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ローカルな課題はグローバルに解決!地元の小さな図書館を建て直すために、世界中から2,400万円を集めたプロジェクトが進行中

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最近「口パクで歌ったプロポーズ」の動画が世界中で話題となり、改めてYouTubeの影響力の大きさを感じました。

greenz.jpでもこれまで「動画をアップしたら大人気に!」という素敵なストーリーをいくつか紹介してきましたが、今回はムービーを通じて”切実なお願い”をしている人たちをご紹介します。

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彼らが暮らすのは米マサチューセッツ州のシューツベリーという町。ここには1902年に建てられた図書館「M.N. Spear Memorial Library」があり、地元の人たちに100年以上も愛されています。

レトロで素敵な建物ですが、ちょっと小さくも見えます。実際に館内はとても狭く、本を読むスペースは5〜6人でいっぱいになってしまうとか。集中して勉強したり、子どもたちに読み聞かせをしたりする場所もありません。本を探すのも窮屈そうですね。

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さらに、建物が古いがゆえに水道設備が整っていないままでトイレもなく、建て直してほしいという市民の声が高まっていました。

しかし財政が厳しく公共施設への予算が削減されてしまっている昨今、マサチューセッツ州としても、新館建設のために必要な350万ドルのうち出せる予算は210万ドルまで。そこで残りの140万ドル(日本円にしておよそ1億1200万円!)は自分たちで用意しなければならなくなったのです。それも2012年6月30日(今月末ですね)までの半年間という期限つき。

地元の人たちだけでお金を出し合っても、当然ながら足りません。そこでソーシャルメディアを利用して、寄付を募ることになりました。その一つが、「Where would you be without your library?」と題した動画で、図書館に必要なものや改善したいことを書いた紙を掲げるという、とてもシンプルでステキな作品です。

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history

YouTubeにアップされるやいないや一ヶ月弱で35,000回も再生され、アメリカだけでなくカナダ、オーストラリア、シンガポール、ケニヤ、ヨーロッパなど世界中から寄付が殺到。ファンドレイジングのサイトによると、6月20日の時点で24万ドル(約2,000万円)集まっているようです。

目標金額まではまだまだ足りませんが、それでも地元の小さな図書館を建て直すために世界中から2000万円も集まるなんてすごいですね! ローカルな問題を国境を越えてグローバルに解決できることはインターネットならではといえるでしょう。

greenz.jpでも以前「被災地の空っぽの図書室を本でいっぱいにしたい。クラウドファンド「Readyfor?」で、一瞬で200万円を集めたプロジェクト!」を紹介しましたが、クラウドファンディングは新しい時代のお金の流れを着実に切り拓いているように見えます。

本国アメリカでも「KickStarter」と並ぶ「RocketHub」が政府と公式に連携するなど、税金を再分配する政治のモデルそのものも変わっていくのかもしれません。

いずれにせよ6月30日までにお金は集まるのか、その後はいったいどうなるのか、図書館の行方をまた報告していきたいと思います。続編をお楽しみに!

(Text:木村絵里)
[via GOOD]

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