1/20開催!「人口減少社会」から革新的なビジネスモデルを生み出す

greenz people ロゴ

「隊員と町民の幸せのために、私たちは協力隊を募集する」。福島県磐梯町の町長が語る、地域おこし協力隊への敬意と情熱 #求人

[sponsored by 福島県磐梯町]

募集の詳細は記事末をご覧ください。

「地域おこし協力隊って、もしかしたら自分の幸せを求めている人なんじゃないかな。『将来何になろう』とか『やりたいことを見つけたい』とか、人それぞれ将来への思いを抱えているよね。その糸口を見つけに、都会ではない環境でチャレンジしてみたいという人たちが来るんだと思うんです」

福島県磐梯町(ばんだいまち)佐藤淳一(さとう・じゅんいち)町長は、こう話します。

磐梯町は、冬になると雪に覆われる雪深いまちです。そんな磐梯町の地域おこし協力隊は、自分らしさを追求しながらいきいきと活動しています。

なぜなら、まちも町長も地域おこし協力隊の「幸せ」を本気で望んでいるから。町長は「この町をフィールドに、やりたいことにどんどんチャレンジしてほしい」と話します。

そんな磐梯町で今回募集するのが、3職種の地域おこし協力隊。それぞれ「地域で人材派遣業を行う組織の立ち上げ」と「鳥獣害対策」、「農業振興公社での営農・就農のサポート」に取り組む方です。

それにしても、「個人が幸せに生きること」と「まちが元気になること」はどうつながるのでしょうか? その答えを探しに、町長に会いに行きました。

磐梯町をフィールドに、目をキラキラさせてくれればいい

磐梯町は、福島県の会津地方に位置する人口約3,300人の小さなまちです。磐梯山、猫魔ヶ岳、厩岳山などの山々の裾野に広がり、町土の約70%が森林。雪解け水が豊富で「名水のまち」とも呼ばれています。

とくに町のシンボルとして親しまれる磐梯山は、雄大な美しさに息をのむほど。ゆたかな自然をいかしたアウトドアも盛んで、水辺のアクティビティやウィンタースポーツを楽しむために国内外から年間数十万人が訪れています。

11月後半に訪れたこの日は、磐梯山の頂上にうっすらと雪化粧が。冬のはじまりを告げてくれているようでした

 

いまや、全国どこでも人口減少や少子高齢化が進んでいて、磐梯町も例外ではありません。この課題を解決するために、地域おこし協力隊を募集するのかと思いきや、町長からは意外な言葉が飛び出しました。

2019年に初当選した佐藤町長。役場の職員さんが「このまちの宝です」と誇らしげに言うほど人望があり、かくいう取材陣もその人柄に魅了されてしまいました

佐藤町長 僕はね、地域おこし協力隊で来てくれた方たちに、「任期が終わったあとは、ここに住み続けなくてもいいよ」って言っているんです。

もちろん住み続けてくれたらうれしいですけどね。もしそうならなくても、この町を成長するためのフィールドにして、目をキラキラさせてくれたらいいんです。そうやって楽しそうにしてる人が増えたら、町の人たちだってみんな楽しくなるじゃないですか。

さらに町長は「地域おこし協力隊の方には、あまり期待していません」とにこにこ。なんだか頭が混乱してきました(笑)“期待していない”の真意にせまるべく、さらに町長の話を聞き進めました。

町民全員を幸せにすることが、ミッション

佐藤町長 磐梯町が掲げるビジョンは「自分たちの子や孫が暮らし続けたくなるまちづくり」です。このまちで生まれ育った子どもたちに、「ここが好き」「帰りたい」と思ってもらえるようなまちでありたいと思っています。

それを実現するためには、町民一人ひとりがこのまちで幸せに暮らすことが大前提。だからぼくの使命は、「町民全員を幸せにする」ことなんです。

「幸せ」の定義は人それぞれです。身近な人を幸せにすることだけでも簡単ではないのに、町民全員とは……。町長の並々ならぬ覚悟が見えたような気がしました。

佐藤町長 人口約3,300人という小さなまちだからこそ、一人ひとりに寄り添って幸せの形に合わせたまちづくりができるのがこのまちの強みだと思うんです。磐梯町では「共創協働のまちづくり」って呼んでいるんですが、トップダウンではなく、みんなでまちの未来を考えていくことを目指しているんです。

そのために、磐梯町では多様な人材がまちと関わってくれることを望んでいます。ただ「地域おこし協力隊の存在を、単なる人手不足の解消や課題解決のためのプレイヤーとして捉えていない」と町長は言います。協力隊自身が幸せになる糸口を、このまちで掴んでほしいというのです。

このまちを好きになってくれたら、それでいい

「だから期待していないの。だって期待しちゃったら、お互いが苦しくなるだけでしょう」

町長の「期待していない」という言葉の裏側には、「隊員一人ひとりの可能性が引き出され、この町でやりたいことを実現してほしい」という深い想いが込められていました。

夕暮れが近づいてきたころ、茜色に染まる磐梯山を見るために、佐藤町長と地域おこし協力隊の斎藤さん、細井さんと一緒に歩きました

佐藤町長 自分のやりたいことを探したり、チャレンジしたいと思っている彼らに、まちが重荷を背負わせてしまったら締め付けてしまうことになるでしょう。

では、どんなことを協力隊に望んでいるのでしょう? この問いに、町長は「ここで楽しく生活してくれること」「このまちを好きになってくれること」だと、にこにこしながら答えてくれました。

おもわず「それだけでいいんですか……!?」と口に出しそうになるのをグッとこらえて話を聞くと、町長の思いが見えてきました。

佐藤町長 ちまたでは地域と多様な関わり方をする「関係人口」という言葉をよく耳にするようになりましたが、磐梯町では「愛着人口」を大切にしています。このまちを好きになってくれる人、まちの温もりを感じて大切に思ってくれる人がひとりでも増えてくれることを願っているんです。

任期を終えて、もちろん定住してくれたらうれしいですが、町に縛り付けるつもりはありません。ここでの経験をもとに、次のステップに進んだり、人生の通過点としてこのまちを活用してくれればいいんです。そうすると、きっとどこかで「磐梯町っていいまちだよ!」と誰かに広めてくれる、愛着人口になってくれるはずですから。

地域おこし協力隊は、それぞれに役割がありますが、まずはまちの暮らしを楽しむことが大前提。特別なスキルや何かがないと応募できないと尻込みしている人にも、やわらかな入り口を用意してくれています。

実際に今まで活動してきた協力隊のなかには、任期中に美大へ進学するという夢を見つけて県外へ進学した人、堆肥作りを学ぶために定期的に県外へ赴き研修を受けている人など、さまざまな人がいるそう。いずれの人も、まちの人たちにも応援されていて、任期後もよい関係が続いているといいます。

個人の成長や幸せを重視することで、結果としてまちの活性化や変革につながっている磐梯町。
今回募集するのは、「地域で人材派遣業を行う組織の立ち上げ」、「鳥獣害対策」、「農業振興公社での営農・就農のサポート」というバラエティに富む3つの職種です。

それでは、実際に現在磐梯町で活動中の協力隊の方たちは、どのように活動しているのでしょうか。

ライフイベントをきっかけに、働き方も柔軟に変化

福島県二本松市出身の斎藤拓哉(さいとう・たくや)さんは、2021年4月から磐梯町の地域おこし協力隊に着任しました。コロナ期間の特例による任期延長で4年目を迎える、いわばベテランです。

空き家対策と移住定住支援業務を担当している斎藤さんですが、着任前は会津若松市でゲストハウスと古道具店を個人事業として営んでいたそうです。

斎藤さん 着任前は、個人事業をしながら大学の事務員を兼務していました。当時予定していたゲストハウスの事業拡大が中止になり、さらに職員の任期が終了するタイミングが重なったこともあって、何か新しいことに挑戦したいと思ったんです。そんなとき、妻が見つけてきてくれたのが磐梯町の協力隊募集でした。空き家対策なら、ゲストハウス運営の知見をいかせると思って応募しました。

斎藤さんは、ゲストハウスと古道具店の運営を継続しながら地域おこし協力隊となり、自身のスキルをいかして空き家対策をおこなってきました。空き家の相談窓口「ばんだいナンデモ交流拠点 ”未日常”」を開設し、空き家バンクの物件相談や移住の相談を受け付けています。

約築50年の空き家を活用した「ばんだいナンデモ交流拠点 ”未日常”」(提供:斎藤さん)

空き家相談窓口とコミュニティスペースとして週2回開館している(提供:斎藤さん)

”未日常”はまちにとって空き家対策以上の居場所にもなっているようです。町民が気軽に立ち寄れるスペースもあり、DIY教室やまちの暮らしを自分たちの手で楽しくする方法を考えるワークショップ「オープンカフェ」といったイベントなども開催しています。

コミュニケーションが活性化されたことによって、着任当時、空き家バンクの登録数が1件だったのが、今や15件にまでに増えました。斎藤さんは、今まで空き家をどう活用すればいいかわからなかったまちの人と、このまちで暮らしてみたいという人をつなぐ大切な役割を担っています。

斎藤さんにとっての大きな変化は、任期中に結婚、住宅購入、お子さんの誕生と、目まぐるしくライフイベントがあったことだそうです。それにともない、柔軟な働き方を選択しました。

斎藤さん 地域おこし協力隊には、自治体と雇用契約がある「任用型」と雇用契約がない「委託型」の二種類があるんですが、僕は4年目からは委託型に切り替えて、子育てを重視した働き方に変えました。

今は16時半には退勤して、17時には子どもをお風呂に入れ、ごはんを食べ、20時半には寝かしつけをする生活を妻と二人で頑張っています。育休も2ヶ月半取ることができました。地域の人たちも移住者の僕たちに対してウェルカムな雰囲気だったので、すごく助けられましたね。子どもが生まれたら「地域の宝だ!」ってすごく喜んでくれて(笑)

そんな斎藤さんは、協力隊の任期終了を4ヶ月後に控えています。その後はまちに残る予定で、空き家・移住定住関連の事業を法人として展開することを検討しているそうです。

斎藤さんに「この4年間を振り返っていかがですか?」と質問すると、こんな答えが返ってきました。

斎藤さん 来てよかったなって思いますね。当時はまだ、磐梯町の協力隊は珍しい存在だったので、当時の協力隊みんなで役場職員やまちの人たちとのコミュニケーションは意識してやり続けました。その結果、「すごく受け入れてくれるまちなんだ」ということを実感したし、協力隊の仲間も今や18人まで増えました。これからもまちと連携して、やりたいことにチャレンジしていきたいです。

山と生きること、命と向き合うことで、楽に生きられるようになった

着任2年目の細井航(ほそい・こう)さんにも話を伺いました。

細井さんは、東京都東久留米市の出身。現在、鳥獣害対策の業務を担っています。そんな細井さんは、「動物が好きでありながら肉を食べる」という矛盾に悩み続けていたといいます。

細井さん 子どものころから動物が好きで、一時期は肉を食べることを控えていました。だけど、根本的な解決にはならなくて 「最低限、自分で食べる肉は自分で獲れるようになりたい」という思いが生まれたんです。そこで狩猟の技術を身につけられる場所を探していたときに、ネットでたまたま見つけたのが磐梯町の地域おこし協力隊の募集でした。

動物が好きな私もうっすらと感じつつ、目を背けている矛盾。そこに真摯に向き合い続けた細井さんが出した答えが、“自分で獲る”という選択でした。磐梯町に導かれるようにやってきた細井さんは、山と生きること、命と向き合うことで、楽に生きられるようになったといいます。

細井さん 最近は野生動物による農作物の被害が全国的に深刻なため、狩猟=鳥獣害対策といった文脈で語られることが多いですが、本来、狩猟は各地で脈々と続いてきた伝統文化としての側面があります。まちの猟師さんは、狩猟以外にも自然の中から食べ物を採ってくるのが好きな人たちで、私自身もそんな生活におもしろさを感じています。

農作物の被害などにより、野生動物を目の敵にしてしまいがちな現代ですが、山の中で、ときに獲物、ときに山菜や木の実を奪い合うライバルとして彼らと関われることは幸せなことだと思いますね。

細井さんは、狩猟のほかにイタリア野菜を育てて出荷したり、レザークラフトの制作・販売をおこなうなど、自然と生きる暮らしを体現しています。

細井さん 東京から移住して1年半が経ちますけど、いまだにまちの景色の美しさにハッとする瞬間が何度もあるんですよ。自然環境の厳しさを感じるよりも、心を動かされることの方が多いです。

「期待していない」のは、協力隊を「信じている」から

「地域おこし協力隊」とひとことで言っても、全く別の個性を持ったおふたり。それぞれが、自分の道を自分の足でしっかり生きていることが印象的でした。そんな彼らから、地域おこし協力隊になることを検討している人へメッセージをもらいました。

斎藤さん 地域おこし協力隊を目指すなら、自分のやりたいことや、どんな生活をしたいのかを明確にしてから来ることをおすすめします。ミッションを見て選ぶのもひとつの方法ですし、自分の将来のビジョンに合ったまちを選ぶのもいいでしょう。新しい環境に飛び込むのは覚悟が必要だけど、やりたいことがある程度明確なら、きっと楽しい未来が待っているはずです。

細井さん 鳥獣害対策の仕事については、動物が好きなだけでは務まりません。命を絶つということもある厳しい仕事なので、なぜやりたいのか、その理由をしっかり持つことが大切だと思います。その上で、協力隊の制度を利用すると、まちにすんなり溶け込むことができると思います。

取材のこの日は、茜色に染まる磐梯山を見るために町長と斎藤さん、細井さんがビューポイントの磐梯中学校校庭まで案内してくれました。「最近どうなの?」「このまえ◯◯さんと会いましたよ」と、町長と垣根なくフランクに話している様子から、風通しがよく軽やかな関係がうかがえます。この距離感で話せるからこそ、町長は一人ひとりの想いを汲み取ることができるのでしょう。

「地域おこし協力隊が楽しく暮らしてくれることがいちばん」というまちだからこそ、磐梯町の地域おこし協力隊となる方は本来の自分の強みや想いをいかして、自分らしく生きれるのかもしれません。

町長の「期待していない」の言葉の裏には「信じている」が隠されているような気がしました。それぞれが自分の幸せを追求して生きることが、いつか町の活力にもなると信じているのです。

もしあなたが「何か新しいことを始めたい」「自分らしい生き方を探したい」「幸せになりたい」という思いを抱えているのなら、磐梯町を訪れてみませんか? このまちの人たちが、にこにこしながらあなたを温かくサポートしてくれるはずです。

(編集・撮影:山中散歩)

[sponsored by 福島県磐梯町]


磐梯町の協力隊募集については、以下をご覧ください。

特定地域づくり事業共同組合の事務局
鳥獣害対策
農業振興公社

– INFORMATION –

1/16(木)、「“地域の新しい働き方”をつくる仕事」をテーマにした
オンライントークイベント兼説明会を開催します!

今回の求人に興味がある方はもちろん、
テーマに関心がある方は、
ぜひお気軽にご参加ください。
(イベント後には、任意参加の簡単な採用説明会も予定しています。)
なお、当日参加が難しい方はアーカイブ動画の視聴も可能です。

イベントに参加する