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ベンチに手帳が置かれていたら、あなたなら何を書きますか?知らないご近所さんと交換日記するプロジェクト「ベンチダイアリー」

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いつも通る街角。公園のすみのベンチに、通りすがりの人が何でも書いていい、小さなノートがくくりつけてあったら、あなたなら何を書くでしょうか。

米アトランタに住むDessa Lohrey(以下、デッサさん)はある日、自分の住んでいる街の住人が、いったい何を考えているのだろう?と知りたくなり、小さなピンク色のノートを持って出かけました。そして、街のあちこちのベンチにくくり付けてみたのです。
 
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彼女の「ベンチダイアリー」プロジェクトの初日、4つのノートには素晴らしい内容でいっぱいでした。子どもから92歳のお年寄りまで、書き込む人は老若男女さまざま。お金のためにストリップをしたことを書く人も居れば、公園に座っていることをテーマにした詩を共同制作したカップルも。その日から、住民たちが書いた日記は90を超えました。
  
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12歳の女の子。「この日記は迷子になってると思う。誰のだろう。…自分のことは好き。でもときどき嫌い。」

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池のほとりのベンチで。「ママなんて大バカだ!僕がつかまえたカメ、ムリヤリ返させたんだ」

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「今でもわからない。人生でなんの説明もなしにいろんなことが起こるのはどうしてでしょう。物事には理由があるってみんな言うけれど、本当なのかしら。」92歳

こうしたプロジェクトを始めた背景を、デッサさんはこう語ります。

高校生の時、自分が4年生の時の日記が、ほかの思い出の品の中に埋もれているのを見つけたんです。あまりの面白さに友達と一緒に盛り上がり、その日から私は日記の虜になりました。恐れのなさや正直さ、といった「日記を書くときにあふれ出てくるもの」が大好きなんです。

デッサさんは今、他の街に少しずつプロジェクトを広げつつ、より遠くの街や国の人々が、どんなことをシェアしてくれるのか思いを馳せています。

小さなノートをそれぞれの街に置き、集めたエントリーを登録してくれる仲間が世界中に広がれば、時や場所、文化や言葉を超えた素晴らしい日記のコレクションができるでしょう。
 
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少しずつ広がっているベンチダイアリーの設置場所。

誰が読むのかわからないノートに、誰にも頼まれないのに、手書きで何かを書くこと。私たちは毎日ソーシャルネットワークでたくさんのシェアをしますが、白いノートに向かってペンを握るような気持ちで、自分の思いを探したことはあるでしょうか。

このベンチダイアリーで皆がシェアしているのは、スマートフォンやキーボードで文字にするのとは違う、手触りのある物語の一部かもしれません。あなたなら、もしどこかのベンチでノートを見つけたら、自分の心と手で、何を書いてみますか?

(Text:田中寛子)

[Via GOOD BenchDiary]