リグーリ州にあるエコビレッジ「Torri Superiore」は、1989年、廃村に取り残されていた中世の建物を修復するというプロジェクトから始まった。その後、新しい住民を迎え入れたり、開かれたエコビレッジやカルチャーセンターを運営することで、村の復興に取り組んできた。
- 中世の歴史あるTorri Superioreの建物
- Torri Superioreのある村
- 山頂から見た村
Torri Superioreで特徴的だったのはやはり建物。13世紀に建てられたこの建物は8階建てで、内側に小さい路地がいくつかあり、ほかの3つの独立した建物をつないでいる。歩道の整備、老朽化した建物や壊れた石壁の修復が今でも続く。
- 石造りの小さい路地
- 中世の風景を彷彿させる
メンバーは元「Global Ecovillage Network」代表のイタリア人女性をはじめ、アイルランド人、ドイツ人の親子など8人。短期ボランティアは、退職して老後の働く場所を探しているドイツ人女性、ドイツのコミュニティからやってきたドイツ人男性、そして私だ。メンバーはみんな、「サスティナビリティ」、「共同」、「連結」といったテーマに賛同する人たちでなりたっている。
敷地面積はおよそ7040坪。敷地内にはメンバーやボランティアの住居、旅行客のためのゲストルーム、レストラン、ギフトショップがあり、ライブラリーにはエコビレッジやパーマカルチャーに関する本や資料がたくさん置かれていた。庭にはオーガニックの野菜畑とウサギと鳥も飼われている。
ここのレストランの食事は、ガイドブックに紹介されるほど、とてもおいしい。そして、その食事をここのメンバーやボランティアたちもいただくことができるのである! 最高においしかった!!
私が訪れた時は冬だったので、ほとんど仕事といった仕事はなく、ボランティアは食費と宿泊代として1日およそ2,000円(15ユーロ)を支払って滞在していた。私の日々の仕事は、キッチンやダイニングの掃除、捨てられたタイヤを使って苗木を植える花壇作りのお手伝い。
- リサイクルタイヤで作られた花壇
- レストランの絶品料理
- こじんまりとしたギフトショップ
すっかり廃れていた村が、エコビレッジの人々によって息を吹き返す。ボロボロだった建物が修復され、どんどんカラフルになっていく。エコビレッジは個人が農業体験をしたり、自然と一体化した生活をただ送るだけではない。町単位や村単位でドドンと丸ごと持続可能な社会にしていく。前回のLongo Maiの町おこしといい、エコビレッジのあり方、意義の深さを考えさせられた。