地震で北海道全域が停電してしまったのはなぜか、これからどうしたらいいのか考えてみた

北海道の震度7の地震、びっくりしましたね。
被害にあわれた方にはお見舞い申し上げます。

東日本大震災以降、大きな災害があるといろいろ情報を集める方に注力してしまって仕事がストップしてしまうことが続いているのですが、今回もそうでした。

今回の場合は、人的被害もそうですが、大規模な停電に驚きました。
でも、少し調べてみると、なるほどなと思ったのです。

火力発電所1つが止まっただけでなぜ北海道全域が停電してしまうのか不思議に思っている人もいるかと思いますので、私なりに、間違いもあると思いますが、わかりやすく説明を試みたいと思います。

「なるほどな」と思ったのは、こちらの記事で阿部力也さんにインタビューしたときに、系統連系についてわかりやすく説明していただいたからでした。

2018年3月20日公開の記事 “「エネルギー」をみんながつくれる社会は、世界の平和もつくってくれる。技術開発でエネルギーの民主化を支える、阿部力也さんが語るエネルギーの未来”

この記事をじっくり読んでいただければ、基本的なところはわかっていただけると思うのですが、ここでも簡単に説明してみたいと思います。

まず基本的な知識として、一つの電力会社の電力系統(今回は北海道電力なので、北海道全体)では全域で系統連系が行われています。系統連系というのは系統につながっているすべての発電所(発電機)が連携して発電量と周波数を調整しているということです。周波数というのは、50ヘルツとか60ヘルツというやつで、すべての電化製品はこの周波数に基づいて設計されています。

なので、電気は周波数が安定して送られる必要がありますが、この周波数を生み出しているのはまず発電を行うタービンで、タービンの回転数で周波数が決まってきます(言い切っていいのかどうか不安ですが、多分そういうことだと思います)。周波数は、送配電網全体で需要が供給を上回ると下がり、供給が需要を上回ると上がるのですが、系統連系のいいところは、他の発電機がそれを吸収してくれて全体の周波数がまたすぐに安定するということなのです。系統全体で需要の変化を吸収して周波数を安定させているわけです。

今回の場合はどうだったのか。苫東厚真発電所は地震発生当時、北海道電力系統のおよそ半分の電力を賄っていたそうです。それが止まってしまったため、需要が供給を大幅に上回りました。そうすると周波数が急速に下がり、他の発電所の調整能力を超えてしまいます。周波数が急激に上がったり下がったりすると発電機や変電機に大きな負荷がかかり壊れてしまう恐れがあるため自動的に停止する設計になっているのです。それですべての発電機が止まってしまったわけです。

わかりましたか?うまく説明できた自信はないですが、苫東厚真発電所に頼りすぎていたために大停電が起きたということはわかってもらえたかと思います。

Photo by Tim Gouw on Unsplash

午後になって砂川発電所が再稼働し、一部が停電から回復しました。系統は変電所などで区切られているので、砂川発電所の発電量でまかなえるエリアだけを区切って給電を行っているのだと思います。詳しく調べていないのでわかりませんが。

今後、苫東厚真発電所以外の発電所が順次復旧していけば、少しずつ回復するエリアが増えていくのだと思います。

このことについて調べながら、どうして北海道電力の電力網はこんなにも脆弱だったのかについても考えました。泊原発が動いていれば…というようなツイートを見かけたりもして、たしかに泊原発が動いていれば今回の大停電はなかっただろうとも思いました。しかし逆に泊原発が緊急停止した場合はどうなるのか、泊原発の出力が苫東厚真発電所より大きいことを考えると、結局全道がブラック・アウトしてしまうのかもしれません。

これを防ぐためには、これも阿部さんから聞いた話から考えたことですが、全道を一つの電力系統で賄うのではなく、大きな系統とつながったたくさんの小さな系統で運営する事が必要なのではないかと思うのです。

たとえば小規模な発電所と数十軒の家からなる系統を作ってそれを主系統とつなぎ、電気が足りないときは融通し合うという仕組みを作れば、大規模な停電は起きないはずです。そして、そのための発電手段を火力、水力だけでなく、太陽光、風力、地熱などを組み合わせることでさらに安定するのではないかと。ある意味自立した電力グリッドをたくさん作ってそれをつなぎあわせることでリスクも分散できるのではないかということです。

そしてそれは、北海道以外でも言えることなのではないでしょうか(ほかは北海道ほど脆弱ではないのかもしれませんが)。

とは言っても、個人では何ができるのか…

私がやったことといえば、窓際のソーラーチャージャーをチェックして、「もう少し大きいモバイルバッテリー買おうかな…」と超小規模な蓄電システムについて検討しただけでしたが。