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水中でヒトが暮らす未来って?「Sub Biosphere 2」から考えてみよう

greenz/グリーンズSub-Biosphere1

地球温暖化などの影響により、地球の海面が上昇しつつあります。もちろんこれを食い止める努力をし続けることは不可欠ですが、将来、ヒトが水の上で生活したり、食糧を水中で栽培する時代がやって来るかも…。そのシミュレーションのひとつが「Sub Biosphere 2」です。

イギリスを拠点に活動するデザイナーPhil Pauleyさんは、動植物が生息できる水中空間「Sub Biosphere 2」を設計しました。9つの潜水球で構成されたこの空間が、クルクルと回りながら、レールづたいに水の中を上下するというSFチックな様子を、以下の動画でまずはご覧ください。

真ん中にある大きな球体には、空気・水・電気といった生命に必要なシステムを維持する設備を導入。水深によって様々に変化する気圧をコントロールしながら、「Sub Biosphere 2」全体が生息環境として機能するように制御します。

greenz/グリーンズSub-Biosphere2

一方、この球体を囲む8つの球体は、ヒトの住空間や作物の栽培に充てられるそう。以下の画像のように、水中に沈み、辺り一面が暗闇になったとき、人々はどんな生活の中で、何を感じるのでしょう?

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「Sub Biosphere 2」と似たタイプの人工空間としては、1980年代後半に建設された米アリゾナ州の「Biosphere 2」も広く知られています。クローズドな環境システムを実装したこの空間では、有機栽培の実験や気候変動の研究など、長年の取り組みから様々な成果が生み出されましたが、一方で、このような一般社会から孤立した空間で生活することが、ヒトに心理的な悪影響を及ぼすという点も指摘されてきました。「Sub Biosphere 2」をヒトの居住空間として実用化する際には、身体の健康維持や安全を確保するのはもちろんこと、精神面への影響を十分に検証しておく必要があるでしょう。

greenz.jpの記事「どうなる、どうする!?建築家たちが2050年のオーストラリアを大予言」でも採りあげたとおり、オーストラリアの2050年予想図でも、以下の「Aquatown」のような水上都市が描かれていました。森林破壊や砂漠化など、陸上で起こっている環境問題に比べ、海面上昇はいまひとつ目を向けられていない感がありますが、この問題は、伊ベネチアなどの海抜が低い都市やオセアニア地域などの島国のみならず、東京やオランダなどのように、海岸沿いに「海抜ゼロメートル地帯」を持つ国や都市にとっても、対処すべき重要なテーマです。

Aquatown by NH architecture with Andrew Mackenzie

Aquatown by NH architecture with Andrew Mackenzie

「Sub Biosphere 2」のようなシミュレーションをヒントに、30年先、50年先という長期のスパンで「ヒトと海がどのように共生していくべきなのか?」をちょっと考えてみませんか?

人工クローズドエコシステム「Biosphere 2」について調べてみよう。