突然ですが、ウェブ上で何かの会員登録やブログへコメントをする際、ランダムな文字列を入力した経験ってだれでもありますよね?実はあれはスパム対策のためのシステムなのですが、そのスパム対策の仕組みを利用した、画期的な人権啓発キャンペーンが話題を呼んでいます。
今回紹介するのは、スウェーデンの人権保護団体「Civil Rights Defenders」が行った、スパムテストの際に入力するキーワード入力で人権問題の啓発をするという驚きのキャンペーン。
たいてい、スパムチェックに入力するのは歪んだランダムな文字列。しかし、この取り組みでは人権にまつわる質問に答えさせることにしたのです。1つの質問に対して、3つの答えがキーワードとして現れ、正解となるワードを入れるとログインできる仕組みです。
同団体によれば、1日になんと約200万人ものネットユーザーがこのテストを受けたこともあるとのこと。世界中で苦しい状況に置かれている人への認知を上げるのに一役買っている取り組みではないでしょうか。では、具体的にどんな質問があるのか見てみましょう。
例えば、「コソボ市民への拷問は、彼らをどんな状態にさせましたか?」という質問に対し、選択肢には「元気にさせた、いらいらさせた、熱狂させた」の3つの言葉が並びます。さて正解はどれでしょうか?真ん中の「いらいらさせた」ですよね。
他にも「セルビアで初めてゲイプライド・パレードが実施されたとき、当事者たちはどう思ったか?」という質問に対して、「怒った、素晴らしく思った、悲しんだ」の3つが答えとしてあったとしましょう。正解は、真ん中の「素晴らしく思った」です。
このように、人道的な答えを選択しない限り、サイトに進むことができないようになっていて半ばゲリラ的な取り組みとなっています。しかしながら、普段あまり意識して考えない世界中の人権について、ふと考えさせられるきっかけになります。
PCのスパムテストは日常的にあることですが、そこに目をつけ、人権問題の啓発に結び付ける発想は素晴らしいと思いました。気になった方はぜひウェブサイトで試してみて下さい。今回は、人権というシリアスなケースでしたが、ポジティブな単語を記入させたら、また別の取り組みができそうだったり幅広く生かせそうなアイデアです。
[via springwise]