城南信用金庫が、自社のホームページで「原発に頼らない安心できる社会へ」という宣言文書を公開しました。
東京都品川区に本店を置き、東京都港区青山から神奈川県厚木市にかけて営業活動を行っている金融機関、城南信用金庫が、東京電力福島第一原子力発電所の事故、そしてそれを管理している政府機関、企業体が万全の体制をとっていなかったことが明確になってきていることを受け、城南信用金庫としてのスタンスを明確に打ち出しました。
メーカーや、電力会社などではなく、金融機関がこのようなメッセージを打ち出したのは注目すべきことだと思います。
以下がサイト上で公開した資料内の文章です。
原発に頼らない安心できる社会へ
城 南 信 用 金 庫東京電力福島第一原子力発電所の事故は、我が国の未来に重大な影響を与えています。今回の事故を通じて、原子力エネルギーは、私達に明るい未来を与えてくれるものではなく、一歩間違えば取り返しのつかない危険性を持っていること、さらに、残念ながらそれを管理する政府機関も企業体も、万全の体制をとっていなかったことが明確になりつつあります。
こうした中で、私達は、原子力エネルギーに依存することはあまりにも危険性が大き過ぎるということを学びました。私達が地域金融機関として、今できることはささやかではありますが、省電力、省エネルギー、そして代替エネルギーの開発利用に少しでも貢献することではないかと考えます。
そのため、今後、私達は以下のような省電力と省エネルギーのための様々な取組みに努めるとともに、金融を通じて地域の皆様の省
電力、省エネルギーのための設備投資を積極的に支援、推進してまいります。① 徹底した節電運動の実施
② 冷暖房の設定温度の見直し
③ 省電力型設備の導入
④ 断熱工事の施工
⑤ 緑化工事の推進
⑥ ソーラーパネルの設置
⑦ LED照明への切り替え
⑧ 燃料電池の導入
⑨ 自家発電装置の購入
⑩ その他以 上
本文はこちら
自らにとって大事なものがなんなのか、どんな未来が望むのか。それによってどんなエネルギーを選ぶかは変わってくると思います。城南信用金庫は、原発は危険だと判断し、住民の人たちが原発に頼らなくても済むようにすることが大事だと考え、必要なエネルギーを下げ、エネルギーを作り出す動きを支援する方向にシフトしていくことを宣言しました。
自分たちにとって大事なことが何で、どんな未来を目指すのか、ということは、ほかの企業だけでなく、国や一人ひとりの市民に問われていることで、しっかりと考え、決めていかなくてはいけないことだと思います。それを決めたら、今とるべきアクションが見えてくるはずです。
城南信用金庫は先陣をきってスタンスを決定し、取るべきアクションを示しました。
とはいえ、城南信用金庫の宣言も、まだ時期的なものや、具体的なアクションについては明言されていません。この宣言された方向に進むのを応援するのも、妨げるのも私たち次第なのではないでしょうか。
今回の城南信用金庫の宣言は、”自分自身のスタンス”についても考えるきっかけのひとつ。大事なものは何か、どんな未来を望むのか、考えてみるのはいかがでしょうか。