ハウスシェアリング、カーシェアリングなど、様々なものが「シェアリング」され始めて久しいが、いよいよ、タクシーもシェアリングの時代になるかもしれない。
そんなことを予感させるウェブツールのひとつ、世界中でタクシーの相乗り相手を探せるウェブサイト「CabEasy」について、ご紹介しよう。
「CabEasy」は、2008年9月、米ビジネスマンLaurent Kretzがサイドビジネスとしてスタートさせた。海外出張が多かった彼は、ニューヨークのジョン・F・ケネディ国際空港からイーストビレッジの自宅まで頻繁にタクシーを利用していたが、金銭的な節約のため、タクシーの相乗り相手を探したいと考えるようになった。そこで立ち上げたのが、オンラインで相乗り相手を探せるマッチングサイト「CabEasy」。
以下のスクリーンショット動画のとおり、「CabEasy」の仕組みは極めてシンプルだ。相乗り情報を検索し、条件に合ったものがあればこのサイトを通じて相手と連絡を取ることができる。希望条件に合ったデータがない場合は、乗車場所・降車場所・乗車予定日時などをサイトに登録することも可能。このサービスは無料で、サービス利用のためのユーザ登録も不要。誰でも気軽に使えるのも魅力だ。現在は、ニューヨーク、ロサンゼルス、パリ、ロンドン等6都市の登録データしかないが、システム上は、世界中どの場所でも、相乗り希望データを登録することができる。
もちろん、タクシーのシェアリングは、個人のお財布に優しい。ジョン・F・ケネディ国際空港からニューヨーク市内のタクシー代は通常50米ドル(約5,000円)から70米ドル(約7,000円)となかなか高価。「CabEasy」などのサービスを活用して、タクシーのシェアリングを進めればお金の節約になる。
また、タクシーのシェアリングは、環境負荷の軽減にもつながる。たとえば、ニューヨーク市役所の統計によると、ニューヨーク市のタクシー台数は13,000台。年間延べ2億5000万人が利用し、総走行距離は8億マイル(約16.8億km)に及ぶそうだ。タクシーのシェアリングにより交通量を減らすことで、大気汚染や騒音軽減に役立ち、渋滞緩和にもつながることが期待される。
エリアごとの条件検索ができないなど、ユーザビリティなどの観点からいくつか今後への課題はあるものの、「CabEasy」は、環境とお財布を気遣いつつタクシーを使う新しい方法として、具体的な解決策のひとつを示しているものといえるだろう。
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