道端や空き地、川沿いやアスファルトの隙間からモサモサっと顔を出す。ただの雑草と気にも留めていなかったそれは、実は古来から人々を支えてきたスーパー万能な薬草、ヨモギかもしれません。
血流を促進し、ビタミンEとタンニン類が抗酸化作用を発揮。肌荒れを防いだり、老廃物を排出したり、細胞の老化を防ぐ機能性でも知られています。また特に香りがいい春のヨモギは天ぷらやお茶、草餅といった食用としてもおなじみです。
万能と言われているだけあってヨモギの活用方法は無限にありますが、今回はヨモギの成分を抽出したオイルをつくってみましょう。保湿、虫刺され、やけど等、“自分の薬”を自分でつくれることは、じわじわと自尊感情を育むことにつながっていきます。
(※注:ヨモギはキク科植物です。キク科植物アレルギーがある方は症状を誘発する可能性があるので残念ながらおすすめできません)
ヨモギオイルのつくり方
まずはヨモギ摘み。農薬など使われていないことがわかるきれいな場所から、元気な上の方の葉を摘みます。ヨモギの葉っぱと好みのオイルが用意できたら、つくり方自体はいたってシンプルです。
1. ヨモギを洗って乾かす
2. 土鍋で煮出す
ヨモギの成分を抽出してオイルに移すために、30分ほど極弱火で煮出します。必ず、火をつける前、冷たい状態の土鍋にヨモギの葉とオイルを入れて、葉をぜんぶ浸しながら火をつけます。オイルの温度が上がりすぎないよう、菜箸でほぐしたり返したりしながら、ゆっくり煮出します。
3. ヨモギの葉を濾す
十分に煮出せたら火を止めてコンロから下ろし、ヨモギの葉を漉します。(土鍋の余熱があるので数分は箸でかき混ぜたりすると良い)。
漉し方は、さらし布などを敷いたザルとボウルの上からザザーッと一気に濾すことも止めはしませんが、少量でない限り、かなり難易度が高いです。「せっかくのヨモギオイルを一滴もこぼしたくない」という私のような方には、葉っぱを少しずつ絞りながら先に取り出す方法がおすすめです。
おおかたヨモギの葉をザルへ移し終えたら、残りのオイルは目の細かい漉し器を使って漉します。
絞り終えたヨモギの葉は、さらしに包んだまま体に塗ったり、バスオイルのように使ってからコンポストへ。もしも、太白ごま油など食用オイルを使った場合は、絞った後で焼いたり炒めたりして食べることも可能です。
4. ヨモギオイルを保存したら完成
保存瓶として、元のボトルに戻すのがおすすめです。
ヨモギオイルの活用
・保湿用オイルとして肌や髪に塗る
・マッサージオイルとして使う
・日焼けや軽いやけどの際、肌を鎮静させる
アレンジとして、ミツロウを加えればヨモギオイルのバーム(クリーム)に変身します。携帯に便利。