ドラマや映画などの流行で、この数年はすっかり韓国ブーム。以前は韓国料理といえば「焼肉」というイメージを持つ人がほとんどだったが、伝統的な韓国料理を食べさせる専門店もぐっと増えてきた。韓流ブームのずっと前から、もう20年来の韓国ファンの私としてはうれしい限り。実は焼肉は奥深い韓国料理のほんの一部でしかなく、本来の韓国料理は野菜をふんだんに使ったヘルシーなものが多い。その野菜に、千葉をはじめ東京近郊の有機栽培のものを取り入れているこの店の料理は、まさにウェル・ビーイングそのもの。
店は注目の裏原宿を過ぎた隠れ家的な場所にあるにもかかわらず、たまたま用事があって通りがかりに発見したのは、きっと「呼ばれて」いたから……などと思ってしまった。地下にある店だが、エントランスは明るく開放的。天井の高い店内は想像よりずっと広く、シックな雰囲気。それもそのはず、イデー・デザインショップによるプロデュースだという。韓国料理とか、オーガニックレストラン、という言葉から受ける印象とはちょっと異なるムードなので、そういうイメージは敬遠気味という友人を「こちらの世界(笑)」に引き込むにも向いているかも。
ランチメニューは日替わり韓定食、月替わりの丼ものやスープ、そのほかにもピビンパプなどの定番が数種類あり、バラエティー豊富。どれも魅力的で、取材当日も3人ともどれにしようか迷ってしまったほど。結局、日替わり韓定食と今月のスープランチのテンジャン冷汁、有機野菜のサムパプをオーダー。価格はどれも1000円前後とお財布にもやさしい。さらに、すべてのランチにはコーヒー、紅茶またはコーン茶の飲み物がつき、200円プラスすれば、スープを根菜のテンジャンスープに変更することも。日替わり韓定食はメインが鶏肉だったのでスープをこれに変更。有機栽培の根菜は噛むほどに甘みが出ておいしい! 野菜たっぷりなので肉系のメニューを頼んだときには特にオススメ。また、ランチをオーダーした人は300円で「本日のデザート」を追加することもできる。
- 落ち着いた色合いがシックな店内。パーティーなどもOK
- 日替わりメニューはメイン以外に、小鉢4品がつく
定番である「有機野菜のサムパプ」は特に惹かれたメニュー。サムは包む、パプはご飯、という意味で、レタスやえごまなどさまざまな葉野菜でご飯、薬念(ヤンニョム)と呼ばれる辛い薬味味噌、おかずを包んで食べるもの。野菜のおいしさが光る1品だ。
冷汁は宮崎県の郷土料理で、魚のすり身や豆腐を入れた冷たい味噌汁。これを、韓国味噌テンジャンで仕立てたのがまさに「ミソ」。甘みのあるテンジャンは冷やすといっそうマイルドで、コクのある豆腐とよく合う。ただし、これは7月のメニューなので、今はないのであしからず。化学調味料を一切使わないという料理はどれも辛いながらもカラダにやさしい味なので、新たな味を発見し毎月通うのもいいかも。
- 野菜がおいしいサムパプはたっぷり食べてもヘルシー
- 冷汁は初めて、というスタッフも感激のおいしさ
メインの食事がリーズナブルだったのをいいことに、デザートもあれこれオーダー。韓国伝統茶にも使われる五味子(オミジャ)のゼリーはさわやかなおいしさ。南瓜と人参のホットクはやさしい甘みでパンケーキのよう。ホットクといえば、韓国ファンには屋台で売られている黒砂糖の蜜入りのものがおなじみかもしれないが、もともとは甘いパンケーキ上のおやつを指す。
夜はアラカルトの料理各種のほか、取り揃えられた有機ワインをはじめ、バーニューも豊富。ムーディーな大人の空間で、カラダにいいメニューが味わえるとはうれしい限り。モデルたちにも人気というのもうなずける。ぜひ、おしゃれなオーガニックコリアンをお試しあれ!
- 五つの味を持つといわれる五味子とマンゴー
- お母さんのおやつのような味わいが魅力のホットク
メニューデータ
ランチ:
日替わり韓定食 900円
有機野菜のサムパプ 900円
今月のランチ丼 900円〜
今月のスープランチ 900円〜
ほか
カフェ:
韓国伝統茶 各630円
(柚子茶、なつめ茶、生姜茶ほか)
コーヒー 525円
カプチーノ 630円
エスプレッソS 420円
紅茶 630円
ハーブティー 630円
ディナー:
本日の前菜盛り合わせ 1050円〜
霧島山麓豚サムギョプサル 1050円
本日の白身魚のフェ 1260円〜
チーズプルダック 1470円
蛸と海老の魚介のジョン 1050円
ほか、多数。
店舗データ
Korean Organic nabi
コリアンオーガニックナビ
Korean Organic nabi ウェブサイト
http://www.nabi-tokyo.com/
東京都渋谷区神宮前2-31-20 アコルデ神宮前B1
TEL:03-5771-0071 FAX:03-5771-0072
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