いきなりですが、やはり最近の世界的な株安は気になりますね。ちょうど今ニューヨークにいますが、ウォールストリートのニューヨーク証券取引所の前では、日々レポーターが現場から動向を報告しています。オバマvsマケインの大統領選挙も含めて、グリーンかブラックか、どっちのアメリカを選ぶのか、歴史的な瞬間に居合わせていることをひしひしと感じる今日この頃です。(もちろん極端な単純化はできませんが)
折りしも、greenz.jpのロールモデルのひとつであるGOOD inc.が、満を持して最新号からビジネス特集を始めました。これは、B Corporationという企業の社会性を認証する機関との共働プロジェクトです。
現場から乖離したレバレッジ型金融モデルの経済から、ローカルな舞台で地道に続けることで社会的インパクトをレバレッジする時代へ。戦争も何もかもプラスにカウントしてしまうGDPとは違う指標で評価するネクストエコノミーが近いのは間違いないでしょう。
というわけで、今年のBioneersでも新しいビジネスのあり方はひとつの柱となっています。新しい仕事で新しい価値を生み出すということは、モノやサービスを購入する生活者の中に新しい価値観が生まれるってこと。”グリーンカラージョブ” “スローマネー” “グリーンMBA”、、ビジョナリーの言葉から、確かなヒントを感じて帰りたいと思ってます。
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■10/17 2:45-4:15pm
「環境分野でのブレイクスルーを実現する、画期的なビジネスイノベーション」★
“Leveraging Business Innovations for Environmental Breakthroughs”
w/ Matt Petersen (Global Green USA), Ray Anderson (Interface’s founder), Erin Meezan (Interface’s director of sustainable development), Jack Hidary (XPrize / Freedom Prize)
「画期的なビジネスイノベーション」をテーマに、インターフェース社のレイ・アンダーソン氏が登場!自身も企業家のジャック・ヒダリー氏が主宰するFreedom Prizeは、「石油に依存しない社会」の提案に対して賞金総額400万ドル(4億円)を提供するというもの。greenzでも以前取り上げたXprizeにも関わっているようですが、新しいビジネスの創出を目指した桁違いのアワードが、世界中の企業家/発明家を鼓舞して、新しいお金の流れがソーシャルベンチャーを底上げしているのでしょう。そのダイナミズムを実感できれば!
■10/18 4:30-6:00pm
「グリーン・フォー・オール:グリーンカラージョブのビジョンと実践」★
“Green for All: The Vision and Practical Progress of Green-Collar Jobs”
w/ Nikki Henderson(Green for All), Bracken Hendricks(Center for American Progress / Apollo Alliance), Michele McGeoy(Solar Richmond), Ian Kim(Green-Collar Jobs Campaign )
A new organization founded by Van Jones, Green for All is helping build a green economy strong enough to lift people out of poverty. Leaders of this vitally important initiative share their visions, progress and strategies.
(拙訳)ヴァン・ジョーンズが設立したGreen for Allは、貧困から抜け出すためのグリーンエコノミーの創出を目指している。この重要なイニシアチブのリーダーの話を聞いて、ビジョンと実践、戦略を共有しよう。
Green for allのファウンダーであるヴァン・ジョーンズが昨年バイオニアーズで講演して以降、大きなムーヴメントとして定着したのが、greenzも大注目している「グリーン・カラー・ジョブ」でしょう。今年は、あのアル・ゴア氏の元秘書でクリーンエナジーの雇用を生み出す活動をしているブラッケン・ヘンドリクス氏、実際に太陽光パネルの設置などを事業化しているSolar Richmondのミシェル・マジョイ氏、そしてグリーンカラー運動を広めているイアン・キム氏と様々な角度からゲストが登場。新しいキーワードである”グリーンカラー”の定義を改めて確認できるといいですね。
「アショカの社会企業家たち:サステナブル・レジリアンスを目指して」
“Ashoka Social Entrepreneurs: Advancing Sustainable Resilience”
w/ Dune Lankard(Cultural Conservation Initiative), Bruce Cahan(Urban Logic, Inc), Ritu Primlani(Thimmakka’s Resources for Environmental Education), Harry Wiland(Media and Policy Center Foundation)
Ashoka finds and nurtures creative and talented social entrepreneurs around the world and provides them with tools, resources and connections to advance their causes and duplicate their successes. Four Ashoka Fellows discuss taking environmentalism to the next level of of ‘sustainable resiliency®’ (Urban Logic’s methodology for benchmarking regionalsustainability and resiliency)
(拙訳)アショカ財団は、クリエイティブで才能溢れる世界中の社会企業家に対して、問題を解決し成功に導くためのツールやリソース、コネクションを提供している。今回は4人のアショカフェローが登場し、”環境主義”から”サステナブル・レジリエンシー®”(地域の持続可能性とレジリエンスを評価するUrban Logicのメソッド)へのステップアップについて議論します。
アショカ財団は言わずと知れた社会起業家の支援団体!greenz編集長も以前ソトコトでインタビューしましたが、アショカ・ジャパンの設立も進んでいるようで楽しみです。テーマにあるレジリアンスは丸の内地球環境倶楽部での竹村真一さんのセミナー地球大学でも、よく出てくるキーワード。直訳すると弾力性、竹村さんは「しなやかな強さ」と訳していましたが、多様性を担保するために必要な考え方のようです。それをフレームワーク化したUrban Logicの「サステナブル・レジリエンシー®」とは何なのか、とても興味を持っています。
■10/19 2:45-4:15pm
「サステナブルMBAプログラム:もっとグッドなビジネスへ」★
“Sustainable MBA Programs: Changing Business for Good”
w/ Richard Heinberg(author/educator), Gifford Pinchot III(Bainbridge Graduate Institute), Steven Swig(Presidio World College), John Stayton(Dominican University of California) + 生徒たち
One way to green business is to re-design MBA programs. Join the founders and students of three leading-edge green business MBA programs to explore the role green entrepreneurship will play in building new types of enterprises with triple bottom lines—economically successful, socially responsible and environmentally sustainable.
(拙訳)グリーンデザインを実現するひとつの方法が、MBAをリデザインすることです。世界を代表する3つのグリーンMBAのファウンダーの話を聞いて、経済的にも社会的にも、そして環境的にも成功する新しい起業のあり方やグリーンなアントレプレナーシップを学ぼう。
ずっとハーバードビジネスレビューが大好きで、テーマが気になると読みふけるのですが、最近はワークライフバランスや仕事のジレンマを克服するフレームワークなど、精神面でのマネジメントについての記事が増えてきたように感じてます。(といっても、当たり前じゃない?って思うことも多いのですが。。)とにかく現在の経済と精神の病は表裏一体ですよね。だからこそビジネススクールが変われば、世界が変わる!ということで、どれも聞いたことのなかった大学ですが、どんな内容の授業を行っているのか、生徒の方も参加されるとのことなので、学問のフィロソフィを体感したいと思ってます。
■10/19 4:30-6:00pm
「スローマネーを目指そう:ペイシャントな資本とローカルエコノミー」
“Follow the Slow Money: Patient Capital & Local Living Economies”
w/ Michael Shuman(economist/author), Woody Tasch(Investors’ Circle), Don Shaffer(RSF Social Finance)
How do we birth creative new forms of finance, business and social enterprise that engender prosperity while nourishing communities’ social fabric, individual and family lives, and the Earth? It has to start at the local level.
(拙訳)コミュニティも、個人や家族も、そして地球も豊かにするような、新しい金融、ビジネス、社会的起業をどうやったら生み出せるのか?それはローカルレベルから始まります。
ペイシャント=(我慢強い、寛容な)な資本っていいキーワード!四半期のバランスシートに目くじらを立てるような短い視野から、本当の価値を見つめるロングタームな支援へ、時代の大きなシフトのひとつと言えるでしょう。ちょうど行きの飛行機で原丈人氏の『国富論』を読んでいたので、個人的な関心も大きいです。ベンチャーキャピタル(原さん的に言えばリスクキャピタル)の話題はほとんど避けてきた分野ですが、greenz.jpやビオピオの次のステップのために(あくまでグッドな)お金の流れはとても重要なこと。ということで、イチから勉強です!
Bioneersもいよいよあさって開幕!紹介記事も、いよいよもう一本で最後です。次回は、アートとデザインやグリーンジャーナリズム、クリーンテクノロジーから民主主義まで、まだまだ続く興味深いテーマをピックアップしたいと思います。お楽しみに!