教会の活動や水問題、健康問題に関するTwitterがオンタイムでアップされる。
・Listen
気になるニュースや音楽や対談などを検索して、聴ける。iLikeとGoogle Friend Connectの機能を活用。
・Go/Do
世界中で起きている出来事やメソジスト教会の活動、ボランティアスタッフ募集中の活動などの情報を地図上で見ることができる。Google Earthを活用。
・Find
郵便番号を入力して、関心分野のチェックボックス(※)にチェックを入れて検索ボタンを押せば、自分が住む地域に関するコンテンツがリストアップされる。
※アドボカシー、ボランティア、アート、キャンピング、子育て支援、災害対策、健康、カウンセリング、趣味など計20のチェックボックスが用意されている。
・Read
5つのカテゴリ(話題トピック、アドバイス、意見、注目トピック、インスピレーション)に分類された記事や報告書や解説を読むことができる。
・Us
メソジスト教会の信念や社会活動、歴史などについて読むことができる。
以前greenzで紹介したNetWits Think Tankに、10thousanddoors関係者へのインタビュー記事を見つけた。
この記事によると、10ThousandDoors は、以下3つの目的を果たすために立ち上げられた。
(1) 18歳から34歳の「デジタル世代」を惹きつける
(2) メソジスト教会のメッセージを世に広め、オンラインベースのコミュニティを築く
(3) メソジスト教会の全活動の拠点をつくる
これらの目的をもとに、何にフォーカスを当てて、何をしたいのか、という具体的なTo Doを挙げていき、ソーシャルメディアのツールを選んでいった。それがこのサイトの成功のカギであるようだ。
10ThousandDoorsのPR動画
10ThousandDoorsが掲げる目的は、なにも教会特有のものではない。同じような目的でソーシャルメディアを活用している団体や個人にとって、10ThousandDoorsのサイトは、デザイン面でも機能面でも、参考になる点が色々ありそうだ。