フランスエコビッレジ“La Lunette”の哲学
クリエイティブなことがしたい!と切望していた友人のアンネ。さて、彼女はその想いを叶えることができたのだろうか。
友人のアンネは、La Lunetteでの生活が合っているようだった。私がスイスに行ってから、おなじくLa Lunetteをあとにした彼女から私のもとに手紙が届いた。
La Lunetteのメンバーはいつも必要なだけ私に時間をくれた。私は何をするにも慎重で時間がかかるタイプだから、彼らのそういう態度にとても感動した。また、ある日、メンバーの一人に、エコビレッジでの仕事と引き換えとはいえ、どうして自分の働いたお金を払ってまでボランティアを3人も泊めてくれるのか、と尋ねた。すると、彼女はこう言った。「私の関心は、どこからかやって来て、またどこかへ行ってしまう人たちと、すべてを共有すること。だって、彼らはいつだって新しいアイデアを私に与えてくれるし、私も、私自身の知識や能力を彼らと共有したいから。私は若くはないし、そういう知識や能力を、どこかへ運んでくれる若い人たちに譲りたいのよ。だから、誰かにまわりにいてほしいと思う。知識や能力を自分自身のためだけに抱え込んだり、利用したり、また、すべての人を競争相手や敵と見なすのではなく、“共有する”、ということはとても大事なことなの」
「自由に、流れるがままに」
これが私がLa Lunetteで学んだ哲学。この場所とここに住む人々のおかげで、私はすごく成長した。本当にたくさんのものをもらった。能力、知識、気持ち、経験、すばらしい思い出たち……。
私がエコビレッジの旅を終え、日本に帰国した後、アンネから小包が届いた。中には、La Lunetteで習ったと思われる、手作りのドリームキャッチャー(インディアンの間で作られる伝統的なお守りの一種)、アームウォーム、オリジナルCDが入っていた。ECOlonieにいた頃から、「エコビレッジを巡り、自分の能力を磨きたい」「クリエイティブになりたい」と話していた彼女。何もかもが自由なLa Lunetteで、こんなに素敵に成長した彼女は、本当にクリエイティブな人なんだと思う。