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再生可能エネルギーでつくる小さな映画館へようこそ!「green drinks shizuoka vol.18」 [イベントレポート]

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見事な秋晴れに恵まれて、まさに「発電日和」となった10月18日(土)。

“シズオカ”をキーワードに集まる人々のプラットフォーム、「グリーンドリンクス静岡」が開催されました。

この日”映画を観るための電気”を用意してくださったのは、今年2月の発電ワークショップに参加しミニ太陽光発電システムを製作した手塚さん。

なんと神奈川県に接した静岡県田方郡函南町から車の助手席にパネルを乗せ、西日(!)で発電しながら会場入り。そしてゲストであるgreenz.jpプロデューサーの塚越さんも、神奈川県から静岡入りしてくださいました。ようこそー!
 
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参加者の皆さんが集まった頃にはすっかり日も暮れ、映画館の準備は万端。まずはじめに塚越さんから、グリーンズやご自身の活動、そして「わたしたち電力」についてお話いただきました。

静岡でも開催したような発電ワークショップを一年間続けた中で、もっと気軽にもっと継続的に、日常に取り入れたり電気のことを考えてみるにはどうしたら良いのかという思いが生まれたこと。その方法のひとつとして”映画”を選んだこと。

今日のグリーンドリンクスのように、自家発電した電気で小さな映画上映会を開くことも決してハードルは高くなく、参加者の皆さんにもぜひトライしてもらいたいという言葉には、会場から「おもしろそう…!」という声もあがりました。

実際前回のワークショップ後、しばらくは発電システムを大いに活用していた手塚さんでしたが、時間が経つにつれて少しずつ遠のいてしまったそうです。

実はこの日の朝も重要なパーツであるインバーターが見当たらない!ということで、一時はイベント中止の危機が迫ったのでした!(無事見つかったので開催できましたが。笑)こういうケース、わりとあるそうです。

せっかく発電できる環境を活かすためには、習慣化することも大事だけれど、まずはイベントとしてみんなで楽しみながら使ってみる方法も有効かもしれませんね。
 
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さて、ここでいよいよケーブルをつなぎ、太陽光でつくられた電気でプロジェクターを動かします。見た目で何が変わるわけではないのですが、よくよく考えてみると少し不思議でワクワクするような感覚…!
 
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上映作品は、事前のアンケートで一番多く票を集めた『台北カフェストーリー』。台北でオシャレなカフェを営む姉妹が、お店で物々交換を始めたことをきっかけに少しずつ価値観を変化させていく、透明感あふれる映画でした。

ストーリーに集中しながらもふと思い出すのは、今私たちは太陽から生まれた電気で映画を観ているんだということ。普段と違うのにむしろ”しっくり”くるような、後ろめたさが無いような。これは体験してみないとわからなかった発見です。

上映後は、おまちかねの乾杯!
 
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県外からお越しのゲストにはぜひ味わっていただきたかった静岡おでん。もちろん黒はんぺん入り。塚越さんにはバッチリ”だし粉”をかけて食べていただきました。
 
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そして、グリーンドリンクスの醍醐味は対話です。2つのグループに分かれて、お互いの自己紹介と映画の感想、そして今考えてることを話し合ってみました。ちなみに私がいるグループでは、こんな話をしましたよ!

・デンマークへ留学していた時、滞在していた村で実際に物々交換が生活に根付いていて、感動した覚えがある。その時は子供の洋服など「物」の交換をしている印象だったけど、今回の映画を観て「価値観の交換」という新しい発見があった。

・自分が関わっているイベントは、1000人くらいのボランティアスタッフによって支えられている。そのスタッフさんたちは自分たちの時間や力を、お金じゃないものと交換しているってこと。もちろんお金はみんなにとってわかりやすいしスッキリするものではあるけど、逆にお金を介さないで何かをダイレクトに交換する方がロスが無いし進んだ考え方のような気がする。

・一番大切なものってなんだろう。って問いかけられたらすぐに答えられる?

・キューバでは、ある時から給与所得者が仕事を辞めて有機農業にシフトしたらしいけど、やっぱ人間にとって食べるってことがまず一番大事だと思う。
・貨幣経済に縛られすぎている自覚はありながらも、でも今それを無視できないし、何かを拡げていくためには必要だから、そういう状況の中で自分が何を大切にしていったらいいか模索中。

・昔、読み逃してしまった「スラムダンクの最終回が掲載されたジャンプ(雑誌)」をオークションで通常価格の10倍で手に入れた。周りの人には不思議がられたけど、自分の読みたいという気持ちがその価格と同等だったから、とても満足。

・昔はガリ版印刷=オフグリッドだったよね。

・お金は何かに姿を変えないと、ただの記号。価値観の交換というのは、第3者には評価できないもの。(糸井重里さんの本から)

・教育は自給自足しにくいからこそ、お金がかからないものであってほしいな。

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最後は全員で感想をシェアしてみましたので、一部ご紹介させていただきます!

・グループで出た「逆に、もし電力が無限につくれたらどうする?」という問いが面白かった。そうだとしても自分はきっと使わない暮らしの方が楽しいだろうなと思った。

・ブータンで電線がない理由は、鳥がぶつかると怪我をしてしまうから。彼らは電気じゃなくて鳥を選んだけど、私たちは自分たちの暮らしの話ばっかりになっちゃう傾向があるなと思った。

・電気を使わない生活がクールという時代は来るだろうし、暗闇を楽しもうというアイディアが生まれたり、だんだんと変わっていくのでは。

・一生懸命やると”節約疲れ”してしまうから、ゆっくりじわじわ慣れていった方がいいのかな。

・実は必要じゃないけど、必要だと思い込んでいるものがある気がする。電気のこともそうで。自分の気持ち良い所から、無理をせずに少しずつ変えて行ければいいのかなと思っている。

・映画の中で出てきた”問い”に対しての答えを丁寧に見つけていきたい。

・暗さを感じている時が人間ぽくて心地よいし、さらには「好きなことが地球にも良いらしいので、いいな」と思っている。

・自分が価値を感じてるものは何かを考え、自覚すること。それは電気は電気会社から買うものとか、物はお金でしか買えないとか、そういった既成概念から一回離れてみる勇気なんだと思った。

電気のことも映画のことも、みんなで共有することで一段と深く考えられたイベントでした。

実は開催後、さっそく参加者の方から「足久保(静岡市の中山間地域)の川べりで、夏の夜に映画を楽しむ、というスピンオフ企画を実行したい!」という声が。

この小さな映画館での体験が、こんな風に静岡のいろんな場所へ広がっていくことを願っています!

次回のグリーンドリンクス静岡もお楽しみに!
 
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おまけ

 
参加者の皆さんに配布した名札。ここには名前を書く欄ともう一つ。ある質問への回答欄が用意してありました。答えをご紹介します。
Q・「目の前にある限られた電気を何に使う?」
A・
・目の前を照らす
・PCの充電に使ってしまいます・・・。
・映画上映
・パソコン
・ラジオ
・ライブステージ
・灯り
・スマホ充電
・明かり(LED)
・自然を楽しみながら音楽を聴く
・とっておく

(Text / Photo: 井上泉)